公益財団法人 立石科学技術振興財団 2019年度助成金贈呈対象決定と贈呈式のお知らせ
- 2019年05月13日
- 公益財団法人 立石科学技術振興財団
公益財団法人 立石科学技術振興財団(理事長: 立石義雄・オムロン株式会社名誉会長、所在地: 京都市下京区)は、2019年度(第30回)の助成対象を決定しました。助成金贈呈式(第30回)は5月20日(月)14時30分からグランドプリンスホテル京都にて行います。
研究に対する助成として53テーマ、前期国際交流(後期は9月下旬決定)に対する助成として6テーマを選定・決定いたしました。
助成対象(助成者と助成課題)については、次頁以降をご参照下さい。なお、2019年度研究助成(S)と一部助成課題の概要を抄録として抜粋しています。
今回および累積の助成金額
研究助成 件数・額 |
国際交流助成 件数・額 |
合計 件数・額 |
|
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今回(第30回) | 53件 1億7,483万円 |
(前期のみ) 6件 (前期のみ)329万円 |
59件 1億7,812万円 |
累積(第1回~第29回) (立石賞13件を除く) |
740件 19億2,163万円 |
473件 2億1,872万円 |
1,213件 21億4,035万円 |
今回助成される皆様には是非とも研究課題を達成していただき、最先端の科学技術でグローバル社会に貢献していただくこと、そしてさらにはこれらの中から、将来の立石賞受賞者が輩出されることを期待します。
立石科学技術振興財団について
当財団は、技術革新と人間重視の両面から真に最適な社会環境の実現に寄与することを目的に、エレクトロニクスおよび情報工学の分野で、人間と機械の調和を促進する研究および国際交流に対する助成活動を行っています。故立石一真(オムロン株式会社創業者)および故立石孝雄(オムロン株式会社元代表取締役会長)がそれぞれ保有するオムロン株式会社の株式を拠出し、さらにオムロン株式会社が寄付金を出捐して設立されました。基本財産はオムロン株式会社の株式2,625,000株です。
2019年度 研究助成 受領者および課題一覧(研究期間 2019年4月~)
No | 代表者氏名 | 所属・職名 | 研究課題 |
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1 | 石井カルロス寿憲 | (株)国際電気通信基礎技術研究所 グループリーダ | 環境センサと融和した注意指向・取捨選択型聴覚支援システムの研究開発 |
2 | 菅野 重樹 | 早稲田大学 理工学術院 教授 |
繊細な力の感覚と制御による熟練技能の自動化を実現するロボットワーカーの開発 |
申請件数:12件,採択件数:2件 助成金額59,700千円
No | 氏名 | 所属・職名 | 研究課題 |
---|---|---|---|
1 | 相川 洋平 | 沖縄工業高等専門学校 情報通信システム工学科 助教 |
光処理でのパターンマッチングに基づくメモリ不要なパケットスイッチの開拓 |
2 | 石井 裕之 | 早稲田大学 創造理工学部総合機械工学科 准教授 |
形態変化によってユーザに行動変容を促すRobotic Clothingの開発 |
3 | 荻原 直道 | 東京大学 大学院理学系研究科 教授 |
製品とのインタラクションを予測する自律的身体動作生成の神経数理モデル |
4 | 奥井 学 | 中央大学 理工学部精密機械工学科 助教 |
ヒトとロボットの安全な共生のための人工筋肉駆動ロボットの強化学習による制御 |
5 | 加納 剛史 | 東北大学 電気通信研究所 准教授 |
「素早く,安全に,そして滑らかに」:人間と調和可能な移動体群の自律分散制御 |
6 | 河野 通就 | 東京大学大学院 情報学環 特任研究員 |
電気的筋刺激を用いたインタフェース開発のための実験基盤の構築 |
7 | 小玉 崇宏 | 香川大学 創造工学部電子情報領域 講師 |
時間拡散暗号鍵生成と全光鍵配合を連携した高速・広帯域光暗号化技術の研究 |
8 | 小林 泰介 | 奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 助教 |
人とロボットでの価値観の相互理解によるパートナーシップの創発 |
9 | 斎藤 隆泰 | 群馬大学大学院 理工学府 准教授 |
レーザー超音波可視化技術と機械学習による定量的自動非破壊検査手法の開発 |
10 | 酒井 一樹 | 長岡工業高等専門学校 電子制御工学科 助教 |
最適なトマト生育の知見獲得に向けた、ロボット×AIによる生育・収穫・選別の全自動 |
11 | 阪田 治 | 東京理科大学 工学部電気工学科 准教授 |
ウェアラブル腸音計測・解析システムの開発 |
12 | 笹井 一人 | 茨城大学 工学部情報工学科 准教授 |
コンテキストアウェアネスを超えたエージェントの「きづかい」を実現するフィードバック |
13 | 笹川 清隆 | 奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 助教 |
多数の細胞を長期診断するレンズレスイメージングサイトメトリの創成 |
14 | 佐藤 生馬 | 公立はこだて未来大学 システム情報科学部 准教授 |
脳腫瘍摘出術における術後合併症発生確率と5年生存率予測による意思決定支援用ナビゲーションシステム |
15 | 佐藤 敬子 | 香川大学 創造工学部 講師 |
色覚の多様性を考慮した見えのシミュレート画像に基づく簡易な色覚異常強度測定法 |
16 | 末岡 裕一郎 | 大阪大学大学院 工学研究科 助教 |
シープドッグシステムから紐解く、群ロボットの階層型マエストロ制御法の創成 |
17 | 清家 美帆 | 富山県立大学 工学部機械システム工学科 助教 |
実大実験によるトンネル火災時の避難中のストレス評価 |
18 | 滝本 大裕 | 信州大学 先鋭領域融合研究群 助教(特定雇用) |
自己駆動でデータ転送可能なウェラブルデバイスを目指した次世代電極の開拓 |
19 | 田中 利恵 | 金沢大学 医薬保健研究域保健学系 さきがけ研究者 客員研究員 |
人間と機械の調和で実現する仮想臨床試験 |
20 | 田原 淳一郎 | 東京海洋大学 学術研究院 准教授 |
非線形同期を使った群ロッド移動システムの研究-ウニの移動方法に学ぶ- |
21 | 寺島 修 | 富山県立大学 工学部機械システム工学科 講師 |
機械学習を活用した個々人に快適な振動騒音環境を提供する能動型制御技術の構築 |
22 | 中谷 裕教 | 東海大学 情報通信学部情報メディア学科 特任講師 |
学習内容の定着に関わる脳活動の同定 |
23 | 中西 惇也 | 大阪大学 基礎工学研究科 特任助教 |
仮想的な対人接触を応用したカウンセリングを行う自律型対話ロボットシステムの実現 |
24 | 西田 勇 | 神戸大学大学院 工学研究科 助教 |
匠の知見を継承する機械加工の自動工程設計システムの実現 |
25 | 西田 知史 | 国立研究開発法人情報通信研究機構脳情報通信融合研究センター 研究員 |
人間の感性を理解する脳融合型AIの開発 |
26 | 橋本 卓弥 | 東京理科大学 工学部機械工学科 講師 |
マルチモーダル嚥下機能計測技術を応用した嚥下FESに関する基礎研究 |
27 | 長谷川 達人 | 福井大学 学術研究院工学系部門 講師 |
深層生成モデルを用いたセンサデータの超解像と行動認識への応用 |
28 | 藤井 茉美 | 奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 助教 |
低駆動電圧酸化物半導体薄膜トランジスタの劣化機構解明と高信頼性化 |
29 | 双見 京介 | 立命館大学 情報理工学部 助教 |
限界突破と行動変容のためのマインドセットをコントロールする情報提示技術の確立 |
30 | VENTURE Gentiane (ベンチャー ジェンチャン) |
東京農工大学 工学部 卓越教授 |
非言語コミュニケーションに基づく孤立した高齢者を支援する知能ロボットの開発 |
31 | 堀川 友慈 | ㈱国際電気通信基礎技術研究所 神経情報学研究室 主任研究員 |
脳情報デコーディングを用いたロボットに対する心の知覚の定量化 |
32 | 道信 剛志 | 東京工業大学 物質理工学院 准教授 |
スキンエレクトロニクスに向けた自己修復能を有する有機半導体高分子の開発 |
33 | 森 浩二 | 山口大学大学院 創成科学研究科 准教授 |
血管内治療中のX線画像から事故の可能性を判断する技術 |
34 | 矢代 大祐 | 三重大学 大学院工学研究科 助教 |
ティルトロータヘリコプタの接触力制御に関する研究 |
35 | 吉元 俊輔 | 東京大学 大学院工学系研究科 精密工学専攻 講師 |
光を利用した超多チャンネル触覚刺激の制御に関する研究 |
36 | 渡邊 龍憲 | 名古屋大学大学院 医学系研究科 日本学術振興会特別研究員 |
運転能力の低下した高齢者を選別する新しい生理学的評価システムの開発 |
申請件数:131件, 採択件数:36件 助成金額 93,709千円
No | 氏名 | 所属・職名 | 研究課題 |
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1 | 西野 光一郎 | 宮崎大学 農学部 准教授 |
エピゲノム情報を基にした機械学習によるヒトiPS細胞の肝細胞分化効率予測システム |
2 | 藤間 卓也 | 東京都市大学 工学部機械工学科 准教授 |
高曲率空間を用いた分子配向制御による超高出力有機フレキシブル熱電材料の創成 |
申請件数:6件, 採択件数:2件 助成金額11,324千円
No | 氏名 | 所属・職名 | 研究課題 |
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1 | 遠藤 希美 | 東京大学大学院 総合文化研究科 博士課程 |
自身の運動にリンクした音情報提示における知覚的側面の解明 |
2 | 笠井 亮佑 | 兵庫県立大学大学院 応用情報科学研究科 博士後期課程 |
脳・自律神経活動に基づいたバーチャルリアリティを用いた体性痛緩和システムの開発 |
3 | 金子 直嗣 | 東京大学大学院 総合文化研究科 博士課程 |
歩行動作の観察とイメージの併用における脳活動の解明とBMI応用に向けたモデル構築 |
4 | 東風上 奏絵 | 東京大学大学院 学際情報学府 博士課程 |
複数の子ども同士のふれ合い創出に向けた人型ロボットの対人距離調整能力構成法 |
5 | 坂本 優莉 | 東京農工大学大学院 生物システム応用科 一貫制博士課程 |
簡便且つ迅速な細菌検査の実現を目指した高感度グラフェンデバイスの開発 |
6 | 嶋田 祥太 | 北海道大学大学院 情報科学研究科 博士後期課程 |
視覚障害者支援のための頑健かつ高精度な屋内可視光位置認識 |
7 | 菅宮 友莉奈 | 早稲田大学大学院 先進理工学研究科 博士後期課程 |
臨床技能の自動採点による医学教育サポートシステムの構築 |
8 | QIAN ZHENGYANG (ゼン ショウヨウ) |
東北大学大学院 工学研究科 博士後期課程 |
フレキシブル経爪型生体情報記録システム開発と無感触ヘルスケアへの展開 |
9 | 田代 尚千恵 | 埼玉大学 理工学研究科 博士課程 |
"嚥下の定量化"に挑む‐工学技術を用いた摂食・嚥下機能の定量的評価手法の開発‐ |
10 | 津田 喬史 | 神奈川大学大学院 工学研究科 博士後期課程 |
レーザー加工によるリチウムイオン電池用穴あき電極の作製及び固体電解質への適用 |
11 | 福山 慧 | 大分大学大学院 工学研究科 博士後期課程 |
下肢荷重の視聴覚フィードバック機構を有した歩行訓練システムの実用化に向けた検証 |
12 | 森 健太郎 | 兵庫県立大学大学院 シミュレーション学研究科 博士後期課程 |
情報科学による医療診断支援システムに関する研究開発 |
13 | 羅 兆傑 (ラ チョウケツ) |
神戸大学 システム情報研究科 博士課程 |
マルチメディアデータを用いてディープラーニングによる要介護者の感情認識する研究 |
申請件数:26件,採択件数:13件 助成金額:10,101千円
2019年度前期 国際交流助成 受領者および助成内容一覧(2019年4月から助成)
No | 氏名 | 所属・職名 | 国際会議 | 開催地 |
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1 | 太田 裕貴 | 横浜国立大学大学院 工学研究院システムの創生 准教授 |
Transducers 2019 and EUROSENSORSXXXIII/IEEE |
ベルリン/ドイツ |
2 | 都甲 薫 | 筑波大学 准教授 |
2019 MRS Spring Meeting/MaterialsResearch Society | フェニックス/USA |
3 | 東 孝文 | 北陸先端科学技術大学院大学 博士後期課程3年 |
The 34th ACM/SIGAPP Symposium OnApplied Computing (SAC'19)/ACMSpecial Interest Group on AppliedComputing (SIGAPP) | ピルゴス/キプロス |
4 | 福永 道彦 | 大分大学 理工学部門 准教授 |
41th Engineering in Medicine and BiologyConference/IEEE Engineering inMedicine and Biology Society |
ベルリン/ドイツ |
No | 氏名 | 所属・職名 | 課題/共同研究者 | 実施地 |
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1 | 平田 慎之介 | 東京工業大学 助教 |
造影超音波の超解像処理による慢性肝疾患の定量診断手法の開発/MengxingTang・Imperial College London, Dept. ofBioengineering・Professor |
ロンドン/イギリス |
2 | 松林 翔太 | 名古屋大学 未来社会創造機構 研究員 |
行動誘導型運転支援の実現に向けた他者モデルの導入/Frank E. Ritter・Pennsylvania State University・Professor | ペンシルバニア州/USA |
申請件数:15件,採択6件 国際交流助成金額合計3,287千円
おもな研究助成の抄録
研究助成(S)
代表者氏名 | 石井カルロス寿憲 |
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所属・役職 | (株)国際電気通信基礎技術研究所 グループリーダ |
分野 | 生活・健康 |
研究課題名 | 環境センサと融和した注意指向・取捨選択型聴覚支援システムの研究開発 |
研究概要 | IoT推進コンソーシアム、経済産業省および総務省が連携して、生活者とそのプライバシーを保護しつつ、事業者の業界・業態に応じた監視カメラの二次利用が検討されており、それら情報を環境中の人にフィードバックすることが現実的になってきた。本研究では、周りにある監視カメラや周りの人の持っているスマホのマイクロフォン情報を二次利用することによって、聴覚障害を持つ者が街中でも補聴器単体の知覚に比べて健聴者なみの聴力が得られる方法を実現する。人々と機械が融和・協調することによって当事者の聴力が増幅され、社会参加の促進や、新たな生産的活動や創造的活動を可能にする。 |
代表者氏名 | 菅野 重樹 |
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所属・役職 | 早稲田大学 理工学術院 教授 |
分野 | 生産 |
研究課題名 | 繊細な力の感覚と制御による熟練技能の自動化を実現するロボットワーカーの開発 |
研究概要 | 近年、自動化の普及により、生産性向上や品質安定化は大きく進んだが、精密仕上げ、研磨、外観検査などにおいて、熟練技能者の繊細な力の感覚を頼りに作業を行うため、自動化には至らなかった。他方、少子高齢化が進み、技能伝承が大きな課題となっている.本研究では、「繊細な力の感覚と制御を備えるロボットワーカーの開発」および「深層学習に基づく技能共創システムの構築」による、熟練技能の自動化を目的とした。このシステムの実現によって、生産性向上が出来る一方で、深層学習で技能のコツを解明し、初心者への技能伝承の加速や、ロボットでの技能再現、新技能開発などの共創場面を創り出し、「人間と機械の融和」が実現できる。 |
その他の研究助成
中西 惇也(大阪大学 基礎工学研究科 特任助教)
研究課題:仮想的な対人接触を応用したカウンセリングを行う自律型対話ロボットシステムの実現
本研究で目指す「人間と機械の調和の促進」の姿は、機械が社会的な存在として人間と調和し、人の心身の健康を支援する状況である。本研究では、心理カウンセリングに着目し、依頼者の抱える問題・悩みなどに対し、専門的な知識や技術を用いて支援を行う自律型対話ロボットの研究開発を行う。心理カウンセリングでは、短時間で明確な解決に至ることは難しく、一対一で長期的に向き合い、対話する中で、抱える問題・悩みに主体的に対処していけるように導くことを行う。ロボットであれば、カウンセラーの労働時間に縛られない随時適宜な支援、さらには、人とは異なる社会的な存在・立場を応用した特色のある支援が可能になると考えられる。
西田 勇(神戸大学大学院 工学研究科 助教)
研究課題:匠の知見を継承する機械加工の自動工程設計システムの実現
本研究は、機械加工における熟練者の判断基準(匠の知見)を学習データとして蓄積し、蓄積した学習データに従う自動工程設計システムを実現する。わが国の製造業は少子高齢化による熟練者の減少という問題に直面している。日本の優れた匠の技を継承することは、日本の金属工業の世界的競争力を維持する上で喫緊の課題である。しかしながら、人的資源の不足から、熟練者は現場の作業に集中し、属人的な匠の知見は継承されずに熟練者の退職とともに喪失してしまっているのが現状である。本研究では、熟練者の現場の作業を自動化すると同時に、匠の知見を学習することで、人の知恵を最大限に活用したものづくりを実現する。
双見 京介(立命館大学 情報理工学部 助教)
研究課題:限界突破と行動変容のためのマインドセットをコントロールする情報提示技術の確立
本研究でいうマインドセットは、ある対象に抱く暗黙的な自己基準を差し、できる・できないといった限界突破や、やる・やらないといった行動変容が起こせるかの決定要因であり、多分野での注目対象である。本研究の目的は,コンピュータの情報提示が人のマインドセットに意図せず起こす無意識的な影響を解明し、その悪影響を排除した安全な設計を明らかにすると共に、ユーザのマインドセットを望ましい方向に簡便に操作する情報提示技術の実現である。本研究によって、マインドセットに無意識的に影響を起こす情報提示の要素と、その有効な扱い方が明らかになれば、人とコンピュータはマインドセットの観点で調和し、人のマインドセットを害する情報はコンピュータで適切に対処され、人は先入観や固定観点に囚われることなくコンピュータを使って自身のマインドセットを望ましく操作できるようになる。これにより実現される行動変容や限界突破は、健康や教育,スポーツ、コミュニケーション等、人々の生活の多くの場面に貢献すると考える。
藤井 茉美(奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 助教)
研究課題:低駆動電圧酸化物半導体薄膜トランジスタの劣化機構解明と高信頼性化
フレキシブルな基板上にウェアラブルシート状コンピュータを実現するための基礎技術として、シート状ディスプレイ駆動の為の安定な省エネルギー薄膜トランジスタ(TFT)創製を目的とする。人間の身近に、また直接人体に設置でき、情報の授受や表示を行うフレキシブル素子は、IoT(Internet of Things)社会での人間と機械の調和において主要な役割を担うと予想する。本研究は、情報を視覚的に認識するためのウェアラブル表示端末や、人体に貼り付けて健康状態をセンシングするセンサー素子など、IoT社会に向けたフレキシブルエレクトロニクスの進展に寄与する。人間と素子がシームレスに接続しより安全で省エネルギーな社会発展を目指す。
森 健太郎(兵庫県立大学大学院 シミュレーション学研究科 博士後期課程1年)
研究課題:情報科学による医療診断支援システムに関する研究開発
我々人間が豊かな生活をおくるために、医療は必要不可欠な要素である。しかし従来の医療は医師に対する依存性が非常に強い。医師は医療機器から得られた莫大なデータを元に診断を行うが、この作業は医師にとって負担が大きく、さらに人依存の問題が発生する可能性が高い。つまり人間と機械の調和がとれていない状態である。本研究の目的は、医師の負担や人依存の問題をなくすために医療診断支援システムを開発し、人間と機械の調和の促進につなげることである。この医療診断支援システムとは、医療データを情報科学技術により解析することで、従来医師が労力をかけていた作業を機械によって実施し、人以上の精度で評価を行うシステムである。
公益財団法人 立石科学技術振興財団の概要
名称 | : | 公益財団法人 立石科学技術振興財団 |
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所在地 | : | 京都市下京区油小路通塩小路下る南不動堂町11番地 |
設立年月日 | : | 平成2年(1990年)3月6日 |
目的 | : | エレクトロニクスおよび情報工学の分野で、人間と機械の調和を促進する研究に関する活動を支援し、もって技術革新と人間重視の両面から真に最適な社会環境の実現に寄与することを目的とする。 |
事業内容 | : | エレクトロニクスおよび情報工学の分野で、人間と機械の調和を促進するための研究に関する活動を支援する。
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事業年度 | : | 毎年4月1日から翌年3月31日まで |
事業実績 | : | 設立以来2018年度までに累計1,226件、総額22億535万円の助成(立石賞13件含む) |
評議員 | : | 8名 |
役員 | : | 理事長 立石 義雄(オムロン株式会社 名誉会長) 常務理事 菅原 洋二 他 理事8名 監事2名 |
基本財産 | : | オムロン(株)株式2,625,000株 |
特定財産 | : | 現金11億円 |
- 詳細お問合せ先
- 公益財団法人 立石科学技術振興財団
事務局長 麻 潤三
〒600-8234 京都市下京区油小路通塩小路下る南不動堂町11番地
TEL:075-365-4771
https://www.tateisi-f.org/