OMRON

Corporate | Japan

デジタル化社会の実現 ‐ SF2030 トピックス

intrport_sf2030.jpg

デジタル技術の進化を支える、オムロンの基板検査ソリューション

オムロンがSF2030で目指す「デジタル化社会の実現」では、人々があらゆる制約から解放され、自分らしさを追求できる社会づくりへの貢献を目指しています。

 例えば、制御機器を組み合わせたオートメーションの進化が、高度な技術の普及を支え、誰もが自分らしく創造的な活動を楽しめる世界です。今や私たちの生活に必要不可欠なものとなっているスマートフォンやIoTデバイスのように、生成AIや5G/6Gといった高速通信技術が、近未来のデジタル化社会を形作っています。これらの製品や技術に搭載され、技術革新を下支えするのが半導体です。いまや戦略物資と認知されるほどその重要性が注目されています。また、そのコアパーツである半導体には必ず品質の問題がつきまといます。

半導体チップは従来、素子や回路の配線幅を微細化することで高性能化してきましたが、微細加工技術は年々技術的な難易度が上がり、良品を生産することが難しくなっています。特に先端半導体は、研究開発費や生産装置も高額になり製造コストが上昇しているため、製造時の歩留まり向上が課題となっています。このような技術課題に対し小さな半導体チップを1パッケージに収める「チップレット」( 図1 参照)と呼ばれる新たな技術が、微細化に加え性能向上手段として注目されています。一方で、チップレットは従来の平面設計(モノリシック)とは異なり、3次元実装によって構造が複雑化していくため、2次元検査装置による透過画像では良品の判断が難しく、より精緻な検査が課題になります。この精緻な検査を高速・高精度で可能にするのが、昨年11月に発表した高速インラインCT型X線自動検査装置「VT-X950」です。( 図2 参照)

712_08.jpg 図1:チップレットについて / 図2: CT型X線自動検査装置「VT-X950]とX線による撮像画像



半導体製造プロセスを革新する検査装置で業界の技術課題を解決

VT-X950は、オムロン独自の制御技術・画像処理技術を組み合わせることで、先端半導体パッケージにおける高速・高精度な検査を実現しています。最先端の3DCT技術の活用により、最小0.2μm(1μmは1mmの1/1000)の高分解能で撮像、半導体パッケージ内部の極小のはんだ品質を可視化し、定量検査による自動良否判定が可能です。これにより、研究開発から量産まで、半導体製造のあらゆるフェーズにおいて、顧客のそれぞれの用途に合わせた活用方法により、開発スピードや歩留まりの向上、量産品質の安定化に貢献します。( 図3 参照)

 また、VT-X950における「半導体チップレット向け高精細・高速インラインCT型X線自動検査技術の確立」が、「第53回日本産業技術大賞」(2024年3月)において、文部科学大臣賞を受賞しました。審査委員会の講評として「半導体産業の底上げに必要な技術であり、半導体の性能向上にとっても重要な自動化検査技術であること」や「CT型線検査において1画素あたりの最小分解能が従来機の0.3μmから0.2μmに向上したこと」が評価されています。


712_04.jpg

日本産業技術大賞」で文部科学大臣賞を受賞
オムロン インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー検査システム事業本部本部長 渋谷 和久(写真右端)


パワー半導体モジュールや、データセンター向けの新機種も追加し、先端技術の普及に貢献

先端半導体に加え、自動車業界の検査ニーズにも答えるべく、パワー半導体モジュール向け製品VT-X850を開発。EVは環境要請も相まって、これからのデジタル化社会における主要な移動手段の一つになります。EVのギア、モーター、インバーターといった主要動力装置の集積体である「eAxle」のような複数機能を兼ね備えた部品のモジュール化(X in 1)が技術的な主流となっていますが、内部構造が複雑化して透過すべき対象物が増加するため、高解像度な3D検査ニーズが高まります。VT-X850は、大きくて分厚いパワー半導体モジュールにも対応できるよう、高出力のX線源を採用し、生産ラインに負荷をかけないインライン高速検査で、半導体の歩留まりを改善します。( 図4 参照)

712_06.jpg

図3:半導体製造のあらゆるフェーズに貢献 / 図4:パワーモジュールや車載部品


 また、新たに独自のAI技術を採用し、検査設定の自動化を実現するとともに、良・不良判断がしやすくなる高精細な画像を生成するAI画像処理技術を強化しました。熟練作業者による画像処理などの専門スキルに頼ることなく、検査プログラムの作成を自動化します。この機能により、技術革新に伴って深刻化する半導体業界の人手不足に貢献していきます。高度なデジタル化社会の実現に必要不可欠な機器は、性能が向上し使い勝手が高まる半面、技術的な構造が複雑化し、モノづくりの観点では外観や機能検査による品質担保が難解になります。半導体は今後の技術革新においてさらなる高性能化が期待されており、安定した生産・高い品質の実現のためには高度な検査技術が欠かせません。オムロンでは、2024年9月4日~9月6日に開催された「SEMICON TAIWAN」に出展し、これらの技術を発表しました。先端半導体の中心地である台湾において多くの半導体業界に携わるお客様に半導体製造プロセスを革新する提供価値を示しました。



712_09.jpg「SEMICON TAIWAN」でのオムロンの出展ブース



 オムロンは、基板検査装置のみならず、半導体業界の生産性や品質を向上させるための製品やソリューションを多数保有しています。そして、このような技術革新を支えるソリューションを創出し続けることでデジタル化社会を支え、よりよい社会・明るい未来づくりを目指します。

intrport.jpg

関連リンク

ページ
上部へ