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サステナビリティ
世界中のすべての人の健康で豊かな暮らしをつくる

世界中のすべての人の健康で豊かな暮らしをつくる

“測る”という習慣が、世界の命を守る

5月16日の世界高血圧デーに合わせ、毎年5月、世界では血圧測定の重要性を広める啓発キャンペーン「May Measurement Month(MMM)」が実施されています。*1

その背景には、いまもグローバルでの健康課題であり、死因の上位にあがる“高血圧”があります。
高血圧は自覚症状がほとんどないまま進行し、脳卒中や心筋梗塞などの命にかかわる重大な疾患を引き起こすことから、「サイレントキラー」とも呼ばれています。現在、世界で約14億人が高血圧と言われています。*2

しかし、高血圧は早期発見と適切な管理によって発症や重症化を予防できる疾患でもあります。
その鍵となるのが、「家庭で血圧を測る」という、シンプルでありながら日々の生活でも取り組める行動です。

オムロンは、家庭での血圧管理と、高血圧治療に役立つ医療品質のデバイスの開発に、約60年前から取り組んできました。さかのぼること1960年代初頭、創業者・立石一真が世に先駆けて提唱した「健康工学」(オートメーション技術を活用して健康管理と病気の診断・治療をしようとする考え方)から始まり、家庭用血圧計の研究開発を進めてきました。

医療を病院の中だけで完結させず、家庭へ広げることで、病気を未然に防ぐ―

1973年には、電子血圧計を発売。以来、医療関係者・生活者に信頼されるデータの精度と、日常で使い続けられる使いやすさを両立し、家庭血圧の普及を推進してきました。

家庭用血圧計を使って測定する様子(当時、1983年)


家庭血圧の価値を日本発で実証し、グローバルスタンダードへ

1986年、家庭血圧の世界基準として知られる「135/85mmHg」を導き出す後押しとなった住民参加型の大規模研究「大迫研究」が岩手県大迫町(現・花巻市)でスタートしました。日本で初めて家庭用血圧計を導入したこの研究に、オムロンは約300台の血圧計を提供し、「家庭で毎日血圧を測る」という新しい健康習慣の価値実証に取り組みました。

この研究から「家庭血圧は診察室血圧よりも将来の疾患リスクを正確に予測できる」ことが、世界で初めて実証されました。この研究は、開始から約40年たった今も継続しています。
そして、本研究は家庭血圧の基準値「135/85 mmHg」の確立につながり、国際的な高血圧ガイドラインにも採用されるなど、家庭血圧の価値を世界標準へと押し上げました。*3

オムロンは、いまでも医療現場や専門家との連携し、血圧を測る習慣づくりと家庭血圧の普及を世界各地で継続的に取り組んでいます。現在では、130以上の国と地域で累計4億台以上の血圧計を販売しています。


まだ届いていない地域へ、アジアで進む「測る文化」の拡張

一方、この「測る文化」は、いまだ世界全体に十分に広がっているとは言えません。高血圧患者の約3分の2は、低・中所得国に集中しており、依然として深刻な健康課題となっています。

オムロンは「May Measurement Month(MMM)」の活動の中でも、各国の学会や医療関係者と連携して、血圧測定習慣の定着に向けた取り組みをグローバルに展開しています。
フィリピンでは、2026年5月から7月にかけてフィリピン高血圧学会と連携し、「一回の測定が命を救う」というメッセージのもと、全国規模で無料の血圧測定を実施しています。30〜79歳の成人の約3人に1人(約1,680万人)が高血圧とされるフィリピン*4で、早期発見と継続的な管理の重要性を訴求することで、人々のより良い暮らしの実現に貢献しています。

式典での血圧測定(左から)オムロン・フィリピンのゼネラルマネージャー、
ベンジャミン・アグブロスとフィリピン高血圧学会の理事が先導して血圧測定を促す様子


“測る”から“つながる”へ デバイス×データが加速する次世代の医療

そしていま、予防医療は次の段階へ進もうとしています。
2016年、オムロンはユーザーが自身のバイタルデータを記録できる健康管理アプリ「OMRON Connect」を開発。現在、130を超える国や地域で累計1,500万以上ダウンロードされており、予防医療の第一歩を切り拓いています。今後は、家庭で測定されたバイタルデータと医療をつなぎ、パーソナルケアと専門的な医療ケアをより密接に結びつけていきます。

さらにオムロンは、グローバルパートナーとの共創で、予防から遠隔医療までを支えるデジタルヘルスの実現を加速しています。
ヨーロッパでは、2024年にオランダのLuscii Healthtech社を完全子会社化し、同国内7割を超える病院で、200以上の疾病に対応したプログラムを提供するなど、遠隔診療のサービス強化を進めています。
インドでは、専門医数が日本の約25分の1にとどまる専門医不足という課題に対し、2023年に心電図解析AIを強みとするTricog Health社と連携。循環器診断支援の遠隔モニタリングサービスを開始しています。専門医が不足する地域でも、より早い診断と医療アクセスの実現を目指し、インドの人々の病気を未然に防ぎ、健康な暮らしづくりに貢献しています。

今後進めていく、遠隔診療サービスのイメージ



オムロンは、世界各地の医療課題に向き合いながら、早期発見から診断・治療までをシームレスにつなぐ、新しい医療ソリューションの実現を目指しています。

これからも、だれもが健康でよりよい社会の実現に向けて、医療現場にも認められた“高精度”なデバイスを強化し、グローバルに提供し続けるとともに、パートナーとの共創を通じた新たな価値創造に挑戦していきます。

*1:「May Measurement Month」
国際高血圧学会が5月17日の世界高血圧デーにあわせて実施する血圧測定啓発キャンペーンです。血圧測定の重要性と高血圧がもたらすリスクについての認識を高めることを目的に、2017年に始まりました。これまでに、700万人以上の人々が血圧測定を体験し、100万人以上の未治療高血圧患者が見つかっています。
https://www.maymeasure.org/

*2:「Global report on hypertension 2025: high stakes: turning evidence into action」
https://www.who.int/publications/i/item/9789240115569
https://www.who.int/news/item/23-09-2025-uncontrolled-high-blood-pressure-puts-over-a-billion-people-at-risk

*3: 家庭血圧の基準値「135/85 mmHg」確立までの歴史
1986年:大迫研究スタート
1996年:大迫研究が米国合同委員会のガイドラインに採用
1999年:大迫研究がWHOガイドラインに採用
2000年:日本高血圧学会による初の「高血圧治療ガイドライン」発表
2004年:大迫研究が欧州高血圧学会のガイドラインに採用
2009年:日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2009」においてカタイでの降圧目標を「125/80㎜Hg未満(高齢者は135/85㎜Hg未満)」と定める
2014年:日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2014」で家庭血圧による高血圧診断を優先することを規定
2015年:大迫研究が台湾高血圧学会のガイドラインに採用

*4:30〜79歳の成人の約3人に1人(約1,680万人)が高血圧とされるフィリピン
https://www.who.int/westernpacific/newsroom/feature-stories/item/stronger-systems-for-healthy-hearts-in-the-philippines

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