We are Shaping the Future!私たちが手繰り寄せる未来ストーリー

オートメーションのリーディングカンパニーとして、制御機器やヘルスケアなど多様な事業を展開するオムロン株式会社。全社重要技術に「エッジセンシング」を定義し、センシング技術のさらなる進化を目指しています。その技術開発と社会実装を牽引する、ストラテジックR&D本部 センシングテクノロジーセンタ(STC)の採用強化にあたり、エッジセンシングの重要性や事業部との連携体制、STCで働く魅力について伺いました。

ストラテジックR&D本部 センシングテクノロジーセンタ センタ長/光本 大輔(右)
ストラテジックR&D本部 センシングテクノロジー開発部 エッジAIセンシンググループ グループ長/小泉 昌之(左)
──「エッジセンシング」が全社重要技術に定義された背景を教えてください。
光本:当社は「センシング&コントロール+Think」をコンセプトに掲げ、長きにわたりセンシングをコア技術として磨いてきました。実際、中期ロードマップで定めた13の注力事業では、汎用センサ、セーフティ、基板検査装置、血圧計、家庭用心電計の5事業がセンシングに直結しています。これら注力事業の成長を牽引する「コアエンジン」として、エッジセンシングを重要技術に位置付けました。
小泉:道路監視のカメラシステムや改札システムといった社会インフラ領域にも、当社のセンシング技術は搭載されています。多様な事業の根幹を支え、新たな社会価値を創出するための絶対的な基盤技術だからこそ、全社重要技術に定義されているのです。
──なぜ今、センシング技術のさらなる進化を目指しているのでしょうか。
光本:主力製品のコモディティ化に対する危機感からです。
当社は1970年頃からセンサ開発を始め、アルゴリズムを搭載した血圧計やCT技術を応用した基板検査装置など、技術の高度化により事業を切り開いてきました。それらは今も主力事業ですが、技術の成熟に伴い、他社も追随できる時代になっています。
こうしたなかで新たなニーズに応え続けるには、基本機能の追求にとどまらず、AIを融合させた「現場課題を自律的に解決する知能化デバイス」への進化が不可欠です。
小泉:情報処理のあり方が大きく変わるなか、センサの知能化もまた必然の流れと言えます。本来、現場の「生の情報(一次情報)」を最も正確に捉えられるのは、対象に一番近いセンサ自身です。
しかし、そのデータ量は膨大です。全てのデータを一度サーバーやクラウドに送ってから判断する従来の方法では、送信速度を保つためにデータを間引く必要があり、重要な情報を見落とすリスクがありました。
だからこそ、センサ自身が生の情報を逃さず捉え、その場で自律的に判断するエッジセンシングが求められています。ものづくりやヘルスケアの高度化が進む現代において、次世代の社会実装に欠かせない技術なのです。

──エッジセンシングの強化を、各事業部ではなくSTCが全社横断で担うのはなぜですか。
光本:一見すると、現場に近い各事業部で技術を鍛え上げるのが理にかなっているように思えます。しかし、それでは目先の開発に追われ、技術の潮流に乗り遅れたり、事業部間の連携が阻害されたりするリスクがあります。そこでSTCが先端技術を獲得・牽引し、各事業部へ展開することで、シナジーを創出する「ハブ」の役割を担っています。
当本部は昨年まで「技術・知財本部」という名称で、先端技術の創出に取り組んできました。探索や研究は、イノベーションを生み出すために欠かせないプロセスです。一方で、企業として取り組む以上、その先にある社会実装を常に意識し、事業や社会の価値につなげていくことが求められます。事業と一体となり、技術視点でイニシアチブを取りながら全社を牽引する。「ストラテジックR&D本部」への刷新には、そうした強い意志が込められています。
小泉:かつては「社会貢献や事業成長に直結する技術をつくりたい」と願いつつも、現場との距離にもどかしさを感じていました。しかし、「ストラテジック」という役割が定義されたことで、事業側に深く入り込めるようになりました。現場のリアルな課題を捉え、「今、事業に効くテーマ」を積極的に提案できるようになり、目指すべき組織の姿へ着実に進化しています。
──STCならではの強みはどこにありますか。
光本:最大の強みは、FAやヘルスケアなど多様な事業領域に対し、横断的に技術を仕掛けられるダイナミズムです。シンプルなセンシングから基板検査装置向けの高度なセンシングまで、事業領域が広いからこそ、扱える技術の幅と深さも非常に大きなものになります。
また、事業の壁を越えて技術を融合させるカルチャーも特長です。過去には、屋外向け画像センサで培った「環境変動への対応ノウハウ」をFA領域に応用した事例もありました。技術の掛け算によって新たなブレイクスルーを生み出せることは、多様な事業群を持つ当社ならではの価値と言えます。
小泉:技術面の強みは、長年培った「ハードウェア」技術と洗練された「ソフトウェア(AI)」の高度な融合にあります。特にソフト面においては、AIの黎明期にデジタルカメラやスマートフォンの顔認識システムで世界トップシェアを獲得するなど、先駆けて技術を磨き抜いた実績があります。
現場を知り尽くしたハードの技術力に、この歴史あるAIの知見を掛け合わせる。この両輪により、従来の限界を突破する高度なエッジセンシングと、新たな価値提供が実現できます。

──具体的な事例を教えてください。
光本:汎用センサに高性能な軽量AIを組み込み、過酷な環境にも揺るがないロバスト性を追求した開発があります。例えばヘルスケア領域では、単なる血圧測定を超え、日常の測定プロセスから心房細動という不整脈の兆候を検知する技術を実装。データを測るだけでなく、重篤な脳心血管疾患を未然に防ぎ、人々の健康を守る社会インフラへ高めようとしています。
小泉:製造現場の自動化を支える技術開発も進めています。従来の製造ラインの構築・運用は熟練エンジニアの勘や経験に頼ってきましたが、人手不足や製品の複雑化により、現場の運用は限界を迎えつつあります。
だからこそ、センサ自体に高度な知能を持たせ、誰でも直感的に高度な制御ができるようにしたい。センサの進化によって現場の負担を減らし、製造業の持続可能な未来を支える挑戦です。
──事業部とはどのように連携して進めていますか。
光本:まず、STCと各事業部のマネジメント層で「上位戦略」の合意形成から始めました。ここがズレると、いくら優れた技術でもビジネスインパクトに結び付かないからです。そのうえで、STCの開発リーダーが事業部のプロダクトマネージャー(PM)や営業と対話し、事業戦略や顧客課題を踏まえながら開発を推進しています。
小泉:「筋のいい開発テーマ」とは、顧客の真のニーズを捉えたものです。単に事業部へ「どんなセンサがほしいか」とヒアリングし、顕在化した課題に対処するだけでは不十分なため、PMや営業が事業戦略を描く初期段階から入り込むことを重視しています。これにより、激変する市場の先を読み、「技術を積み上げた先に提供できる価値」を見据えた本質的なテーマ設定が可能になります。

──STCで得られる「技術者としての成長機会」を教えてください。
小泉:目先の事業ニーズに応えるだけでなく、多様な切り口で技術の可能性を切り開ける点は魅力です。海外の最先端機関との連携も活発で、私自身、米国の大学との共同研究から先端技術を持ち帰り、主要プロダクトの進化へ昇華させてきました。
さらに、技術開発の本質である「試行錯誤」を後押しする風土と制度も特徴です。確実性を担保しつつも、見込みのある技術に即座にチャンスを与える段階的な承認プロセスを構築しています。目的が明確であれば、圧倒的なスピード感で技術検証に着手できる環境です。
光本:自らの手掛けた技術が社会的課題をひもとき、事業として結実する。これこそが技術者にとって最大の醍醐味であり、成長の糧だと考えています。STCでは、顧客の真のニーズを捉えた社会実装の経験に加え、培ったコア技術を複数事業へ一気に横展開できるスケール感があります。
また、光学、AI、ロボティクスなど多彩な分野の専門家が隣り合って働いているので、日常の会話や協働そのものが「知の探索」となり、自身の専門性を広げてくれます。
──求める人物像をお聞かせください。
光本:多様な技術を融合させ、誰も見たことのない新たな価値を生み出し続けること。それが私たちの目指す姿です。エッジセンシングを起点に事業を拡大するには、この志を共にする仲間がまだまだ必要です。
技術の追求にとどまらず、常にビジネス起点で思考できる方。また、自身のコア技術にこだわりを持ちつつ、未知の領域を貪欲に吸収し、技術の掛け算でイノベーションを起こせる方を求めています。
小泉:与えられたテーマをこなすだけでなく、「あるべき姿」を主体的に提案し、行動を起こすことに喜びを感じる方がフィットすると思います。自ら思考し、独自の技術的アプローチで新たな未来を切り開ける方と働けることを楽しみにしています。
──実際に、どのような方が活躍されていますか。
光本:例えば、前職で生産技術の画像処理を担っていたメンバーは、基板検査装置にAIを適用し、「設定工数を大幅に削減する」という顧客の生産性を劇的に向上させる技術を開発しました。技術力の高さはもちろん、現場に入り込み本質的なスペックへと昇華させる「事業への当事者意識」が際立っています。
小泉:「自分の技術が社会実装に結び付かない」というもどかしさを抱えていたキャリア入社者は、現在、血圧計や各種センサなど複数事業のテーマを次々と牽引しています。自ら生み出した技術が実際の製品として世に出ていく確かな手応えを得て、生き生きと活躍しています。
最先端の技術を「社会を変える製品」につなげたい方や、広大な事業領域にダイナミックに技術を展開したい方にとって、STCは絶好の舞台です。熱い思いを持った方からのご応募をお待ちしています。
※記事の内容は公開時点のものです。
出典:ビズリーチ掲載記事(2026年10月15日公開)より転載