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世界トップクラスの高精度・低消費電流を実現した MEMS絶対圧センサを開発

  • 2012年7月5日
  • オムロン株式会社

オムロン株式会社は、50cmの高低差における気圧の変化を正確に検知する「絶対圧センサ」(※1)を開発しました。当社の中核技術のひとつであるMEMS技術を用いた絶対圧センサは世界トップクラスの高精度・低消費電流を実現し、2013年1月から出荷を開始する予定です。

本絶対圧センサは、CMOS回路とMEMSセンサ部を一体化したことで、3.8mm角・厚み0.92mmの小型パッケージへの実装を実現しています。これにより、モバイル機器など小型な機器への搭載が容易となります。
スマートフォンや活動量計(※2)など電池駆動のアプリケーションに適しており、電池の長寿命化に貢献します。
活動量計に搭載することで、これまで困難であった階段の上り下りなど高低差のある運動の計測を可能にします。また、カーナビゲーションシステムに搭載することで、立体駐車場におけるナビゲーション精度の確保や高架道路と一般道との区別を可能にします。その他、開くはずのない扉が開いたり、窓が割られたりした場合の気圧変動をセンシングできるため、セキュリティ用途としても活用できます。
また、他のセンサと同じ基板に実装するなどのニーズにもお応えできるようCMOS・MEMSを一体化させたウエハの販売も可能です。

今後もオムロン独自のMEMS技術を使って社会に貢献していきます。

なお、当社は、MEMS絶対圧センサを、7月11日(水)から13日(金)まで東京ビッグサイトで開催される「第23回マイクロマシン/MEMS展」に参考出展します。

製品の詳細はWEBサイト(https://www.omron.co.jp/ecb/products/sensor/special/mems/)をご覧ください。

  • (※1)絶対圧センサとは、真空をゼロと基準においた圧力を検知するセンサです。
  • (※2)通常の歩数計とは異なり、歩数測定のみならず、中強度・低強度の運動や生活活動(掃除機をかける、軽い荷物運び、炊事など)における活動量を測定する機器です。

特長

  1. パッケージサイズは、縦3.8mm 横3.8mm 高さ0.92mmと小型サイズ。
  2. チップサイズは、CMOS回路部とMEMSセンサ部が一体化で縦1.9mm横1.9mm厚み0.5mmと小型サイズ。
  3. 300~1100hPaと広い検出範囲。
  4. およそ50cmの高低差の気圧変化に相当する6paの相対圧力精度。
  5. 電池の長寿命化に貢献する0.5~9.5uAの低消費電流。(※3)
  6. 温度センサを内蔵し、センサ周囲温度の変化に対する気圧変動影響を補正可能。
  7. I²C出力方式を採用し、シリアル通信に対応。
  • (※3)消費電流は測定条件および動作モードに依存します。

技術解説

  1. 検出原理
    当社のMEMS絶対圧センサは血圧計向け圧力センサで培ったピエゾ抵抗方式を採用しています。ピエゾ抵抗方式は、抵抗体に加わる応力によって抵抗率が変化するピエゾ効果を用いており、この原理により圧力を電気信号に変換しています。
    更に、絶対圧センサでは大気圧の変化を検知するために、MEMS接合技術を用いて、センサチップの内部を真空封止しています。そのため、真空に対する大気圧の差、すなわち絶対圧を検知することが可能です。

    絶対圧センサチップ断面概略図

  2. 技術的特長
    本センサは、当社が長年培った半導体回路設計技術、CMOSプロセス技術、およびMEMS技術を活用して、圧力センサ、アナログ増幅回路、デジタル処理回路、不揮発性メモリーなどの各個別機能を1チップに集積しています。
    そのため、チップサイズの小型化、高機能化、耐ノイズ性能の向上を実現しています。
    また、本センサはMEMS接合技術を用いることで、センサチップ内部の真空チャンバー容積を大きく取ることができ、センサの入力ダイナミックレンジを最大化することを可能としています。その結果、高精度化を実現しています。

  3. 測定結果
    50cmの判別が可能という結果を得られました。

    測定結果

センサ外観

センサ外観

詳細お問合せ先
オムロン株式会社
エレクトロニック&メカニカルコンポーネンツビジネスカンパニー
事業統轄本部 センシング&モジュ-ルアプリ事業部
TEL:075-344-7148

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