事業と技術
topics #03
社会システム事業

クリーンエネルギーの有効活用に向けて。

太陽光発電を地域全体へスピーディかつ安全に普及させるために。
多数台連系時単独運転防止技術「AICOT®」。

Pal Town 城西の杜

エネルギー資源の乏しい日本において、地球環境にやさしい再生可能エネルギーを普及させることには大きな意義があります。中でも太陽光発電は設置する地域に制限がなく、屋根などの未利用スペースを活用できることから、導入しやすいシステムとして着目されてきました。しかしながら、太陽光発電を普及させるためには、クリアしなければならない安全上の課題がありました。
太陽光発電システムには、停電時に復旧作業者の感電や設備火災などの事故が起きないように単独運転を防止する機能が備わっていますが、他の太陽光発電システムの単独運転検出との相互干渉により自らも単独運転する可能性があることから、相互干渉試験を実施する必要がありました。このため、本稼働するまでに3ヶ月もの時間を要するとともに、多額の試験費用も必要でした。
さらに、柱上トランスを越えて単独運転を検出することは技術的に極めて困難であったため、太陽光発電システムは電力網の安全上、町全体の約1割にしか設置できないという設置制限も設けられていました。

オムロンは新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の事業委託を受け、2002年から「集中連系太陽光発電システム実証研究※1」を実施してきました。群馬県太田市にある「Pal Town 城西の杜」では、住民協力のもと研究を推進し、総数553戸、総発電量2,129kWという世界でも最大規模の多数台連系を実現しました。オムロンは実証研究で得られた知見をもとに多数台連系時の単独運転防止技術「AICOT®※2」を業界で初めて確立し、2011年には「AICOT®」を搭載したパワーコンディショナを発売開始しました。「AICOT®」は周波数の変動をもとに0.2秒という高速で単独運転を検出し、停止させることができるため、相互干渉の恐れがなく、設置制限がかかりません。この結果、相互干渉試験も不要となり、太陽光発電システムの設置時間を大幅に短縮することを可能にしました。「AICOT®」は太陽光発電集中設置時の系統連系技術として規格化され、太陽光発電システムの普及促進に大きく貢献しています。

  • 1. NEDOの委託事業として株式会社関電工が受託。単独運転技術については当社が再受託し、当技術を開発・提供しています。
  • 2. 「AICOT®」はオムロン株式会社の登録商標です。

太陽光発電の長期安定稼働のために。
太陽光パネルの故障位置特定技術「AISETTM」。

太陽光発電システムは長年稼働していく中で様々な故障が発生する可能性があります。発電量を維持するためには故障位置を早く特定し、復旧させる必要がありますが、これまでは太陽光発電システムの回路ごとに測定を行い、故障の有無を判定した後に、太陽光パネルを個別にチェックする必要があったため、故障位置の特定にはたいへん時間がかかっていました。

オムロンは、太陽光パネルの故障位置特定技術「AISET(TM)」を開発し、故障の有無と位置特定を接続箱単位で一度に行うことを可能にし、保守作業時間の大幅な短縮を実現しました。また、「AISET(TM)」では太陽光パネルの故障特徴に合わせたセンシングを行うことで、計測器の小型化を実現しました。オムロンは、太陽光発電システムの普及に貢献するとともに、点検・保守業務の作業効率向上の観点から長期安定稼働もサポートしています。