「完全自家消費」対応の太陽光発電システムを最小限の機器構成で実現する専用保護継電器「KP-PRRV」を発売~高圧領域でも消費電力の99%をカバーする無駄のない発電を実現~
- 2020年11月04日
- オムロン株式会社
オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:細井俊夫、以下、OSS)は、 コンビニエンスストアやスーパーマーケット、ドラッグストア、中小規模の工場などで、事業者が太陽光で発電した電力を売電せずに全てを施設内で利用する「完全自家消費※1」専用の保護継電器「KP-PRRV」を2021年2月に発売します。
保護継電器「KP-PRRV」
「KP-PRRV」は、高圧受電向けの太陽光システムの安全を担保し、送電網(電力系統)の故障や事故発生時にその影響を最小限に抑えるための機器(保護継電器)です。今夏発売の専用パワーコンディショナ「KPW-A-2」と組合せることで、高圧受電※2の施設において最小の機器構成で、消費電力に対して99%程度に高精度で追従して発電することで、最大限に発電する完全自家消費システムを実現します。
電力料金が高騰し太陽光発電システムの導入コストが低下する中、2030年に向け、再生可能エネルギーの主力電源化には固定買取制度(FIT制度)に頼らない地産地消を前提とした太陽光発電システムの普及がますます重要となってきています。中でも、発電した電力をすべて売電する全量売電型の太陽光発電が急激に普及したことで、売電電力を受け入れる送電網(電力系統)の空き容量がなくなりつつある中、電力系統への負担が少なく空き容量がなくても設置可能な「完全自家消費」が太陽光発電システムのさらなる普及のために注目されています。
一方、高圧受電の完全自家消費型システムでは、電力系統に電気を流す「逆潮流」を防止※3する「逆電力継電器」に加え、「地絡過電圧継電器」などの保護継電器、停電時に備えるバックアップ電源などの多くの機器が必要となります。そのため、設置コストの削減や停電時間内での作業効率化、省スペース化が導入の課題となっています。
今回発売する「KP-PRRV」は、高圧受電での完全自家消費に必要な4つの機能(逆電力検知機能、地絡過電圧検知機能、バックアップ電源、電力計測機能)※4-7を一つにまとめ小型化しました。これにより設置容積を従来比85%減の省スペース化を実現したことに加え、各種設定や設置の簡単化、従来必要であった各機器間の複雑な配線を専用パワーコンディショナ「KPW-A-2」に接続する通信線一本に集約したことなどで工数の削減に貢献します。
OSSは、これまで保護継電器や太陽光発電用パワーコンディショナの開発を通じて培った技術、ノウハウをもとに開発した本製品の提供を通じて、低圧で受電する施設だけでなく、高圧受電の施設においても、より魅力ある完全自家消費システムの提供に推進してまいります。今後も電力系統に負担をかけない再生エネルギーのさらなる普及を進め、持続可能な社会づくりに貢献します。
「KP-PRRV」の主な特長
- 「KPW-A-2」と組合せることで高圧受電設備でも最小システム構成で高速・高精度追従の完全自家消費システムを構築できます。
- 発電電力が単相負荷で消費し切れない場合は三相負荷で消費されます。
- 4つの機能を一つにすることによる設置、配線、設定等の工数削減により停電時間を大幅短縮できます。
- 薄型かつDINレールによる設置方法により盤加工なしで空きスペースなどに簡単に取付け可能です。
- 正面から配線できるので施工性や安全性が高いです。
【一般的なシステムとの比較図】
主な仕様
機種 | OVGR(64)+RPR(67P) | |
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名称 | 一体型保護継電器(地絡過電圧+逆電力継電器) | |
準拠規格 | JEC 2500 | |
形式 | KP-PRRV-CPC | |
保護要素 | 地絡過電圧(OVGR) | 逆電力(RPR) |
定格制御電源 | AC/DC110V | |
消費電力 | 1.3W以下 | |
定格周波数 | 50/60Hz | |
定格入力 | ZPD(一次側電圧):3810V ZPD(二次側電圧):7.6V |
専用CT入力 定格5ACTの二次側を入力 |
動作値整定範囲 | 2-2.5-3-3.5-4-4.5-5-6-7.5-10-12. 5-15-20-25-30%-ロック(16Tap) |
0.2-0.4-0.6-0.8-1-1. 5-2-3-4-5-6-7-8-9-10%-ロック(16Tap) |
動作時間整定範囲 | 0.1-0.2-0.3-0.4-0.5-0.6-0.7-0.8-0. 9-1-1.2-1.5-2-2.5-3-5s(16Tap) |
0.1-0.2-0.3-0.4-0.5-0.6-0.7-0.8-0. 9-1-1.2-1.5-2-2.5-3-5s(16Tap) |
トリップ出力 | OVGR(自動復帰用):1a接点 OVGR(手動復帰用):1a接点 RPR:1a接点+Tr出力 自己診断:Tr出力 |
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バックアップ時間 | 電断後、最大3秒 (5秒整定時は別途UPS等でのバックアップをお願いします) |
|
復帰方式 | 手動復帰/自動復帰 | 自動復帰 |
使用周囲温度 | -20~+60℃(ただし結露、氷結のない状態) | |
使用周囲湿度 | 30~80%RH以下(ただし結露、氷結のない状態) | |
外形寸法 | 高さ138㎜×横149㎜×奥行き69.5㎜ | |
質量(約) 本体のみ | 0.8kg以下 |
※1 完全自家消費とは、発電した電力を売電することなく発電した施設内ですべて消費すること。出力制御の影響を受けないことや、一般的に逆潮流可能な余剰自家消費より稼働までの時間が短いというメリットがある
※2 高圧受電とは、変電所から送られてくる6,600Vの電気を受電設備経由し受電すること、または施設のこと。 近年、電気代削減のため、コンビニのような小型店舗でも高圧受電をするケースが増加している
※3 自家消費システムがある施設は、その多くが電力会社と売電なし契約となるため、逆潮流を防ぐ必要がある
※4 地絡過電圧検出機能(OVGR)とは、事故復旧を安全に行えるよう電力系統側地絡を検出し、パワーコンディショナを停止する継電器の機能のこと
※5 逆電力検出機能(RPR)とは、施設負荷低下時や停電時の逆潮流を検出し、パワーコンディショナを停止させる継電器の機能のこと
※6 バックアップ電源とは、電力系統地絡で停電が発生しても地絡検出するためOVGRの電源補償する直流電源のこと
※7 電力計測機能とは、負荷追従制御のため施設の受電点の消費電力を計測する機能のこと
※8 不足電力継電器(UPR)とは、施設負荷低下を検出し、逆潮流が発生する前にパワーコンディショナを停止させる継電器のこと
Webセミナー概要
システム構築事業者様、需要家様を対象としたオンラインセミナーを実施します。 太陽光発電の自家消費に着手したい企業様へ、太陽光発電事業に長年従事しているオムロンが培った導入・設計のノウハウを導入側と設計側に分けてご案内します。
日時 | 2020年11月16日(月)10:00~11:00【設計・施工店様向け】 2020年11月16日(月)16:00~17:00【設計・施工店様向け】 2020年11月18日(水)10:00~11:00【自社への導入を検討中の方向け】 2020年11月18日(水)16:00~17:00【自社への導入を検討中の方向け】 2020年11月20日(金)10:00~11:00【設計・施工店様向け】 2020年11月20日(金)16:00~17:00【設計・施工店様向け】 |
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費用 | 無料 |
詳細・お申し込みはこちら | https://www.omron.co.jp/contact/ContactForm.do?FID=00385 |
完全自家消費の詳しい内容はこちら(特設サイト)
https://socialsolution.omron.com/jp/ja/products_service/energy/self-consumption
オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社について
オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社は、これまで独自のオートメーション技術により、自動改札機などの駅務自動化システムをはじめ、世界初・日本初の社会公共システムを数多く生み出してきました。これからも労働力不足やエネルギー、レジリエントなどの社会課題をいち早く捉え、IoT・AI・ロボティクスなどの最先端技術、ソフトウェア、運用・メンテナンスのトータルサービスでソリューションを構築し、安心・安全・快適な社会づくりに貢献してまいります。
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