We are Shaping the Future! 私たちが手繰り寄せる未来ストーリー
エンジニアは語りたい 社員インタビュー
入社7年目の夏田さんは、学生時代から一貫してCAE(Computer Aided Engineering)の研究開発に携わっています。オムロンを選んだ理由や現在の仕事に対する思い、今後の目標などについて語ってもらいました。
■プロフィール
夏田 遥介
技術・知財本部 デジタルソリューションセンタ デジタルデザイン部 CAE・最適化グループ
工学部 機械学科 修了
2019年入社
※組織名、役職などは2026年2月時点のものです
最初に、CAEとはどのような技術かを教えてください。
CAEは、コンピュータによる数値計算を用いて物理現象を予測・再現する技術です。ものづくりの現場では、実際に試作品をつくって評価するには多くのコストや時間がかかるため、設計段階でCAEを活用することで開発を大幅に効率化できます。例えば、製品の耐荷重の解析や、電子部品の発熱に伴う温度変化の予測をCAEで行っておくことで、試作や実機でのテスト回数を大きく減らすことができ、開発期間やコストの削減につながります。
現在はどのような業務を担当されているのでしょうか。
現在は、オムロンの各商品開発部門と連携しながら、開発現場で生じるさまざまな技術課題を解決するためのCAE技術の構築に取り組んでいます。技術・知財本部では、メカ・熱・ノイズ・最適化の4つのチームに分かれてCAEの研究開発を進めており、私はそのうち最適化チームに所属し、主にメカ系領域のCAEや最適化技術を担当しています。
学生時代に学んだことは仕事に活かせていますか。
学生時代には、構造系CAEに画像処理を組み合わせた手法を研究しており、そのときに習得した知識は現在の業務にしっかり活かせていると感じています。入社後は、連携する部門や対象製品が変わることもありましたが、どの局面でも、磨いたCAEの専門性を発揮しながら業務に取り組んできました。
研究開発のエンジニアになろうと決めたきっかけを教えてください。
両親が医療系の仕事をしていたこともあり、幼い頃から自分も将来は医療に関わる仕事に進むのだろうと何となく考えていました。そんな中、勉強の合間にたまたまニュースで手術支援ロボット「ダヴィンチ」を目にして、医療用の機械に携わるのも面白そうだなと感じました。その出来事を機に、エンジニアを志して工学部に進学しました。
CAEを専門にされたのはなぜでしょう。
学生の時に、「有限要素法(複雑な形状や材質の物体や構造物の解析を行うために用いられる数値解析手法の一つ)」の授業で、それまで懸命に学んできた数学や物理の知識をフル活用して、現象を数値解析していく内容に、非常に大きな刺激を受けました。その延長で、アカデミックな理論を現実のものづくりに結びつけていくCAEに強い興味を持つようになりました。
オムロンを選んだ理由は?
就職活動では、携わりたいと思っていた医療機器メーカーを中心に受けていましたが、その中で自分の培ってきたCAEの専門性を最も活かせると感じたのがオムロンでした。説明会で、ヘルスケア領域に限らず、多様な製品開発でCAE活用を積極的に推進していると知りました。一つの領域に留まらず、技術を軸にした幅広い領域に関わることができると思ったことが決め手でした。
オムロンの研究環境にはどんな特徴がありますか?
オムロンでは、ボトムアップによる研究が当たり前で、指示された通りに動くだけという場面はほとんどないのが大きな特徴だと思います。自分でやりたいことを宣言すれば、その進め方を含めて主体的に取り組むことができます。また、研究に行き詰まったときには、他部門のメンバーも親身になって相談に乗ってくれるなど、上司やチームメンバーだけでなく、関連するエンジニア同士も協力し合う体制ができていると感じています。

入社後、仕事を通じて新たに気づいたことや印象に残っているエピソードがあれば聞かせてください。
入社1年目に、商品開発現場の担当者へ自分が注目した新しい技術を提案したことがあります。論文を読みながら勉強し、評価モデルの実装に挑戦しようとしたのですが、上司に報告に行くと「その技術が現場課題の解決に本当に役立つのか?」と問いかけられ、本質的な課題設定が十分ではなかったことに気づかされました。学生時代と違い、仕事ではどれほど高度な技術でも、俯瞰的に正しく課題を捉え、その解決につながる形で活用できなければ意味がありません。そして、ボトムアップで提案できる環境だからこそ、受け身ではなく自ら考え、責任をもって推進していく力が求められることを痛感しました。
仕事に対するモチベーションややりがいを教えてください。
学生時代に引き続いて、自分のアカデミックな知識を高められる点が一つのモチベーションになっています。また、CAEの専門性を活かして、オムロンの多彩な商品開発に関わり、そこで起きる数多くの技術課題の解決に広く携われることに大きなやりがいを感じています。CAEで解析した結果が実際の現象と一致したときや、自分が検討した設計や対策案が現場に採用され、商品開発に貢献できたときはとても嬉しい気持ちになります。
今後、オムロンでどのようなことにチャレンジしたいと思いますか。
20代は、資格取得などの自己啓発を通じて専門性を高めることの比重が大きかったです。30代となった今は、確かな成果を出すことに、より一層こだわっていきたいと考えています。CAEを活用した製品の軽量化や大幅な開発コストダウンの実現が今の目標です。

「中期ロードマップSF 2nd Stage」※では、センシングや制御といったオムロンの核となる技術と並び、開発DXが重要技術として位置づけられており、経営からの期待の大きさを感じています。従来のCAE技術の高度化に加え、実際の開発現場で活用される"現場展開"まで見据えた研究開発に注力していきたいと思います。
※:https://www.omron.com/jp/ja/ir/irlib/osgs.html
これから入社される方にはどんなことを期待しますか。
ぜひ、「自分はこうしたい!」という明確な意思を持ち、積極的にいろいろな提案をしてほしいと思います。研究職では高い専門性を持つことも大切ですが、とくに新卒の皆さんには、既存の組織の空気を良い意味で揺さぶるような、エネルギッシュな姿勢と強い推進力を期待しています。周りのメンバーも遠慮なく巻き込みながら、新しいチャレンジを前に進めてほしいです。
最後に、あらためてCAE技術の魅力をお話しください。
CAEには、実物だけでは見えない"ブラックボックス的な技術"を明らかにしていき、現象の本質に迫っていく面白さがあります。ものづくりのロジックを極限まで考え抜く分野なので、その探求心を満たしてくれる点が大きな魅力です。CAEの力でオムロンのものづくりを支えるために、これからもこの技術の奥深さを追究し続けたいと考えています。