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オムロン、IPEEC「省エネトップテン第2回国際リスト」に選定-綾部工場の省エネ改善事例「環境あんどん」の取り組みが評価-

  • 2019年07月12日
  • オムロン株式会社

オムロン株式会社(本社: 京都市下京区、代表取締役社長 CEO: 山田義仁)が制御機器製造拠点である綾部工場で取り組む「エネルギーの診える化と最適化」が、国際省エネ協力パートナーシップ*1(以下、IPEEC)の「省エネトップテン第2回国際リスト」の技術導入優秀事例(産業部門)に選定されました。「省エネトップテン国際リスト」は、省エネに関する優秀な先進事例や技術の共有のため、IPEECが作成しているものです。

オムロンは、2050年に温室効果ガス排出量ゼロを目指す「オムロン カーボンゼロ*2」を掲げ、省エネ活動に取り組んでいます。今回選定された綾部工場の取り組みは、オムロンの豊富な省エネ支援機器群と、独自の電力環境「診える化」システム「環境あんどん*3」を用い、エネルギー使用量の「診える化」と「最適化」を行ったものです。2010年に活動を開始し、2018年度には使用電力量を2010年度比20%以上削減しました。また、この「環境あんどん」は、現在までに200社以上に採用され、生産現場の省エネ活動に貢献しています。

c0712_1j.png図1:オムロン綾部工場の使用電力と原単位の推移

表1:「診える化」と「最適化」による、オムロン綾部工場の成果

2010年度実績 2018年度実績 2010年度比
工場使用電力 274.1万kWh 217.8万kWh 20.5
生産原単位電力 ▲47.1%(売上金額比)
省エネ改善金額 2,532万円/2011-2018年度

従来のエネルギー量の「見える化」は、使用エネルギーの総量がわかっても、どこに無駄や削減余地があるのかがわからないことが課題でした。綾部工場では、様々なセンシング機器によりデータを収集し、エネルギー使用量と製造現場で最優先される品質・生産性の「目標」と「現状」を紐づけた、「環境あんどん」でリアルタイムに一元監視することによって、削減余地を診断する「診える化」に進化させました。例えば、クリーンルーム内のパーティクル*量を環境センサーにより把握し、基準と現状の差を品質指標として見える化。これをエネルギー使用量と紐づけて分析することで、エネルギーの削減余地が数値化でき、適切なエネルギー使用量を診断できるようになりました。その結果を反映し、室内のパーティクル量に合わせてクリーンユニットなどの運転を自動制御することで、設備の省エネと、品質・生産性のバランスがとれた「最適化」を実現しました。また、工場の全ての人が「環境あんどん」を通じて活動内容を理解し、全員が参画する省エネ活動につながった結果、省エネ環境改善事例をトータルで72*創出できました。

c0712_2j.png図2:エネルギー使用量の「余裕」を診える化

「環境あんどん」は、2013年に商品化され2018年にはその機能を進化させた、「i-BELT Viewer」を日本国内で提供開始しました。エネルギーや品質に加え、製造現場の様々なデータを見える化するツール、「i-BELT Viewer」により、工場の経営指標と現場データを紐づけた分析が可能になります。「i-BELT Viewer」をつうじ、工場の経営課題の真因を浮き彫りにし、経営と現場が一体となった課題解決に貢献します。

c0712_3.png図3:i-BELT Viewerイメージ

オムロンは、事業を通じたより良い社会づくりを企業理念としており、サステナブルな社会の実現への貢献を目指しています。今後も省エネと最適なモノづくりの両立を自社や顧客と共に取り組み、地球環境の保全に向けた活動を続けてまいります。

*1 2008年G8青森エネルギー大臣会合において、急増するエネルギー需要、地球温暖化問題の深刻化の中で構想され、2009年に設立されました。省エネルギー対策や政策に関する協力を世界規模で推進する国際協力の枠組みです。現在の加盟国は17か国まで拡大し、近年は G20 とも連携した活動を展開しています。

*2 「オムロンカーボンゼロ」:2050年に温室効果ガス排出量ゼロを目指すオムロンの環境目標。よりよい社会の実現に向けて2018年に設定した。
詳細:https://www.omron.com/jp/ja/news/2018/07/c0727.html

*3 「環境あんどん」:オムロン綾部工場で培った省エネノウハウを実装したエコものづくり支援ツール。製造現場で最も重要な品質や生産性を維持・向上しながら、省エネを推進し、電力などのエネルギー効率の最大化に貢献する診える化ツール。これまで取り組んできた省エネ活動を一時的な改善活動で終わらせず、全員で診続けることにより、社内に省エネ活動を定着させたいという製造現場のニーズに応える。

*4 パーティクル:製品の品質に影響を与える塵やほこりなど

*5 72件:20194月現在

オムロン株式会社について

オムロン株式会社は、独自の「センシング&コントロール+Think」技術を中核としたオートメーションのリーディングカンパニーとして、制御機器、電子部品、車載電装部品、社会インフラ、ヘルスケア、環境など多岐にわたる事業を展開しています。1933年に創業したオムロンは、いまでは全世界で約35,000名の社員を擁し、117か国で商品・サービスを提供しています。詳細については、https://www.omron.com/jp/ja/ をご参照ください。

本件に関する報道関係からのお問い合わせ先
オムロン株式会社
ブランドコミュニケーション部
TEL: 075-344-7175

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