前職では電気機器メーカーの経理部、総務部、経営企画部と異動を経験し、幅広い業務に従事。並行して女性活躍推進プロジェクトのリーダーとして女性管理職登用についての施策立案・実行に取り組み、厚生労働省均等両立推進企業表彰、プラチナくるみん&えるぼし認定。2022年4月より神戸大学大学院で社会人学生としてESG経営を学ぶ。同年10月オムロン株式会社入社。グローバル人財総務本部グローバルE&S統括部 経営基幹職。
ESG経営を掘り下げるため
社会人学生との二足のわらじを実現
前職の電子機器メーカーの経営企画部に所属していた当時、Environment(環境)・Social(社会)・Governance(統治)に重きを置くESG経営がこれからは重要だという意識が高まり、知識を深めるために神戸大学大学院に入学しました。学びを進めるうちに、前職でも参考にしていたオムロンが先進的であると思い至り、転職しました。現在、国際人権のグローバル展開に従事し、各国のデータを分析して、オムロングループの労働環境や安全衛生の改善に努めています。
一見地味な作業ですが、その裏にあるのは国際人権の尊重という大きなテーマ。毎年ベンチマークにしている外部評価を指標に、女性比率の確認や人権侵害に当たる行為はないかなどアセスメントしています。入社前は自社のリスクへの対応という守りの仕事であるというイメージでしたが、実際は「社会課題の解決の中で中長期に企業価値を高めていこう、ビジネスの機会につなげていこう」という攻めの姿勢で、部署全体に勢いがあり驚きました。
理想像ではなく、自分らしく。
個の価値を大切にする職場とは
オムロンに入社した年度は、大学院1年目の途中でもありました。平日は業務、金曜日の夜にオンライン授業、土曜日は朝から晩まで大学で講義を受け、毎週木曜日が課題提出日でしたので、仕事の後はひたすら勉強という日々。息子はもう大きく寮生活ですが、帰省した際にも余裕がなく代わりに食事の準備をしてもらうこともありました。一番辛かったのは、「(母親なのに)あれもできない、これもできない」「管理職は定時で帰るものではない」とひどいプレッシャーに押し潰されそうになっていた時。ですが、どちらもそう思い込んでいたのは私自身です。そう気付いて母親や管理職の理想像を持たなくていい、と決めたらスッと楽になりました。
前職では、女性管理職は私しかいなかったので、社外の女性リーダーにお話をお聞きしていましたが、オムロンには社内にたくさんいらっしゃる。相談しやすく、自分に近いリーダー像を見ることもできます。
また周囲から「管理職だからこうあるべき」と自身のあり方を強く求められたこともありません。だからこそ、自分らしい管理職像を見つけるまでに戸惑いがあるかもしれませんが、個の価値を大切にしてくれる環境で、充実した制度を活用しながら見つけていけばいいと思います。
数ある制度の中で、私が有意義だと感じているのが「斜めメンター制度」。自分の部署の上司とは異なる管理職がメンターとなり、キャリアや業務について、行き詰まっていることを聞いてもらい、自分とはまた違う視点でアドバイスをいただく貴重な機会です。
メンタル面でのフォローも充実している環境の中で、私が常に考えているのは、オムロンが大切にしている「社会課題を解決する」という企業理念の実践に、私の日々の業務がどんな風に結びついているか。私の業務がどのようにつながっているかをちゃんと理解して取り組んでいるので、道標もなっていますし、ブレることなくモチベーションを保って進むことができます。
一歩踏み出せない女性たちへ伝えたい
学び続けること、まずやってみること
ところで、女性活躍推進リーダーとして活動していた際、女性管理職が少ないのは経営側の問題だけではなく、女性自身が「自信がない」「家庭と両立できると思えない」と躊躇しているということがアンケートから分かりました。それは前例がない、やったことがない不安から出た声だと受け止めています。情報がないことに挑戦するのは、性別に関係なく思い切れないものですよね。
私は、そんな女性たちが一歩踏み出せるよう、背中を押すのが使命だと思っています。私自身、特殊な技能や特別な経験を持っているわけではないからです。ただ、学ぶことだけは続けてきました。まだ入社したばかりなので、今後は各国における国際人権のガイドラインのエキスパートといえるよう、これからも学び続けていくつもりです。
できるかできないかと悩んでいる方には、まずやってみて、そこから一緒に考えようとお伝えしたいです。失敗も、成長につながる大切なステップですから。
- 小林2022年キャリア入社
- グローバル人財総務本部グローバルE&S統括部 経営基幹職