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世界初の位置検出ミューティング機能を搭載したセーフティライトカーテンと設定ツールを発売

  • 2005年12月6日
  • オムロン株式会社

オムロン株式会社インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー(以下;IAB、カンパニー社長:立石文雄)は、次の新製品を12月7日より発売します。

  • 形F3SJ-A Ver.2 セーフティライトカーテン<イメージ写真>
  • 形F39-GWUM  形F3SJ用PCツール「SD Manager」
  • 形F39-MC21 形F3SJ用セッティングコンソール

2003年に機械安全の国際規格ISO12100が正式発行されたこと、さらには昨年11月にJIS9700として、JIS化されたことなどから、国内の機械・装置の安全化が進んできています。特に産業用ロボットや機械設備の危険箇所での労働災害防止を目的として、作業員の人体検出としてセーフティセンサが使われています。

セーフティライトカーテンは、投光器、受光器内に複数の光電センサを連続して並べ、光のカーテンのような構成をしたセンサで、人体の指や手、腕の検知用として使用します。人体によって投光器からの光線が遮られると、安全回路の制御出力をオフし、工作機械などを緊急停止させて作業者の安全を確保します。また光線が一旦遮られると、作業者が周囲の安全を確認するまで機械設備の再起動を防止するといった用途に使用されます。

当社では、2005年4月に「簡単」「使いやすい」を追求したセーフティライトカーテン形F3SJ-Aシリーズを発売。従来のライトカーテンに比べ薄型化を実現し、さらに、同種センサ相互の干渉光による「誤動作防止機能」や防護対象である人体以外の加工ワークが検出エリアを通過するときに一時的にライトカーテンを無効化する「ミューティング機能」を本体に内蔵。これにより、より幅広い安全アプリケーションに簡単に対応でき多くの顧客に支持いただいております。

今回発売する形F3SJ-AVer.2は、既発売の形F3SJ-Aシリーズの基本性能を踏襲し、さらに「設置工数」や「メンテナンス工数」の削減とアプリケーション対応力を強化したものです。また、新たに搭載された各種機能の設定や、ライトカーテンの状態確認を簡単に行うことをサポートする専用の設定ツール「SD Manager」形F39-GWUM(PCツール)と「セッティングコンソール」形F39-MC21の2種類も同時発売します。これにより、装置やラインの生産性と安全性の更なる両立を目指します。

セーフティライトカーテン 形F3SJ-AVer.2の主な特長
  1. 世界初のミューティング機能を追加

    加工ワークや搬送台車などがセーフティライトカーテンの検出エリアを通過する際に一時的にライトカーテンを無効化する「ミューティング機能」に、2つの新しい機能を追加しました。

    (A)位置検出ミューティング機能(世界初搭載)

    作業者が加工対象ワークを自ら装置にセットし、加工するアプリケーションでは、ワークセット時にライトカーテンの検出エリアが作業者によって一次的に遮光されたのか、加工中に間違って人体が進入したのかを区別することができずライトカーテンを設置することが困難でした。そこでミューティング開始と終了をワーク(あるいは人体)で検出するのではなく、危険源である加工機やロボットが停止もしくは安全状態の位置にあるか、加工中や移動中で危険状態の位置にあるのかの位置信号をリミットスイッチやセンサで検出し、安全状態位置にある時だけライトカーテンを無効化する世界初の「位置検出ミューティング機能」を搭載しました。これによって作業者がワークセットするような設備でもライトカーテンによる安全防護を可能にしました。

    (B)部分ミューティング機能

    一般的なミューティング機能では、ワーク通過を検出すると全ての光軸を無効化します。新機能「部分ミューティング」を使用すると、ミューティング時に無効化される光軸を限定することができ、ワーク通過には無関係な光軸はミューティング中も有効にしておくことが可能になります。この機能を活用することで、ワーク通過時に偶然同時に進入した人体を検出できないといったリスクを低減し、さらなる装置安全を実現します。

  2. 警告エリア設定機能の追加(世界初搭載)

    ライトカーテンの検出エリアを「機械停止エリア」と「警告エリア」に分割することが可能になりました。この機能により、ライトカーテンを水平方向に設置し、作業者が危険場所に接近した時は、まずアラームによる警告だけを行い、更に危険場所に近づいて初めて機械を停止するようなアプリケーションが可能になり、ライトカーテンを起因とするチョコ停による稼働率低下を防止することができます。

  3. ブランキング機能の追加

    セーフティライトカーテンの検出エリア内に、機械設備の一部分が存在するような設置状態になる場合、常に遮光されてしまう光軸が存在するため安全出力がオフ状態のまま設備が起動できないという課題がありました。そこで常に遮光状態となる光軸を無効化したり、複数光軸が遮光されて始めて出力がオフ状態となるような「ブランキング機能」を追加し上記課題を解決します。

PCツール「SD Manager」 形F39-GWUMの特長

形F3SJ-A Ver.2で搭載された新機能を使用するための各種設定や状態確認を行うためのパソコン用ツールです。パソコンとライトカーテンとの接続には、専用のインターフェースケーブルを使用します。パソコン側はUSB端子を経由して接続し、ライトカーテン側は専用のケーブル分岐コネクタを使用します。Windows用アプリケーションソフトウェア「SD Manager」によって、機能選択、パラメータ設定、状態確認などを行うことができます。ミューティング機能、警告エリア機能、ブランキング機能など安全アプリケーションの設定用以外に、ライトカーテンの設置工数やメンテナンス工数の削減に貢献する次のような機能を含みます。

  1. 受光量レベル表示

    ライトカーテンの検出エリアを「機械停止エリア」と「警告エリア」に分割することが可能になりました。この機能により、ライトカーテンを水平方向に設置し、作業者が危険場所に接近した時は、まずアラームによる警告だけを行い、更に危険場所に近づいて初めて機械を停止するようなアプリケーションが可能になり、ライトカーテンを起因とするチョコ停による稼働率低下を防止することができます。

  2. 外乱光量レベル表示

    ライトカーテンの誤動作原因となる周囲からの外乱光が入光しているかどうかをバーグラフ表示することができます。
  3. エラー履歴表示

    ライトカーテン本体には、トラブルシューティングのためのエラー表示灯が装備されていますが、更に詳しいエラー発生状況を過去の履歴も含めて表示します。また想定されるエラー原因と対応策も同時に表示されるため、トラブル時の復旧工数を削減します。

セッティングコンソール 形F39-MC21の特長

形F3SJ-AVer.2で搭載された新機能を使用するための各種設定や状態確認を行うためのハンディコンソールです。
ライトカーテンの設置場所にパソコンの持ち込みができない場合や簡単な設定や状態確認をする場合に便利です。

主なアプリケーション

自動車および自動車部品組立・加工ライン、工作機械、金属加工機械、搬送機、包装機、成型機などの開口部、産業用ロボット稼動エリアの安全柵の一部などにおける人体進入検知のアプリケーション

価格

形F3SJ-A Ver.2: 52,000円 ~ 560,000円
形F39-GWUM: 19,800円  
形F39-MC21: 19,800円

販売目標

形F3SJ-A Ver.2 : 初年度 50,000台/年

生産工場

オムロン綾部工場

セーフティライトカーテン 形F3SJ-A Ver.2 の主な仕様と性能
項目 (PNPタイプ)
(NPNタイプ)
形F3SJ-A□□□□P14
形F3SJ-A□□□□N14
形F3SJ-A□□□□P20
形F3SJ-A□□□□N20
形F3SJ-A□□□□P30
形F3SJ-A□□□□N30
センサの種類 タイプ4 セーフティライトカーテン
検出距離 0.2 ~ 9m(検出幅 1631mm以下), 0.2~7m(検出幅 1655mm以上)
光軸ピッチ 9mm 15mm 25mm
光軸数 26~180 16~166 10~100
検出幅 245~1631mm 245~2495mm 245~2495mm
最小検出物体 不透明体 直径φ14mm 不透明体 直径φ20mm 不透明体 直径φ30mm
有効開口角(EAA) IEC61496-2に基づく。 投光器、受光器とも検出距離3m以上の時±2.5°以内
光源(発光波長) 赤外LED(波長870nm)
電源電圧(Vs) DC24V±20%(リップルp-p10%以下)
制御出力(OSSD) PNP (もしくはNPN)トランジスタ出力×2、負荷電流300 mA以下、残留電圧2 V以下 (コード延長による電圧降下を除く)
その他の出力 補助出力×2, 外部表示灯用出力×2
出力動作モード 制御出力:入光時ON
その他の出力:設定ツールで設定可能
テスト機能 セルフテスト(電源投入時および通電時)
外部テスト (テスト入力による投光停止機能)
安全関連機能 スタート/リスタートインターロック, 外部リレーモニタ, ミューティング, フィックスブランキング、フローティングブランキング
直列連結 連結数:4セットまで、総光軸数:400光軸まで
相互干渉防止機能 干渉光回避アルゴリズム、検出距離変更機能
保護回路 出力負荷短絡保護、電源逆接続保護
応答時間(単体使用時) ON→OFF:10ms~22.5ms以下、OFF→ON:40ms~100ms以下 
詳細は、取扱説明書を参照ください
電源投入後立上がり時間(単体使用時) 2s 以下
保護構造 IP65(IEC60529)
接続方式 コネクタ式(M12、8ピン)
適合規格 IEC61496-1,EN61496-1,UL61496-1: タイプ4 ESPE (Electro-Sensitive Protective Equipment)
IEC61496-2,prEN61496-2, UL61496-2: タイプ2 AOPD (Active Opto-electronic Protective Devices)
IEC61508, EN61508: SIL3
詳細お問い合わせ先
オムロン株式会社
インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー
セーフティコンポ事業部
商品開発部 商品計画課 三角文彦
〒600-8530 京都市下京区塩小路通堀川東入
TEL:075-344-7093

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