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サステナビリティ
食文化を守り続けるエンジニアリング― 多様化するニーズに応え、食の安全・安心を届ける画像検査技術

食文化を守り続けるエンジニアリング― 多様化するニーズに応え、食の安全・安心を届ける画像検査技術

世界中の何百万人もの人々の食卓を彩るパスタ。パスタをこよなく愛するイタリアでは、ロングパスタを折って調理することは食文化への敬意を欠く行為とされるほどです。そんなパスタを大切にするイタリアのシェフが袋を開けたとき、中身が折れていたら―。その失望は、食品メーカーにとってブランドへの信頼を損ねかねない問題です。

しかし、繊細な食品を生産ラインから何千キロも離れた消費者のもとへ、品質を保ちながら届けるのは容易ではありません。製品一つ一つの完璧なパッケージの背後には、品質を守り、包装の状態を確かめ、不良品の市場流出を防ぐために緻密に設計された工程があります。そしてその工程は、食品ロスの削減、食の安全・安心の確保、製造現場の人手不足といった、食をめぐる社会的課題とも深く結びついています。こうした課題の解決に、オムロンのオートメーションとセンシングの技術が重要な役割を果たしているのです。


「中身」と「包み」の両方を守る

食品メーカーにとって、製品と包装の品質を一貫して保つことは、安定した生産と消費者の信頼を守る土台です。しかし、製品の品質管理も包装の品質管理も、複雑で多層的なプロセスから成り立っています。同じラインで多品種を扱う場合はなおさらです。こうした検査を人の目だけで担い続けることは、熟練人材の確保が難しくなる中で、製造現場にとって大きな負担となっています。

  1.  製品の品質管理:ビスケットやラスクなどの焼き菓子を例にとると、色や形状、穴の状態、欠けや割れの有無、厚さなどを一つひとつ確認する必要があります。
  2.  包装の品質管理:製品検査の後には、一次包装、二次包装、エンドオブライン包装という3つの段階があります。ピロー包装、シール、ケースパッキング、ラベリング、カートニング、パレタイジングなど、どの工程で生じた不備も、製品の安全性や消費者に届く情報の正確さを左右します。


包装工程で発生する主な不良と検査のポイント


なぜ不良ゼロを目指すのか

不良品がもたらす損失は、廃棄される食品だけにとどまりません。ライン停止による生産ロス、リコール、規制上のリスク、そして何より消費者の信頼にまで影響が及びます。米国食品医薬品局(FDA)が報告している2024年の米国食品リコールに関するデータによると、表示ミスだけでリコール全体の45.5%を占め、直接的なリコール費用は19.2億米ドルに達しています。

表示ミスは単なるコストの問題ではありません。アレルギー物質の表示ミスは、食物アレルギーを持つ人の健康や命に直結します。また、回収された製品の多くは廃棄され、その生産や輸送に使われた原材料やエネルギーも無駄になってしまいます。輸出先の国ごとに規制が異なるグローバルな取引では、その影響はさらに大きくなります。不良ゼロを目指すことは、人の健康を守り、限りある資源を無駄にしないための取り組みでもあるのです。


「見る」技術で、食の安全を支える

オムロンはオートメーション技術を通じて、食品メーカーや装置メーカーと緊密に連携し、食品生産における生産性、品質、安全性、一貫性の向上に取り組んでいます。その一つが画像検査システムです。ハードウェアとソフトウェアを組み合わせ、機械が画像を取得・処理・解析することで、検査、計測、判定を自動で行えるようにします。熟練者の目に頼ってきた検査を自動化することで、人手不足の中でも安定した品質を保ち、人はより付加価値の高い仕事に力を注げるようになります。

その取り組みの一つが、食品包装のリーディングカンパニーとしてグローバルに事業を展開するRicciarelli社*1との協業です。同社はロングパスタ向けの最新の横型カートニングマシンの開発にあたり、オムロンの画像処理システム「FHシリーズ*2」を搭載し、パッケージの封緘状態の確認と、OCR/OCV*3による印字検査を実現しました。毎分140カートンという高速で稼働するこの機械は、現在、不良ゼロを目指すイタリアの有名ブランドメーカーで活躍しています。

*1. パスタや食品の自動包装および計量システムの世界的リーディングカンパニー
*2. 製造現場の自動化や品質検査を支える高性能な画像処理システム
*3. OCR(Optical Character Recognition:光学文字認識)とOCV(Optical Character Verification:光学文字検証)。主に製造ラインや物流などの画像検査で使われる文字認識技術


多様化する食のニーズに、技術で応え続ける

原材料やアレルゲン、グルテンフリー、保存料の有無など、消費者が食品に求める情報はますます多様で詳細になっています。誰もが安心して食品を選べる社会を実現するうえで、製品と包装の品質管理の重要性はかつてないほど高まっており、食品メーカーと技術パートナーとの協業も、ミスが許されない環境の中で進化を続けています。

オムロンはこれからも、変化する社会のニーズを捉えた技術開発を通じて、食の安全・安心と食品ロスの削減に貢献し、世界中の人々が大切にする食文化を次の世代へとつないでいきます。


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