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オムロンAI研究者の牛久祥孝、科学技術振興機構(JST)の 研究助成支援に民間企業から唯一選出

  • 2019年06月19日
  • オムロン株式会社

オムロン株式会社(本社:京都市下京区、代表取締役社長 CEO:山田義仁)の子会社として近未来デザインの研究を担う、オムロン サイニックエックス株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:諏訪 正樹、以下 OSX)のプリンシパルインベスティゲーターの牛久祥孝が、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の戦略的創造研究推進事業(ACT-I)平成29年度採択者の加速フェーズ支援対象に民間企業から唯一選出されました。

ACT-Iは、研究総括の運営の下、独創的な発想で人類が現在あるいは未来に直面する問題を解決し未来を切り拓こうとするICT分野の若手研究者を見いだして育成し、研究者としての個の確立を支援するプログラムです。牛久祥孝は、平成29年度にACT-Iに採択された後、さらなる研究を推進する「加速フェーズ」へ応募し、選考の結果、支援対象に採択されました。

近年、社会においてAIの活用が求められる中、画像認識技術に対する注目が高まっています。牛久祥孝は、2011年から世界に先駆けて研究を開始し、画像キャプション生成の第一人者として研究に取り組んできました。画像認識の最も権威のある国際学会CVPR1等の様々な学会で論文発表しています。
今回、画像・動画を対象としたキャプション自動生成におけるこれまでの実績と、他の研究者が取り組まない今後の困難な課題に挑戦する点を評価され支援対象に選出されました。

オムロンは、未来の社会的課題を見据えて、AI、ロボティクスなどの最先端の研究者による技術開発を進めるとともに、技術革新をベースに、バックキャストで具体的な事業アーキテクチャーを描く"近未来デザイン"の創造を通して、社会的課題の解決に取り組み続けます。

牛久祥孝のプロフィール
東京大学大学院 情報理工学系研究科 講師を経て、201810月よりオムロン サイニックエックス株式会社プリンシパルインベスティゲーターに就任。

研究内容
「多様なデータへのキャプションを自動で生成する技術の創出」
センシングした多様なデータを、人間に分かりやすい言葉で説明する(キャプション生成する)技術の研究。

現在の画像認識技術では、AIは「猫である」「犬である」といったような、客観的に判別できる大まかなキャプションを出力するものがほとんどです。この研究では、「個人ごとに違う」「詳細な部分にも注目した」詳細なキャプションをAIが生成できることを目指します。また、一般的にAIにはその画像の正解を紐づけた「教師データ」が大量に必要となりますが、手作業による教師データの作成に膨大な時間がかかります。そこで牛久の研究では、「教師キャプションがないデータ」や、少ない学習データからAIが自動でキャプション生成することに取り組みます。

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1 CNN:畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Networkの略)

2 RNN:再帰的ニューラルネットワーク(Recurrent Neural Networkの略)

今後の展望
今後、画像キャプション生成技術を発展させ、動画や複数画像から、AIがストーリーを理解する研究を進めます。これにより、例えば製造業における人の作業をAIがストーリーとして正しく理解することで、AIが作業手順の間違いを指摘するなど、人への支援をすることが可能になります。さらに、この技術を発展させることで、人と機械が、あたかも人同士が行うようなコミュニケーション手段で協調できる「人と機械が融和」した世界を目指します。

戦略的創造研究推進事業(ACT--I)平成29年度採択者(2期生)の加速フェーズ支援について
■支援対象者
11名(うち、民間企業からの選出はOSX牛久祥孝のみ)

■支援内容
年間最大1000万円程度の研究費を最長2年間支援

詳しくは下記をご参照ください。
https://www.jst.go.jp/report/2018/190125.html

戦略的創造研究推進事業(ACT-I)について
研究総括の運営の下、独創的な発想で人類が現在あるいは未来に直面する問題を解決し未来を切り拓こうとするICT分野の若手研究者を見いだして育成し、研究者としての個の確立を支援するプログラム。

詳しくは下記をご参照ください。
https://www.jst.go.jp/kisoken/act-i/about/index.html

※1 CVPR
IEEE/CVF International Conference on Computer Vision and Pattern Recognition
コンピュータビジョンやパターン認識の分野において最も権威のある国際会議。

オムロン サイニックエックス株式会社について

オムロン サイニックエックス株式会社は、オムロンの考える"近未来デザイン"を創出する戦略拠点です。同社には、「AI」「ロボティクス」「IoT」「センシング」など、幅広い領域の最先端技術のトップ人財が研究員として在籍します。各研究員は、社会的課題を解決するために、技術革新をベースに「ビジネスモデル」「技術戦略」「知財戦略」を統合し具体的な事業アーキテクチャーに落とし込んだ"近未来デザイン"を創り出します。また、同社では、大学や社外研究機関との共同研究を行い、オープンイノベーションによる、"近未来デザイン"の創出を加速していきます。

オムロン株式会社について

オムロン株式会社は、独自の「センシング&コントロール+Think」技術を中核としたオートメーションのリーディングカンパニーとして、制御機器、電子部品、車載電装部品、社会インフラ、ヘルスケア、環境など多岐に渡る事業を展開しています。1933年に創業したオムロンは、いまでは全世界で約35,000名の社員を擁し、117か国で商品・サービスを提供しています。詳細については、https://www.omron.com/jp/ja/ をご参照ください。

本件に関する報道関係からのお問い合わせ先
オムロン株式会社 ブランドコミュニケーション部
TEL: 075-344-7175
報道関係以外の方からのお問い合わせ先
オムロン サイニックエックス株式会社
contact@sinicx.com

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