ICタグの需要増に対応し、タグインレット生産ラインを滋賀県の水口工場に新設 2006年6月末には年間2.5億枚の生産能力に増強
- 2006年4月11日
- オムロン株式会社
オムロン株式会社(本社:京都市下京区、代表取締役社長:作田久男)は、今後のUHF帯ICタグの需要拡大に対応するため、4月3日にタグインレットの生産設備を滋賀県甲賀市の水口工場(*1)に新設しました。この水口工場では、新設備の導入と共に、順次、草津工場の現存生産設備も移管し、2006年6月末までに年間2.5億枚の供給能力を実現します。
これまで当社は、滋賀県草津市の草津工場にてタグインレットの生産を行ってきましたが、今後、タグインレットを増産するにあたり、水口工場が保有する半導体製造の実績とノウハウを活用することで、短期間に安定した生産ラインを構築できると判断しました。
水口工場の所在地
〒528-0074 滋賀県甲賀市水口町松尾568
背景
最近の国内外におけるICタグの動向から、需要の大きな伸びが期待できます。例えば国内では、2006年1月にUHF帯RFIDシステムに関する省令が総務省より改正されたことで、既にRFIDシステム導入を発表している大手家電量販店であるヨドバシカメラなどでUHF帯ICタグ導入の動きも活発化しています。
一方、海外においては、米国流通小売業のウォルマートが、2006年6月からEPCグローバルClass1 Generation2仕様のICタグを導入することを表明しているなど、市場でのUHF帯ICタグの需要拡大に対応して、当社は、新たにC1G2仕様タグインレットを中心に、年間2.5億枚の供給能力を持つ生産ラインを装備することにしました。
年間供給能力とRFID事業売上計画
年度 | タグインレット供給能力 | RFID事業売上計画 |
---|---|---|
2006年度 | 2.5億枚 | 30億円 |
2007年度のRFID事業売上を前年比倍増以上の計画達成に向け、2006年度にさらなる投資を行い、2007年には生産能力を年間3.5億枚に高めていく予定です。
今回の水口工場の生産ラインは、オムロン独自のタグインレットを生産するJOMFULTM技術(*2)を採用しました。この技術で製造されたタグインレットは、接合強度が強く、柔軟性に富み、曲げに強く、物流・流通業界、医薬品業界、さらに家電業界などで使用されるラベルタグや特殊タグの加工に適します。
*1: 水口工場の写真
タグインレットは、ICチップ、ストラップ、アンテナから構成されます。
- HF帯(13.56MHz)タグインレット
- UHF帯タグインレット
*2: JOMFULTMとは、オムロンのタグインレットの超音波接合技術の名称で、Joint、Metal、Film、 Ultra Sonicの文字を組み合わせた造語です。
タグインレットの不具合で最も多いのが、IC接点の接続不良です。JOMFULTMでは、この接点を超音波により金属融着しており、他社より優れた品質安定性があります。この品質安定性が、タグインレットの作製で重要であり、交信距離のばらつきが小さいタグインレットの作製を可能とします。JOMFULTM技術の特長は、加工工数が少なく、加工時間も短く、また、接着剤等の材料も比較的少ないことです。従って、生産ラインを低コストで構築でき、かつ、Roll to Rollでの大量生産が可能となります。
なお、この技術は、日本、米国、欧州、韓国、台湾で特許を出願しています。
- 詳細お問い合わせ先
- オムロン株式会社
事業開発本部 RFID事業開発部
広報・渉外担当 立石 俊三
TEL : (03) 5435-2016
弊社の2009年3月21日付組織変更において、「事業開発本部 RFID事業開発部」は解消(廃止)となりました。当部門から提供しておりました製品の中には今後の販売を終了させていただくものがあります。詳細はこちら