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ファイバへの結合効率を4倍に高める専用投光デバイスを開発

  • 2008年11月14日
  • オムロン株式会社

オムロン株式会社は、ファイバセンサ専用の投光デバイスとして、「高効率結合デバイス」を開発しました。

ファイバセンサは、アンプ部とファイバヘッド部で構成されるもので、アンプ部には投光素子と受光素子が内蔵されています。ファイバセンサは、センサのヘッド部にファイバーケーブルを使用しているため、ヘッドをコンパクトにできるため、スペースの問題などからセンサの取り付けが困難なラインへの設置が可能です。

一方、ファイバで光を伝送するため、投光素子と受光素子の受け渡し効率の低下やファイバでの伝送効率の影響を受けやすく、検出距離が短くなる、微小ワークの検出が困難、といった課題がありました。

今回開発した「高効率結合デバイス」は、こうした課題を解決するために開発したファイバセンサ専用の投光デバイスです。

「高効率結合デバイス」は、オムロンが長年蓄積した生産技術や生産ノウハウ、今回新たに開発した光学システムや高精度な積層実装技術等の尖鋭技術の融合により、従来の投光デバイスに対して、4倍以上の光パワーをファイバへ結合させることが可能となりました。

開発上の主なポイント

  1. 新規光学系の開発(PAT出願中)
    微小なレンズとミラーを高精度に組み合わせることで、LEDから射出された光の指向角を最適に制御して、投光デバイスとファイバを高効率に結合します。
  2. 微小光学系のアライメント技術(PAT出願中)
    超小型の光学部品を高精度に組みてるための独自のアライメント技術と専用設備を開発しました(アライメント技術は、チップを基板上に実装する際、チップが基板のセンター位置に実装されるように補正する技術)
  3. リフレクタ、LEDの積層実装技術(PAT出願中)
    新設計のファイバ専用リフレクタ内に高輝度LEDを高精度で積層実装することで、光の制御性向上とデバイスの小型化を実現しました。
  4. ノウハウ技術の活用
    オムロンが所有する低ループワイヤボンディング技術、高信頼性と超薄小型を両立したパッケージング技術が高効率結合デバイスの性能を支えています。

結合効率(光パワー)4倍の魅力

高効率結合デバイスを搭載したファイバセンサは、光パワーが従来比4倍以上、2倍以上の検出距離が実現します。また、微小部品の検出性能で比較した場合は、従来のセンサがSMD0603(0.6×0.3×0.23mm)サイズが検出限界であったのに対して、「高効率結合デバイス」を搭載したセンサでは、業界初となるSMD0201(試供品/0.2×0.1×0.08mm)サイズまでの検出が可能となります。
さらに、バンドルファイバを使用した場合に、光パワーの均一性が従来比2倍以上となり、検出安定性が大幅に向上します。光がワークに均一で当たらない場合、光の挙動にムラが生じるため、微小ワークを検出する場合などは、ワークの位置によっては、検出できないことがありました。

微小部品の検出性能比較
微小部品の検出性能比較

光パワーのばらつき比較
光パワーのばらつき比較

詳細お問い合わせ先
オムロン株式会社
インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー
企画室 経営企画部  広報担当 原沢 修
〒141-0032 東京都品川区大崎1-11-1 ゲートシティ大崎 ウエストタワー 14階
TEL: 03-3779-9434

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