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生成AI活用で挑戦する オムロンの関税業務効率化

生成AI活用で挑戦する オムロンの関税業務効率化

昨今、関税に関する話題は、グローバルにビジネスを展開する企業にとって、大きな関心事です。外国との取引を行う際、二国間または複数の国で関税率を優遇する協定・FTA※1 (自由貿易協定)が利用されています。FTAを適切に利用することで関税コストが適正化でき、グローバル市場における競争力や企業の信頼の向上にもつながります。その一方で、証明書の発給申請や事務的な負担がハードルとなっています。

オムロンでも、関税業務の一部である原産地判定業務の専門知識の習得と膨大な作業時間を課題視していました。この課題解決に、生成AIを活用できないかと着目したのが、グローバル購買・品質・物流本部(GPQ)に所属する浅川暁之でした。浅川が2023年に始まったオムロンの生成AI活用推進プロジェクト「AIZAQ(アイザック)」に参加し、生成AIを活用した関税業務効率化についてご紹介します。

※1 FTA(自由貿易協定):特定の国や地域間で関税やその他の貿易制限を削減・撤廃することを目的とした協定です。締結国・地域間で自由な貿易を実現し、貿易や投資の拡大を目指すことを目的としています。

社内DXの推進と製造業界への貢献を目指して

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オムロン株式会社
グローバル購買・品質・物流本部
浅川 暁之

「今回の生成AIへの取り組みは、関税業務におけるパイオニアと言えるインパクトを持っていると思います」と浅川は言います。今回挑んだ関税業務に生成AIを活用する取り組みは、オムロン社内の関税業務の効率化と業務の属人化という課題を解決しただけでなく、同様の課題を抱えている海外企業との取引を行う他の日本企業にとって、参考となるモデルケースになるのではないでしょうか。

生成AIを活用した業務知識の共有は、企業が抱えている人材不足や業務のばらつきといった課題の解決にも有効です。今回構築した、機械学習と生成AIを活用した関税業務のプロセスは、関税業務以外の専門的な業務にも応用が可能であるため、生成AIの活用を検討中の企業の後押しとなることが期待されます。

浅川は、今回得た関税業務における生成AI活用のナレッジを共有して、他の社員も同じように生成AIを使いこなせるようにしたいと考えています。さらに生成AIを活用して実現したい展望についても2つ語ってくれました。一つは、生成AIを関税業務の社内研修に活用すること。もう一つは、FTAを使う際に同じような悩みを抱えている企業に対し、関税業務における生成AI活用の普及に貢献することです。

オムロンは、今後も生成AIをはじめとした先進的な技術を積極的に活用し続けます。そして、社会的課題の解決と新たな価値創造を実現したいと考えています。AIZAQの活動を通して得た知見や技術を他の業務にも応用し、さらなるイノベーションを生み出すことに挑戦し続けるオムロンにご期待ください。

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