事業と技術
topics #05
ヘルスケア事業

誰もが自分らしく、充実した毎日を送るために。

世界に10億人いるといわれる高血圧患。

高血圧の重症化に伴い発症リスクが高まる脳梗塞や心筋梗塞、心不全などの脳・心血管疾患は、死因の上位を占めるだけではなく、死に直結しなくても、寝たきりや言語障害が残ります。患者本人はもちろん、一緒に暮らし介護する家族にとっても大きな負担となってQOLを著しく低下させる要因となります。

QOL:生活の質(Quality Of Life)

脳・心血管患者の発生リスクを予想し、
未然に防ぐ世界シェアNO.1の「血圧計」。

今、私たちが取り組んでいるのは、脳・心血管疾患発症のリスクを高めるといわれる夜間の高血圧や急激な血圧上昇など、今の家庭での血圧と測定ではわからない血圧変動をとらえることです。血圧測定の頻度を高めて、危険な血圧変動をとらえ、疾病リスクを予測し、発症をふせぐ。
私たちは「はかる」ことでリスクを把握し、予防につなげるための新しいチャレンジを始めています。

スマートフォン専用アプリ「オムロン コネクト」。

ホーム画面(イメージ)
血圧・脈拍 月刊グラフ

Bluetooth通信技術により、オムロンの健康医療機器で測定したバイタルデータを簡単に管理し、他社アプリやサービスと連携することができるiPhone/Android 対応の無料アプリケーション。他社の健康管理アプリにデータ連携することができるので、測定したバイタルデータをAppleの健康管理アプリケーション「ヘルスケア」など、ユーザーが日頃から使用しているアプリで一元管理できるようになります。
「オムロン コネクト」は、慶應義塾大学病院が2016年11月から開始した「Apple WatchとCareKitを活用した患者ケアの臨床試験」に採用されています。これは、Apple Watchが測定する心拍数や活動量、iPadやiPhoneが収集する血圧などの生体情報を診療に活用する試みです。慶應義塾大学病院への通院患者や退院患者に対してオムロンの血圧計とApple Watchが貸し出され、自宅での血圧測定結果と、日々の活動データ、脈拍数、気分などを記録。病院側からモニタリングできる仕組みが実証されます。
血圧計で測定したデータは、「オムロン コネクト」に転送すると自動的にAppleの健康管理アプリ「ヘルスケア」に反映。血圧手帳などに記録する必要がなく、簡単に毎日の測定データの管理が可能です。医師はAppleの「CareKit」というフレームワークを使用し、タイムリーに患者の測定データなどのチェックを行うことができます。
この臨床試験を通じて、病院から家庭での生活を見守ることによる診療の質の向上、安心感の提供とともに、多様なウェアラブルデバイスと家庭用医療機器とを連動することで、将来の遠隔診療の可能性の検証が期待されています。オムロンは、この取り組みを機に、他社アプリとオープンにデータ連携を行うことができる「オムロンコネクト」の連携先拡大をはかり、健康医療機器で測定した生体情報が家庭での健康管理から医療機関での診療サポートまで幅広く活用されることをめざします。