case #03

家電業界のグローバル営業として、世界の人々の豊かな暮らしに貢献する。

PROFILE
オムロン株式会社
電子部品事業 家電業界営業事業部
2005年入社/法学部法学科
PROFILE
オムロン株式会社
電子部品事業 家電業界営業事業部
2005年入社/法学部法学科

PROJECT

電子部品事業はリレー、スイッチ、コネクタといった既存製品の商品力や、強みとするモノづくり力の一層の強化に加え、業界やお客様の求める新商品創出に取り組んでいる。家電業界営業はスタイルも一変し、これまで以上に顧客の先行開発部門へのアプローチに力点が置かれることになった。数年先の新製品開発動向を見据え、他社にはないキーパーツを積極的に提案することで、より付加価値の高いモノづくりを展開しようという戦略である。

粘り強く重ねた提案が、ある日ついに実を結ぶ

大手家電メーカーX社の担当となったのは2ヵ月前。そこから重点的にX社に通い続けた。相手は先行開発部門のキーパーソン。採用はされないかもしれないが、提案回数を増やすことでチャンスは必ず広がると考え何度も足を運んでいた。そして、とある冬の日のX社の応接室にて。「今回のご提案はエアコンに搭載するセンサです。省エネ運転につながると思うんです」。差し出したのはいつもの通り、1シートだけの提案書。これまでは何度アイデアを提案しても、すべてこれまでに検討済みの案ばかりだったらしく、即座に不採用の返事とその理由が返ってきていた。今回も、いつもの手厳しい反応を覚悟していたが、意外にも相手の態度がいつもと違う。そして一呼吸置いた次の瞬間、待ち望んでいた答えが返ってきたのだ。「これはおもしろい」。心中では驚きながらも、気持ちを抑えて確認した。「本当ですか」。

提案の成功を機に、活躍の舞台は世界にも広がる

自分の提案をベースに、エアコンの新商品が生まれる。そう考えるだけで、これまでの苦労が報われる思いだった。すぐに開発部門や製造部門と連携して、低コストかつ高機能という難しい要求を叶えるべく、最も生産性に優れた形状などを検討。粘り強く成果を追求し続けた。そして、商談発生の喜びの瞬間から約1年半が経った頃、ついに新モデルへの独自センサ搭載にこぎ着けたのである。目標としてきた、家電メーカー先行開発部門での部品採用第一号。価値ある大きな成果だった。

しかもそれは、グローバルな視点で見ればスタートラインでもあった。家電業界営業事業部では、担当を顧客単位で分けている。グローバルに展開している顧客を担当すれば、自ずとその海外拠点に対する営業活動もすべて統括することになるのだ。次は現地のオムロングループ会社の営業担当者などとも連携しながら、世界を舞台に拡販を進めていく必要があった。その第一歩として、独自センサ搭載機の日本国内での推移が順調なことを確認し、すぐにグローバル機種に対する提案に動き始めた。

日本と海外の空調事情の違いを痛感

最初に確認したのは、X社が同様のセンサ搭載機種の海外展開を計画中だということ。その後、すぐさまX社の海外生産拠点がある中国とタイに渡った。国内で採用されたセンサをベースに、コストや機能などを市場に合わせて調整するためだ。

現地のオムロングループ会社の営業担当者たちとも顔を合わせ、情報収集や意見交換を行った。気候も習慣もまったく異なる他国の空調事情は、興味深いことばかり。たとえばタイの営業担当者は、センサを使っての省エネ運転はタイには向かないと教えてくれた。「この国では冷房機能を常に全開にしていないと暑さを凌げません。省エネを考えるのならエネルギー効率を上げるしかないですね」。

自らも10代の大半を米国シアトルで過ごし、異なる文化圏で様々な背景を持つ人たちから刺激を受けて育った経験がある。海外市場に直接触れることで、より高まっていくチャレンジ意欲。さらにこの時から「次年度モデルは、日本で成功したものを海外に広めるだけでなく、各国・各地域に応じた提案を実現したい」と思い始めていた。

グローバル化に向けた対応が社内で高く評価される結果に

日本に戻った後は、仕様が決定した海外向けセンサを生産から出荷までフォローする一方、次年度の海外モデル向け提案に関わる情報収集を開始した。その一環として、空調業界を担当する営業が集うグローバル会議を企画。オムロングループにおける空調機器メーカー上位10社の担当者をタイ、中国、韓国から招集し、各市場の詳しい情報を共有するとともに現地の視点を交えた意見交換を行った。急速にグローバル化が進む家電業界。こうした国別・地域別のきめ細かい対応が求められるのは空調機だけではない。この最も市場に近い営業担当者たちによるグローバルマーケティングの試みは部内で高く評価され、テレビや洗濯機など他の商品分野でも同様の動きが目指されることになった。

一方、社内には全体のグローバルマーケティングを担う部門があり、営業部門にも担当マーケッターが配置されている。「全体でうまく連携するしくみをつくりたい」。この短期間で視野は大きく広がり、仕事の進め方も確実に変化を遂げていた。

ニーズを把握し、その地の暮らしを支える

出張で中国・深圳を訪れ、市場調査のために現地の営業担当者と、とある家電量販店に立ち寄った。グローバル会議から約5カ月後のことだ。参考のためにエアコン売場をのぞくと、そこには自ら手掛けたセンサを搭載したエアコンが大々的に販売されていた。センサ機能を売り込む販売員のセールストークを、同行した現地営業担当者が通訳してくれた。ここ中国でも商品化されて広く使われ始めているのだ。そう実感すると、新たな感慨がわき起こった。

この時、「近い将来、どこかの海外拠点でもマネジメントを経験してみたい」という確かな想いが芽生えることになる。その想いが叶った現在、タイの営業拠点で、現地メンバーをマネジメントしながら事業拡大に注力。海外を舞台に、その手腕を最大限に発揮している。

未来を見据えて、確かな成果を積み重ね続ける

市場開拓に向けたチャレンジに現地の営業担当者とタッグを組み、チーム一丸となってその地の暮らしに貢献していく。そんな将来の実現に向けて、まずは現在率いているメンバーとともに新しい成果をあげたいと考えている。「国や文化が違えば、人の考え方も違ってくる。そこがおもしろい」。これからも飽くなき挑戦は続く。

comment

もともと、人と違ったことを考えるのが好きなので、提案に力を注げるこの仕事はすごく楽しいです。このプロジェクトでも、採用してもらうまでに出した案は軽く100を超えていました。そんな中、ようやく自分のアイデアを採用してもらえたこと、そのアイデアをもとに世界を舞台とした連携が進んだことに、大きな喜びを感じています。これからは多様な人の集まるチームを率いて、シナジーを引き出せるだけの力を付けていきたいですね。