スレーブ設計技術とアナログ回路技術の融合により実現した 世界初のCompoNet対応の温度入力スレーブを発売
- 2008年9月24日
- オムロン株式会社
オムロン株式会社は、下記の新商品を10月1日から発売します。
- CompoNet温度入力スレーブ CRT1-TS04□ <イメージ写真>
CompoNetとは
CompoNetはDeviceNetやEthernet/IP(※1)などのオープンネットワークの世界的な普及を支援しているODVA(※2)により、2006年2月に仕様化された世界初のセンサ&アクチュエータ層向けネットワークです。
オムロンが長年、FA現場で培ってきた高速・省配線ネットワーク技術とODVAが保有するCIPネットワーク技術(※3)を融合した新世代のハイパフォーマンス&インテリジェントなネットワークがCompoNetです。CompoNetの主な特長として業界最速レベルの多ノード&高速通信(※4)、簡単な設定、高い施工性などが挙げられます。
マルチベンダ環境が進むCompoNet
2007年11月、東京ビッグサイトで開催されたシステム・コントロール・フェアでもオムロンと他PLCメーカ3社でCompoNetを共同展示、オムロンブースでは様々な機器ベンダがCompoNet接続機器を展示し6,000名を超える来場者で賑わいました。現在、CompoNetは国内外の多数のメーカによるファミリー機器の急速な拡大で、真のグローバルオープンネットワークと言えるマルチベンダ環境を整えつつあります。
CompoNet温度入力スレーブの開発の背景
オムロンはこれまでCompoNetのマスタ、リピータ(※5)、デジタルI/Oワードスレーブ、アナログI/Oワードスレーブ、ビットスレーブなど豊富なバリエーションの商品を短期間で品揃えしてきました。これにより、自動車、半導体、搬送、電子部品業界などの装置に採用されてきましたが、温度監視ニーズに対応できるスレーブについては実現できていませんでした。そこで温度入力スレーブの開発により、CompoNetによる高速通信で温度データを速やかにPLCに伝送し、簡単な立ち上げ・配線で装置の立ち上げから保全までのトータルコストダウンに貢献できる省配線ネットワークの実現を目指しました。
開発にあたっては、オムロンがノウハウ保有しているCompoNet通信技術、アナログ回路、温度入力演算をフル活用し、低価格で温度監視ニーズに対応したスレーブが品揃えできました。
高速・高施行性のCompoNet通信技術と温度入力回路の融合によるCompoNet温度入力スレーブは、電子部品、繊維機械、ビルオートメーションなどのアプリケーションに幅広く使用されていくものと考えています。
温度入力スレーブの特長
適用温度入力センサは「熱電対」「測温抵抗体」の2種類で4ch分のデータを1台のスレーブで対応できます。更にスケーリング、コンパレートなど演算処理を必要とする機能をスレーブに搭載していますので、ラダープログラムでの演算処理を省くことが出来ます。
主な特長
- 温度入力対応
熱電対入力タイプと測温抵抗体入力タイプを品揃え - 簡単設定
ノードアドレス設定、入力種別設定など全てスレーブのSWでできますので、ツールレスで簡単に立ち上げることができます。また、センサ断線を検知する機能も搭載しておりミス配線などの低減にも役立ちます。 - 高い保守性
端子台を脱着方式ですので、配線を外さずに簡単に本体交換のメンテナンスができます。 - スマート機能(※6)
スレーブ本体にスマートな機能を実装しており、ラダープログラムレスやメンテナンス向上に役立ちます。(例:入力データを任意の値に変換できるスケーリング機能、予め設定されたデータの上限値・下限値と比較演算できるコンパレート機能、温度・測定時間の演算により装置やセンサの熱量を換算する積分機能など)
適用アプリケーション例
- 電子部品装置、半導体装置など温度を扱う装置のデータ収集
- ビルオートメーションの室温監視
標準価格
37,500円販売目標台数
3,000台/年主な仕様
- 入力種類(2種類)
熱電対入力タイプ・・・形式 CRT1-TS04T
測温抵抗体タイプ・・・形式 CRT1-TS04P
CRT1-TS04T | CRT1-TS04P | |
---|---|---|
入力点数 | 4点 | |
変換周期 | 250ms 4点 | |
入力種別 | R, S, K, J, T, E, B, N, L, U, W, PL2 切替可 | PT100(-200~850℃) PT100(-200~200℃)切替可 |
指示精度 |
|
|
※1.Ethernet/IP
Ethernet Industrial Protocolの略。イーサネットの標準プロトコルTCP/IP上にCIP技術を実装した産業用イーサネットです。2000年にODVA(※2参照)により策定され、米国GM社などで標準採用されています。主にPLC(Programmable Logic Controller)などのコントローラ間のデータリンクや高速大容量通信に使用されています。
※2.ODVA
Open DeviceNet Vendor Associationの略で米国の非営利団体です。CIP技術(※3参照)をベースとしたネットワークをサポートしており、国内外の主要ベンダにより運営されています。米国、欧州、中国、韓国、日本に活動拠点を置いています。
※3.CIPネットワーク技術
Common Industrial Protocolの略。マルチベンダ対応のオープンなネットワーク間での通信が可能になるプロトコル。ネットワークの種類や機器の違いなどの制限を受けずに、各種FA機器の制御、プログラミング、データ収集などを標準化できます。
※4.多ノード・高速通信
CompoNetの特長的な仕様であり、1マスタで最大384台のノード接続、I/O点数1024点を1msで高速通信できます(メッセージ通信なし時)。
※5.リピータ
CompoNetの通信幹線上に接続し、通信距離の延長、分岐、異種ケーブル接続など自由度の高い配線を実現できるデバイスです。CompoNetの通信距離を最長1500mまで延長することができます。
※6.スマート機能
立ち上げから保全までお客様のネットワーク構築を強力にサポートする簡単でかしこいスレーブ本体に実装されている便利な機能です。スレーブが機器の動作時間や動作の変化量をデータ化して上位のPLCを介してツールによるモニタリングや機器のオン/オフ回数、トータル動作時間をスレーブ側でカウントすることでメンテナンスのタイミングをお知らせする機能などあります。
- 詳細お問い合わせ先
- オムロン株式会社
インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー
コントロール機器統轄事業部ネットワーク事業推進部 徳森世紀
〒525-0035 滋賀県草津市西草津2-2-1
TEL:077-565-5219
URL: http://www.fa.omron.co.jp/