超高速制御を実現するパソコン用オープンネットワークCompoNetマスタ PCIバス対応とCompactPCIバス対応のマスタボードを発売
- 2009年9月18日
- オムロン株式会社
オムロン株式会社は、下記の新商品を10月1日から発売します。 <イメージ写真>
- CompoNetマスタボード(PCIバス用) 3G8F7-CRM21
- CompoNetマスタボード(CompactPCIバス用) 3G8F8-CRM21
本商品の特長
産業用パソコンコントローラでのI/Oデータ制御の高速化を実現するCompoNetマスタボードです。リアルタイム制御を必要とする装置やデータを高速に演算、モニタリング、処理を必要とする装置で最高のパフォーマンスを実現します。
<主な特長>
超高速制御を実現
従来の配線では実現できなかったネットワーク(低速制御部分)とハードワイヤリング(高速制御)部分をCompoNetで統一できるため、装置の高速化によるタクトタイムの向上に貢献します。業界トップクラスの超高速通信
CompoNetマスタボードはI/O信号1000点を1msで高速通信でき、パソコンコントローラの高速演算処理のシステムで、リアルタイムな高速制御ができます。高速通信技術
マスタあたり最大I/O点数2,560点、最大接続ノード数384台を繋げることができます。CompoNetマスタはマルチキャスト+TDMAという効率の良い通信技術で高速性を実現しています。マルチキャスト技術によりマスタから全てのスレーブに対して、同時にフレーム情報を出力することができ、さらにTDMA技術によってスレーブからのデータがぶつからないようにそれぞれ時間差でフレーム情報を送り戻す、という方式を採用しています。このため、ノード数が増えるほど従来のポーリング方式のネットワークと比べると、通信サイクルが短縮する、という特長を活かすことで、超高速通信を実現しています。
装置内を省スペース
従来、ハードワイヤリングで複雑な配線によりメンテナンスも困難な装置内配線を省配線化できます。自由な配線性
フラットケーブル配線で装置内を簡単に、自由に配線することができます。幹線ケーブルに直接、圧接コネクタを取付けるだけで分岐可能です。ユニットとの接続もワンタッチ、マルチドロップ接続もできます。また、汎用の丸型ケーブルの使用も考慮しており、従来どおりの端子台へのネジ締め接続も可能です。端子台は取り外し可能です。スペース効率の高いスレーブ
既に発売している業界最薄のデジタルI/O、アナログI/Oスレーブや業界最小クラスを実現したビットスレーブ(10月発売)で装置内を省スペース化できます。
業界最薄15mmスレーブ
部材費コストダウン
ケーブルのコストダウン
シールドケーブルを必要としないので、専用フラットケーブルを使用しても、従来のフィールドネットケーブルより安価に配線することが可能となります。丸型ケーブル使用時には、さらにコストを抑えることが可能になります。丸型ケーブルはシールドはないため、屈曲性が良い、被覆をむく端末処理が不要といったメリットもあり、用途拡大や施工工数削減のメリットもあります。
マスタボードの開発の背景
CompoNetは装置内配線の省配線ネットワークとして半導体・液晶、電子部品、物流搬送システムをはじめ多様な装置での使用が加速的に広まっています。これらの装置ではリアルタイム制御やデータ演算・処理での使用率が高まり、産業用パソコンやパネルコンピュータでの用途が拡大しており、製品のトレーサビリティや品質向上を実現するため、製造プロセスのデータ収集が必要になってきており、部品点数増加によるシステムコスト高や装置内の高密度配線の問題も伴ってきています。
オムロンは本商品によりパソコン制御での使用を可能にし、CompoNetの高速性、配線性、ローコスト化といった業界最高パフォーマンスの性能で従来からの課題を解決します。
主な仕様
- PCIバス用とCompactPCIバス用の2種類を品揃え
- 対応OSはWindows2000、XP、Vistaをサポート。共有メモリアクセスで他OSでも使用できます。
名称 | 形式 | 標準価格 |
---|---|---|
CompoNetマスタボード(PCIバス用) | 3G8F7-CRM21 | ¥120,000 |
CompoNetマスタボード(CompactPCIバス用) | 3G8F8-CRM21 | ¥138,000 |
適用アプリケーション例
- 半導体、液晶製造装置
- 電子部品製造装置
- 液晶、電子部品、電池などの検査装置
- ロボット
- 射出成形機
- 工作機械
- 物流搬送システム
- ビルオートメーション
販売目標台数
1,000台/年
センサ&アクチュエータ層での世界標準オープンネットワーク「CompoNet」
CompoNetは2006年にODVA(※1)により一般公開、仕様化された最新のセンサ&アクチュエータ層オープンネットワークです。永年の製造現場で培った省配線ノウハウを結集させたハイレベルな通信技術とCIPネットワーク技術(※2)を融合させたネットワークです。
接続機器とコントローラ間の約1,000点の信号を1msという業界最速クラスの高速化技術で実現し、簡単配線、コストダウンを両立しているため、これまでにないハイパフォーマンスなネットワーク環境をご提供します。
オープンネットワークなので装置のコストダウン・機能向上やグローバルレベルでの調達性の良さ、標準化による設計ノウハウ資産化が期待できます。現在、CompoNetは国内外の多数の制御機器メーカによるファミリー機器の急速な拡大で、真のグローバルオープンネットワークと言えるマルチベンダ環境を整えています。
- ※1.ODVA
- Open DeviceNet Vendor Associationの略で米国の非営利団体です。CIP技術(※2参照)をベースとしたネットワークをサポートしており、国内外の主要ベンダにより運営されています。米国、欧州、中国、韓国、日本に活動拠点を置いています。
- ※2.CIPネットワーク技術
- Common Industrial Protocolの略。マルチベンダ対応のオープンなネットワーク間での通信が可能になるプロトコル。ネットワークの種類や機器の違いなどの制限を受けずに、各種FA機器の制御、プログラミング、データ収集などを標準化できます。
- 詳細お問合せ先
- オムロン株式会社
インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー
経営企画部 広報担当 原沢修
〒141-0032 東京都品川区大崎1-11-1 ゲートシティ大崎 ウエストタワー 14階
TEL:03-3779-94343