株主の皆さまへお届けしている株主通信のWEBサイトです。
第89期 2025年12月
平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申しあげます。
ここに株主通信2025年12月号として、2025年度上期業績と11月7日に公表しました中期ロードマップSF 2nd Stageについて、ご報告いたします。

2025年度 上期業績は、売上高が3,934億円(前年同期比+5.0%)、営業利益が177億円(同△7.8%)となり、売上・利益とも期初の社内計画を上回りましたが、前年同期比では増収減益となりました。2024年4月に開始した構造改革プログラム「NEXT2025」を計画通り2025年9月末で完遂し、主力事業の制御機器事業における収益の改善が全社業績を牽引しました。通期見通しは、下期が増収増益を見込むことに加え、米国による関税政策の影響が一定程度明確化したことを受けて、レンジでの開示から特定値での業績として、売上高は8,450億円(前年度比+5.4%)へ上方修正、営業利益600億円(同+11.0%)とあわせて増収増益を見通しています。
2025年度は「反転攻勢」へのモードチェンジの年と考えています。引き続き、“顧客に向き合い、売上を伸ばすこと”に徹底的にこだわり続けます。
オムロングループは現在、長期ビジョンSF2030のもと、社会的課題の解決を通じた新たな価値の創造に取り組んでいます。このたび、このSF2030ビジョン達成に向けた長期ビジョンの最終章として、2026年度から2030年度の5年間の成長の道筋を示した中期ロードマップSF 2nd Stageを策定しました。SF 2nd Stageは、私にとってCEOとしての初めての中期ロードマップの立案であり、強いこだわりと覚悟をもって策定に臨みました。
SF 2nd Stage のグループ方針は「Trusted Growth - GEMBA DX企業への転換に向けた顧客との信頼関係のさらなる深化」です。次の5年間は、当社の競争優位の源泉であるデバイスの再強化で、顧客との信頼をより深化させることに最優先で取り組んでいきます。そのうえで、データサービスの開発を進めていくことで、“利益を伴った持続的成長”と“GEMBA DX企業へのプロファイル転換”を進め、持続的な企業価値向上を目指していきます。
オムロングループは、SF2030ビジョンの実現に向けて経営と社員が一体となって実行力を高め、ロードマップで定めた戦略に沿ったアクションを徹底的にやり切っていきます。今後とも株主の皆さまの温かいご支援を賜りますよう、お願い申しあげます。
オムロンでは、2030年度までの長期ビジョン「Shaping the Future 2030」(SF2030)を掲げ、社会的課題の解決を起点とした価値創造を進めています。具体的には、「高齢化」「気候変動」「個人の経済格差拡大」という社会の大きな変化を踏まえ、「カーボンニュートラルの実現」「デジタル化社会の実現」「健康寿命の延伸」に取り組んでいます。

SF 2nd Stage では、SF2030の社会的課題は変えず、この5年間は、「攻め」と「守り」の両輪で、オムロンを再び成長軌道に乗せることを目指します。(図1 ご参照)そのために、実行力を徹底的に強化し、結果を出し続ける組織をつくるために4つのことにこだわります。まず、「執行ガバナンスの強化」です。CEO主導で執行の経営ガバナンスを強化し、注力事業や重点施策に対し、現場と一体となって成果を追い求めます。次に、「スピード経営の実現」です。市場の環境変化に対応するために、スピード経営を実行します。権限委譲を大幅に行い、事業や現場の自律化を促します。また、業務のプロセスDX化を進めていきます。次に、「人財強化」です。実行力の源泉は人財です。評価、処遇制度を見直し、成果主義への転換を図ります。また、経営人財100名を育成していきます。最後に、「企業文化のアップグレード」です。今一度、原点に戻り凡事徹底を実践します。さらに、創業者の精神であるベンチャー精神と組み合わせた、新たな企業文化を創ります。

SF 2nd Stage の方針は「Trusted Growth」です。GEMBA DX企業への転換に向け、顧客との信頼関係をさらに深め、再度力強い成長を実現するという強い意志を込めました。オムロンは、これまで製品やデバイスを通じて顧客課題を解決することで、成長してきました。次の5年間は、この原点に立ち返り、オムロンの競争力の基盤であり、収益性の高いデバイスを徹底的に磨き上げる期間と位置づけます。そして、デバイスを強化することで、2030年度に向けてデータサービスを中心とした新たな成長モデルへと段階的に移行していきます。SF 2nd Stageの5年間はデバイスを成長の原動力とし、デバイスの拡販を通じて競争力を再び磨き上げる期間と位置づけ、GEMBA DXの実現に向けた確度を高めていきます。





SF 2nd Stage では、「事業ポートフォリオの再構築」をコア戦略に位置づけています。選択と集中を一層加速し、グループ全体の成長を最大化する“尖り”のある事業ポートフォリオをつくり上げていきます。その実現に向けてグループの成長を牽引する13の注力事業を、「収益性」、「市場成長性」、「データサービス事業との親和性」の観点から特定しました。これらの事業の成長を最大限に引き出すために、「VALUE」、「FRONT」、「リソースアロケーション」の3つの領域で変革を力強く進めていきます。

SF 2nd Stageでは、注力事業の成長を軸に、過去を上回る大幅な成長と利益率・資本効率の向上を目指します。また、EPS(一株あたりの利益)の成長についても、次の5年間で確実に拡大し、株主価値の向上を実現していきます。
| 売上CAGR | 2024年度 実績 +2% |
2030年度 挑戦的目標 +7%%*2(M&A効果を含む) |
|---|---|---|
| 営業利益率 | 6.7%(営業利益 540億円) | 12%(営業利益 1,400億円水準) |
| ROE | 2.1% | 10 ~12% |
| ROIC | 3.2% | 8 ~10% |
| EPS成長率 | △17%*1 | +~20% |
| データ・サービス 売上比率 | 8% | 15% |
*1:2024 年に人員数・能力の最適化に伴う一時的費用220 億円を計上 *2:CAGR: 2024 年度~ 2030 年度
創出されるキャッシュフローは、注力事業への再投資による成長を優先するものの、あわせてTSRの持続的向上に向けて株主還元や機動的な自己株式の取得も実行します。
| キャッシュフロー創出力向上 | キャッシュフロー創出力向上利益を伴った成長、コスト効率化、資産流動化、運転資本改善等を通じ、キャッシュフロー創出力を引き上げ |
|---|---|
| 成長投資 | 成長投資最重要事業である制御機器事業を中心とした注力13事業に集中投資 |
| 負債調達 | 負債調達財務規律を意識しつつ有望なM&Aに対しては、必要に応じて財務レバレッジを活用 成長投資と健全性の両立を図る |
| 株主還元 | 株主還元TSRの持続的向上へのコミットメント -DOE3%程度をベースとした配当に、余剰資金があれば機動的な自己株式取得も実行 |
以下のお手続きの窓口については、株主さまの株式の所有状況によって異なりますのでご留意ください。
| ・配当金の受領方法・振込先の変更 ・届出住所・姓名などの変更 ・単元未満株式の買取・買増請求 |
口座を開設されている証券会社 |
|---|---|
| ・特別口座に関する照会 ・郵送物の発送と返戻に関する照会 ・支払期間経過後の配当金に関する照会 ・その他株式事務に関する一般的な照会 |
三菱UFJ信託銀行株式会社 証券代行部 〒137-8081 新東京郵便局私書箱第29号 TEL 0120-232-711(通話料無料) 受付時間 土、日、祝祭日を除く 9:00~17:00 三菱UFJ信託銀行ホームページ |
| ・株主総会資料の書面交付請求 | 三菱UFJ信託銀行株式会社 証券代行部 電子提供制度専用ダイヤル TEL 0120-696-505(通話料無料) 受付時間 土、日、祝祭日を除く 9:00~17:00 三菱UFJ信託銀行ホームページ |