財団法人 立石科学技術振興財団 第1回立石賞受賞者決定のお知らせ
- 2010年4月7日
- オムロン株式会社
財団法人 立石科学技術振興財団(理事長:立石信雄・オムロン株式会社相談役、所在地:京都市下京区)は、このたび、第1回立石賞の受賞者を決定しました。
立石賞は、立石科学技術振興財団の設立20周年を記念して新設した顕彰事業で、今後隔年で実施します。立石賞は2つの賞で構成されており、過去に立石科学技術振興財団の研究助成を受け、その後の研究活動において顕著な業績をあげた研究者に対して立石賞功績賞を、立石科学技術振興財団の趣意に沿った日本発の研究・技術開発において顕著な業績を上げた研究者に対して立石賞特別賞をそれぞれ授与し、賞状、賞碑および賞金(500万円)をもって顕彰します。第1回目の今回は、公募で受け付けた推薦の中から、当財団選考委員会および理事会にて、功績賞と特別賞をそれぞれ1名ずつ選出しました。
立石賞 受賞者一覧
【功績賞】
氏名 | 都甲 潔(とこう きよし) |
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所属機関・職位 | 九州大学大学院 システム情報学科研究院 主幹教授/研究院長 |
授賞表題 | 生体を模倣した感性バイオセンサの研究開発と実用化 |
【特別賞】
氏名 | 金出 武雄(かなで たけお) |
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所属機関・職位 | 前 産業技術総合研究所 デジタルヒューマン研究センター センター長 |
授賞表題 | デジタルヒューマン技術の提唱とその発展への先駆的貢献 |
各授賞概要については、「受賞者 研究概要」参照
表彰式および記念講演について
表彰式と受賞者による記念講演を次の通り公開します。
日時 | : 5月18日(火)午後2時 |
場所 | : グランドプリンスホテル京都(京都市左京区宝ヶ池) |
聴講申込方法 | : 立石科学技術振興財団HP(http://www.tateisi-f.org/)参照 |
立石科学技術振興財団について
当財団は、エレクトロニクスおよび情報工学の分野で、人間と機械の調和を促進する研究および国際交流に対し助成を行い、技術革新と人間重視の両面から真に最適な社会環境の実現に寄与することを目的に、故立石一真(当社創業者)および故立石孝雄(当社元代表取締役会長)がそれぞれ保有するオムロン株式会社の株式を拠出し、さらにオムロン株式会社が寄付金を出捐して設立したものです。基本財産はオムロン株式会社の株式2,625,000株と現金11億円です。
受賞者 研究概要
第1回立石賞 功績賞 受賞者
氏名 | 都甲 潔(とこう きよし) | ![]() |
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所属機関 | 九州大学大学院 システム情報学科研究院 | |
職位 | 主幹教授/研究院長 | |
授賞表題 | 生体を模倣した感性バイオセンサの研究開発と実用化 | |
授賞理由 | 受賞者は、「味を測る」という概念を提案し、ナノバイオテクノロジーとエレクトロニクスを融合し、生物と似たメカニズムで食品の味を直接測る装置(味覚センサ)を世界で初めて開発することに成功した。 この味覚センサおよび味認識装置は、これまでに大学や公的研究機関、食品・飲料メーカー、医薬品メーカーなどに200台以上の導入実績があり、マーケティング、新製品開発、品質管理・保証など幅広い分野で活用されている。生体を模倣した感性バイオセンサとして、人間の感覚により近いセンサを実現したことは、まさに人間と機械の調和を促進するものである。 受賞者は、過去25年にわたり、「人の幸せを強く意識した技術開発を」というスローガンのもと、一貫して生体に学び生体を模倣する技術革新を推進し、デバイスの開発に結び付けてきた。特に、味覚と嗅覚という化学感性を再現,数値化,定量化する感性バイオセンサの研究・開発を通じて、これまで未踏の地であった味覚と嗅覚の世界に、客観的なものさしを持ち込むことに成功するだけでなく、ビジネス面での成功例としても注目を集めている。 なお、1993年に当財団から「味覚・嗅覚系を模したマルチチャネル脂質膜型の生物化学感覚認識システムの開発」の研究課題で助成を受け、その成果も本研究活動の充実と発展に寄与した。 |
第1回立石賞 特別賞 受賞者
氏名 | 金出 武雄(かなで たけお) | ![]() |
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所属機関 | カーネギーメロン大学 生活の質工学研究センター | |
職位 | 所長、ワイタカー記念全学教授 (前 産業技術総合研究所 デジタルヒューマン研究センター センター長) |
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授賞表題 | デジタルヒューマン技術の提唱とその発展への先駆的貢献 | |
授賞理由 | 受賞者は、ロボティックスおよびコンピュータビジョンの分野で数多くの先駆的業績をあげる中で「人間と機械の調和を実現するためには、“人間のモデルを機械の中に構築すること”すなわち“機械に人間を理解させること”が本質的である」という認識を確立し、それをデジタルヒューマン技術というコンセプトに結実させて広範な研究を展開している。 デジタルヒューマン技術は、「人の解剖生理、運動機能、心理的認知レベルを含む人機能の計算機モデルを構築する」ことを目的としたものであり、人に奉仕する全てのシステムが人と調和して適切に機能するためには、「人」がどう反応し行動するかの究明が極めて重要であるという考え方に立脚している。 受賞者は、デジタルヒューマン技術に関連するさまざまな学術的・技術的内容の基礎と応用にかかわる広範な研究の発展に貢献している。その成果は装着具、運動用具から子供の安全を守る情報社会システムの設計にまで活かされるとともに、日本発のデジタルヒューマン技術の考え方が生活の質向上に欠かせない情報工学やエレクトロニクスの発展に重要なことを世界に浸透させた。さらに、産業技術総合研究所にデジタルヒューマン研究センターを創設し、これらの研究活動を組織的に実行することにより、若い研究者の育成にも貢献している。 |
立石賞について
立石賞の概要
設立の目的
当財団の設立20周年を記念して、「立石賞」(Tateisi Prize)を新設しました。本賞は、エレクトロニクスおよび情報工学の分野で、人間と機械の調和を促進し、技術革新と人間重視の視点の両面から真に最適な社会環境の実現に寄与することを目的とし、またオムロン株式会社の創業者である故立石一真氏および当財団の初代理事長を勤めた故立石孝雄氏の産業・技術の発展に対する功績および人材の育成に対する貢献を記念する賞です。対象者および賞の種類
顕彰の対象者は、エレクトロニクスおよび情報工学の分野で、人間と機械の調和を促進し、技術革新と人間重視の視点において顕著な業績をあげた個人で、次の通りとします。(1)過去に本財団の研究助成を受け、顕著な研究業績をあげた者。
(2)当財団の趣意に沿った日本発の研究・技術で顕著な業績をあげた者。前項(1)に対するものを立石賞功績賞(Tateisi Prize, Achievement Award)と称し、前項(2)に対するものを立石賞特別賞(Tateisi Prize, Grand Award)と称します。
顕彰
顕彰は、賞状・賞牌及び賞金(500万円)をもって行います。立石賞は隔年実施とし、1回につき立石賞功績賞2名程度、立石賞特別賞2名程度、合計4名程度への贈呈を予定しております。ただし、該当者がいない年度においては顕彰を実施しません。第1回立石賞の募集期間
平成21年4月1日~平成21年6月30日(消印有効)第1回立石賞の表彰式
平成22年5月18日(火) 午後2時 (グランドプリンスホテル京都にて表彰式を開催)
- 詳細お問合せ先
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財団法人 立石科学技術振興財団
事務局長 進藤 仁志
〒600-8234 京都市下京区塩小路堀川東入南不動堂町801番地
TEL:075-365-4771
http://www.tateisi-f.org/