オムロンが目指す人と機械の未来
フォルフェウスとは?
機械が人の可能性や創造性を高め活躍できる
ように能力を引き出す「融和」の世界を体現した、
オムロンのコア技術を象徴するロボット。
オムロンが目指す人と機械の未来を、
卓球のラリーを通じて体感することができます。
フォルフェウス(FORPHEUS)という名前の由来
“Future OMRON Robotics technology for Exploring Possibility of Harmonized aUtomation with Sinic theoretics”の頭文字。
独自の未来予測理論「SINIC理論」に基づく、オムロンのロボット技術を表現した造語です。
「For(向かう)」「ORPHEUS(人間の創造性を象徴するギリシャ神話の吟遊詩人)」という言葉の
組み合わせでもあり、人間の創造性や可能性を引き出すオムロンの姿勢を表しています。
人と機械の関係
人と機械の関係は過去から未来へと三つの段階で社会に浸透していくとオムロンは考えています。
人が担わなくてよい仕事を機械に「代替」させる段階。オムロンの工場自動化や自動改札機などの事業の歴史もこれに該当します。
現在世界的に進んでいるのが、人と機械の両者が「協働」する段階。
例えば、工場の生産ラインで人と組み立てロボットが共存し、互いの適性を最適に発揮して生産性を高めるというものがこれにあたります。
そして今、人と機械が「融和」して人の可能性や創造性を高め、能力が拡張される関係となりつつあります。機械が社会の中に広く融け込み、
このフォルフェウスのように、人の能力や可能性を引き出す機械が、あらゆる分野に生まれてくると考えています。
未来の人と機械の関係を象徴するフォルフェウス。
2013年から毎年、若手技術者を中心としたチームを組み
最先端技術の開発と活用により、進化をつづけています。
フォルフェウスの技術
卓球ロボット「フォルフェウス」は、
オムロンのコア技術
「SENSING & CONTROL + THINK」
を用いて研究開発を進めています。
チームパフォーマンスの向上
プレイヤー1人の能力だけでなく、ダブルスを組むチームとしての
パフォーマンスを高めることが
可能になりました。
- メンバ間の共感と連携を見える化
- ダブルスを組む2人の動きと感情推定から、パフォーマンスに影響するチームメンバ同士の共感度と連携度を推定できるようになりました。
6つのカメラにより、2人の表情、心拍数、瞬き、動きなどを一度に捉え、動作や感情の同期性から内面的な共感度と運動の連携度をセンシングする技術を構築しました。
- パフォーマンスを高めるラリー
- 見える化した共感と連携を向上させるためにAIが最適な返球パターンを導き出し、返球ができるようになりました。
2人の共感と連携を高めるため、ラリーの返球速度やテンポ、コースなど最適な返球パターンを導き出します。そして、その返球を実現するため、返球精度を高め可動域を広げるロボットへの刷新と制御技術を構築しました。
インテリジェント化による運営工数の削減
熟練者ではない人でも使えるように、機械の調整などに
必要な運営工数を削減することが
可能になりました。
- 機械の状態を自己診断
- カメラやモーターのパフォーマンスをリアルタイムに監視。
さらにラケットのラバーの汚れなどの状態までをセンシング。
ロボット自身が自己診断をできるようになりました。
ロボットの動作とカメラの撮影を同期させて返球精度やラバーの表面状態をカメラ画像からセンシングします。その変化から各パーツのパフォーマンスを自己診断し提示することで調整の必要な箇所がわかるようになりました。
- 返球精度を保つ自律制御
- ラバーの表面状態の変化に応じてラリーの返球精度を保つ
自律調整機能を実現しました。
ラバーの汚れなど表面状態の変化による目標返球位置からのずれに対して、返球の際のラケットの高さや角度を制御し、自動で高い返球精度を持続できるようになりました。
フォルフェウスの開発者たち
フォルフェウスの成長の軌跡を歴代の開発者にインタビュー
- 「SINIC理論」とは
- オムロンの創業者・立石一真が、情報化社会の出現など21世紀前半までの社会シナリオを高い精度で予測した画期的な未来予測理論です。1970年の発表以来、オムロンの経営の羅針盤であり続け、未来の人と機械の関係を象徴するフォルフェウスのコンセプトは、この理論から生まれました。
SINICは、“Seed-Innovation to Need-Impetus Cyclic Evolution”の頭文字。「SINIC理論」では、“科学”と“技術”と“社会”の間には円環論的な関係があり、異なる2つの方向から互いにインパクトを与えあっているとしています。新しい科学が新しい技術を生み、それが社会へのインパクトとなって社会の変えていくエンジンとなる。逆に社会のニーズが新しい技術の開発を促し、それが新しい科学を生み出す。このふたつが互いに関係しあって、よりよい未来の社会に寄与するという理論です。そして、21世紀前半を、人間と機械が理想的に調和した社会であり、生産性や効率の追求に代わって、人間としての生き方や自己実現が重要となる「自律社会」と定義。そのとき人間は、健康で幸せに長生きしたい、快適な生活を送りたいなど、より本質的な欲求を重要視するようになると予測しています。
オムロンでは、「SINIC理論」が示す未来社会へ向け、さまざまな領域の社会課題に取り組み、コア技術である“Sensing & Control + Think”によって、その解決を目指しています。