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公益財団法人 立石科学技術振興財団 平成24年度助成金贈呈対象決定と贈呈式のお知らせ

  • 2012年5月17日
  • オムロン株式会社

公益財団法人 立石科学技術振興財団(理事長:立石信雄・オムロン株式会社特別顧問、所在地:京都市下京区塩小路通堀川東入南不動堂町801番地)は、平成24年度(第23回)の助成対象を決定しました。助成金贈呈式(第23回)は5月24日(木)13時30分からグランドプリンスホテル京都にて行い、先般発表した第2回立石賞表彰式・記念講演とともに一般公開しますので、参加ご希望の方は当財団ホームページ(http://www.tateisi-f.org/)からお申込み下さい。
研究に対する助成として26テーマ、前期国際交流(後期は9月下旬決定)に対する助成として4テーマを選定・決定いたしました。助成対象(助成者と助成課題)については、こちらをご参照下さい。一部助成課題の概要も抄録として抜粋しています。

今回及び累積の助成金額は以下の通りです。
  研究助成
件数・額
国際交流助成
件数・額
合計
件数・額
今回(第23回) 26件
5501万円
(前期のみ)      4件
(前期のみ)122万円
30件
5623万円
累積(第1回~第23回) 496件
11億4799万円
251件
9402万円
747件
12億4201万円

今回助成される皆様には是非とも研究課題を達成していただき、最先端の科学技術でグローバル社会に貢献していただくこと、そしてさらにはこれらの中から、将来の立石賞受賞者が輩出されることを期待します。

立石科学技術振興財団は、オムロン株式会社の出捐と、故立石一真(オムロン株式会社創業者)、故立石孝雄(オムロン株式会社元代表取締役会長)がそれぞれ保有するオムロン株式会社の株式を拠出して設立したものです。その目的は、エレクトロニクスおよび情報工学の分野で、人間と機械の調和を促進する研究および国際交流に対し助成を行い、技術革新と人間重視の両面から真に最適な社会環境の実現に寄与することです。(財団の概要は、こちらをご参照下さい。)
オムロン株式会社は、企業理念の中核として「企業は社会の公器である」を掲げています。この趣旨のもと、立石科学技術振興財団の目的に賛同しその活動を支援しています。

平成24年度 研究助成 助成者及び助成課題一覧

  申請者氏名 申請者の所属機関名・職名 申請課題名
1 生嶋 健司 東京農工大学 大学院
工学研究院 物理システム工学専攻
准教授
音響誘起電磁(ASEM)法の医療応用へ向けた開発
2 石井 克典 大阪大学大学院 
工学研究科
助教
中赤外ナノ秒パルスレーザーを用いたう蝕の選択的除去技術の開発
3 伊藤 聡志 宇都宮大学 大学院
工学研究科 知能情報研究部門
准教授
圧縮センシングを導入したホログラフィックMRIによる超高速イメージング
4 牛尾 宗貴 東京大学 
耳鼻咽喉科・聴覚音声外科
特任講師
傍半規管膨大部刺激型の人工前庭器開発に関する基礎的研究
5 梅舘 拓也 広島大学大学院
理学研究科 数理分子生命理学専攻 
博士研究員
振る舞いの多様性に基づいた適応的運動機能を発現するロボットの開発
6 片平 和俊 独立行政法人理化学研究所
基幹研究所 大森素形材工学研究室
専任研究員
メディカルデバイスの表面親水性向上のためのナノ改質加工法の研究
7 金田 さやか 大阪府立大学大学院
航空宇宙工学分野
助教
環境推定・適応機能を有しオペレータ協調する自律型ロボットのための制御方策の確立
8 川波 弘道 奈良先端科学技術大学院大学
情報科学研究科 音情報処理学講座
助教
音声対話情報案内システムにおける機械学習理論に基づく自律的精度改善の研究
9 木寺 正平 国立大学法人 電気通信大学 大学院
情報理工学研究科
助教
多重散乱波を用いた超波長分解能 誘電体内部UWBレーダセンサの研究
10 木室 義彦 福岡工業大学 
情報工学部 情報システム工学科 
教授
視覚障害をもつ児童生徒のための移動ロボットを用いたプログラミング教育
11 黒田 知宏 京都大学
医学部附属病院 医療情報部
准教授
人と機器の共創で高い安全性を実現するバイタルデータ自動入力システム
12 上瀧 剛 熊本大学大学院 
自然科学研究科 情報電気電子工学専攻
助教
主成分分析と画像エッジを用いたロバストかつ高速なパターンマッチング手法の開発
13 境野 翔 埼玉大学
工学部電気電子システム工学科
助教
人間支援ロボットのための座標変換を用いたタスクの抽象化技術の開発
14 酒井 利奈 北里大学 
医療衛生学部
講師
大腿部痛の予防を目的とした人工股関節固定性の定量的評価法の構築
15 杉原 知道 大阪大学大学院 
工学研究科
准教授
「硬くて柔らかい」人の運動特性を模したモータサーボ制御
16 高橋 英俊 東京大学
IRT研究機構
特任研究員
ピエゾ抵抗型両持ち梁を用いた3軸触覚センサに関する研究
17 滝本 裕則 岡山県立大学 
情報工学部 情報通信工学科
助教
色覚バリアフリーインタフェースの実現にむけた個人色覚モデルと再配色手法の提案
18 寺本 篤司 藤田保健衛生大学 
医療科学部 放射線学科
講師
検診用PET/CT画像を対象とした肺がん自動検出システムの開発
19 中本 高道 東京工業大学 大学院
理工学研究科 電子物理工学専攻
准教授
弾性表面波デバイスを用いた悪臭計測用匂い濃縮素子の研究
20 平林 晃 山口大学大学院 
医学系研究科 応用分子生命科学系専攻
准教授
圧縮センシングに基づく磁気共鳴画像(MRI)の高速撮像法の開発
21 南 哲人 豊橋技術科学大学 
エレクトロニクス先端融合研究所
特任准教授
眼電位操作デバイスのための基礎技術
22 村松 千左子 岐阜大学大学院
医学系研究科 知能イメージ情報分野
研究員
眼底画像における緑内障診断補助ツールの開発
23 保田 俊行 広島大学大学院 
工学研究院 機械システム・応用力学部門
助教
人間機械協調系のための自律ロボット群における知識獲得・利用法の開発
24 吉川 雅博 (独)産業技術総合研究所 
知能システム研究部門
特別研究員
デザイン性と作業性を両立した対向3指を備えた作業用電動義手の開発
25 依田 育士 (独)産業技術総合研究所 
サービス工学研究センター
主任研究員
画像距離センサによる脳性麻痺者インタフェースの開発
26 長谷川 良平 (独)産業技術総合研究所 
ヒューマンライフテクノロジー研究部門 ニューロテクノロジー研究グループ
研究グループ長
アバターロボットを制御する脳波コミュニケーション技術の開発

研究助成件数26件  合計5,501万円

平成24年度前期 国際交流助成 助成者及び助成内容一覧

(1)派遣

  申請者氏名 申請者の所属機関名・職名 派遣先研究集会・主催名 派遣先国
1 河合 俊和 大阪工業大学 
工学部 ロボット工学科
准教授
Computer Assisted Radiology and Surgery 26th International Congress and Exhibition (CARS2012)

主催者名:ISCAS, EuroPACS, CAR, CAD, CMI(共同主催)
ビザ市
イタリア共和国
2 金 石煥 筑波大学大学院 
システム情報工学研究科 
博士課程後期
The ACM SIGCHI 2012 Annual Conference on Human Factors in Computing Systems (CHI2012)

主催者名:ACM SIGCHI, Joseph A. Konstan (General Chair)
オースティン市
アメリカ合衆国
3 田原 樹 京都工芸繊維大学 
工芸科学研究科 設計工学専攻
博士課程後期
DIGITAL HOLOGRAPHY AND 3-D IMAGING (DH),
Biomedical Optics and 3-D Imaging: OSA Optics and Photonics Congress

主催者名:The Optical Society (OSA)
マイアミ市
アメリカ合衆国

(2)特別招聘

  申請者氏名 申請者の所属機関名・職名 招聘する国際会議/被招聘者/講演
1 染谷 隆夫 東京大学大学院 
工学系研究科 電気系工学専攻
教授
フレキシブル・プリンテッド・エレクトロニクス国際会議
(2012 International Conference on Flexible and Printed Electronics)略称:ICFPE2012
被招聘者の氏名と所属・職名:
 氏名: Michael Graetzel
 所属・職名: The Ecole Polytechnique de Lausanne・教授
 講演: フレキシブル太陽電池の将来展望(仮)

助成件数:4件  助成額:122.5万円

おもな研究助成の抄録

石井 克典(大阪大学大学院工学研究科・助教)

研究課題:中赤外ナノ秒パルスレーザーを用いたう蝕の選択的除去技術の開発
レーザー治療は、低侵襲な治療モダリティーとして医療における有効性は未だ高い。一方、レーザー光源技術は近年の発振波長拡大や高出力化といった目覚しい発展を遂げている。今後のレーザー治療技術の飛躍的な発展は、先端レーザー光源技術のレーザー治療機器への搭載、それを用いた積極的なシーズ研究により、科学的根拠に基づいた低侵襲な治療を提供することに尽きる。本研究では、より安全・快適なレーザー歯科治療技術、具体的にはう蝕(虫歯)のみを選択的に切削可能な新技術を開発することを目的とする。ミニマルインターベンションの概念に基づいた歯の温存による健康の維持へ貢献可能であり、研究の意義がある。

金田 さやか(大阪府立大学大学院 航空宇宙工学分野・助教)

研究課題:環境推定・適応機能を有しオペレータ協調する自律型ロボットのための制御方策の確立
本研究の目的は,未知環境においてオペレータ誘導により作業目的を達成する遠隔操作ロボットの実現である.既存の遠隔操作ロボットは,オペレータ指令を絶対とする.しかし,オペレータの取得情報には限りがあり,適切な制御指令を与えられるとは限らない.環境情報を直接取得可能なロボットが,オペレータの欠損情報を補いながら作業目的を達成する仕組みが必要である.そこで本研究では,環境中の不確かさと作業目的の両者を考慮した制御アルゴリズムの構築を目指す.本研究の成果を利用すれば,不確かさを多く含む社会環境においても,自然に協調作業できるロボットの実現に貢献し,人間と機械との相互作用に必要となる情報を明確にできる.

黒田 知宏(京都大学 医学部附属病院・医療情報部・准教授)

研究課題:人と機器の共創で高い安全性を実現するバイタルデータ自動入力システム
近年のめざましい病院業務のIT化は、効率面においても安全面においても多大な効果をもたらしたが、電子カルテへのデータ入力という新たな業務負荷の増大や、電子カルテの過信等による新たな危険を生み出している。本研究では、病棟でのバイタル情報記録という、看護師の標準業務時間の約20%を占める、最も基本的な臨床情報収集・業務を対象に、情報システムと現実世界の界面における情報授受のあり方を整理し、情報の信頼性を人間と機械が共有し、両者の関係を「もたれ合いの関係」から、「助け合いの関係」へと変えることで、ITによる臨床業務のさらなる効率化と安全性の向上を目指す。

平林 晃(山口大学 大学院 医学系研究科 応用分子生命科学系専攻・准教授)

研究課題:圧縮センシングに基づく磁気共鳴画像(MRI)の高速撮像法の開発
磁気共鳴画像(MRI)は現代医療に欠く事のできない技術である.有益な情報を多くもたらすこの技術には一方で,撮像時間が長いという問題がある.狭い装置に15分以上患者は閉じ込められ,体の動きに弱いという問題点も生じる.これらの問題点を解決する為に,データ取得を高速に行う手法の開発が求められてきた.圧縮センシングとは,スパース性を前提に,従来必要とされてきたデータ量より格段に少ないデータから画像を復元するための理論である.よく知られているように,医療画像はウェーブレット変換などによってスパースな表現が可能である.そこで,本研究ではMRIに圧縮センシングを適用する事により,高速撮像法を開発する事を目的とする.

長谷川 良平(独立行政法人産業技術総合研究所ヒューマンライフテクノロジー研究部門・研究グループ長)

研究課題:アバターロボットを制御する脳波コミュニケーション技術の開発
昨今、脳と機械を直結するBMI(ブレイン-マシン インターフェース)、特に脳波による意思伝達技術が注目されている。しかし、先行研究の多くは装置の性能向上に関心があり、ユーザビリティに対する配慮が少なかった。そこで本研究では「人が快適に使える脳波コミュニケーション技術」の開発を目的として「ユーザーに身体的・精神的負担の少ないような脳波計測装置」と「楽しくかつ臨場感のあるコミュニケーション場面を演出するアバターロボット制御」という2つの要素技術の開発に取り組む。本研究の成果は、重度運動機能障がい者の「生活の質」向上や、未だ謎の多い高次脳機能の解明、さらには新しいロボット活用法の開拓にもつながる。

公益財団法人 立石科学技術振興財団の概要

名称 公益財団法人 立石科学技術振興財団
所在地 京都市下京区塩小路堀川東入南不動堂町801番地
設立年月日 平成2年3月6日
目的 エレクトロニクス及び情報工学の分野で、人間と機械の調和を促進する研究に関する活動を支援し、もって技術革新と人間重視の両面から真に最適な社会環境の実現に寄与することを目的とする。
事業内容 エレクトロニクスおよび情報工学の分野で、人間と機械の調和を促進するための研究に関する活動を支援する。
(1)研究への助成
(研究助成(A) 20件程度/年、250万円以下/件)
(研究助成(B)  2件程度/年、500万円以下/件)
(2)国際交流への助成
(研究者の海外派遣及び外国人研究者の招聘、10件程度/年、
派遣40万円以下/件、招聘50万円以下/件)
(国際会議等支援 10件程度/年、50万円/件)
(3)研究成果に対する顕彰
(立石賞 功績賞 2件程度/隔年、副賞500万円/件)
(立石賞 特別賞 2件程度/隔年、副賞500万円/件)
(4)研究成果の普及
(成果集の発行 1回/年)
(5)その他、本財団の目的を達成するために必要な事業
事業年度 毎年4月1日から翌年3月31日まで
評議員 8名
役員 理事長  立石 信雄(オムロン株式会社 特別顧問)
常務理事 田中 敏文
他 理事5名 監事2名
基本財産 オムロン(株)株式2,625,000株
特定財産 現金11億円
詳細お問合せ先
公益財団法人 立石科学技術振興財団 
事務局長 明慶 剛
〒600-8234 京都市下京区塩小路堀川東入南不動堂町801番地
TEL:075-365-4771
http://www.tateisi-f.org

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