第11回TOGAグローバル大会開催
~よりよい社会は私たちがつくる!~
「パーパス経営」「企業理念経営」が叫ばれる昨今、オムロンにとって、企業理念は壁に掛けておくだけの存在ではなく、実践するものです。創業者・立石一真が1959年に定めた社憲「われわれの働きで われわれの生活を向上し よりよい社会をつくりましょう」、そしてその社憲の精神を受け継いだ企業理念を社員全員で実践することが「オムロンの存在意義そのもの」と捉えています。つまり、よりよい社会の実現に向けて、日々社員が勤しむ仕事自体が企業理念の実践そのものなのです。
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その理念実践を表彰する大会がオムロンにはあります。「The OMRON Global Awards(略称:TOGA)」は、約2万8千人のグローバル全社員を対象とし、自らが企業理念を実践したストーリーをプレゼンする大会です。2012年度から開始し、2023年度で11回目を迎えました。
TOGAの評価ポイント
この大会のポイントは、評価ポイントが「企業理念の実践度合い」にあるということ。つまり、売り上げに直結しないテーマや、まだ成果に繋がっていない技術のテーマなども表彰されるのです。また、TOGAは大会1日で終わるイベントではなく、年間を通じたプログラムであることも特徴です。自分が企業理念実践において何を行うかを「WILL」として設定し、旗を立てて宣言する、実行する、振り返り共有する、共鳴する、というサイクルを通じて社員がチームで取り組むのです。各組織・地域予選のコンテストを経て選ばれたテーマは、年に一度京都で開催されるグローバル大会で、グローバル全社員に共有されます。他チームの取り組みやテーマに対する評価が職場の話題となり、仲間とともに語り合うことにより、共感、共鳴の輪が世界中に広がるのです。
もう一つ重要なことは、TOGAは経営層と社員の対話の場でもあることです。グローバル大会には全役員が参加し、登壇者に対して称賛し質問するため、この対話が社員のエンゲージメント向上にも結び付いています。
代表取締役社長CEO辻永によるオープニングスピーチ
2023年9月21日に開催した第11回TOGAグローバル大会は、コロナ禍を経て4年ぶりに世界各地からゴールド賞・特別賞を受賞した全16チームが京都に集いました。今年度は6,930チーム、50,071人の参加があり、過去11年間の累計は57,740チーム、481,270人に上ります。近年は、社員はもちろんのこと、社外のパートナーにまで共感・共鳴の輪が広がり、顧客やパートナーとともに取り組むテーマが増えています。リアル・オンラインのハイブリッド形式で開催し、延べ1万4千人を超える社員がそれぞれのチームの理念実践ストーリーに共感・共鳴しました。
第11回TOGAグローバル大会 ゴールド賞受賞者
第11回TOGAグローバル大会の開催概要
今年度の開催概要(受賞テーマと発表者)は下記の通りです。
循環型資源へ、包装が繋ぐわたしたちの未来 ~体温計パッケージの挑戦~
オムロン ヘルスケア (OHQ) 松島 美帆
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病院をもっと安全に 危険物質のロボット搬送
オムロン カナダ (OCI) クリストファー バーンズ / ブライアン メイル
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データ活用による経営課題解決に向けたチャレンジ ~鉄道の明るい未来へ~
オムロン ソーシアルソリューションズ (OSS) 加藤 将吾 / 小野 慎也
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「新」レースで、「折」狙って行動︕ 革新アルゴリズムで、新エネルギー分野のモーター生産工程の難関を突破
オムロン インダストリアルオートメーション チャイナ (OEZ) 喬 慶豊
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遠隔診療患者モニタリングシステム「Vital Sight」
オムロン ヘルスケア アメリカ (OHI) ブランドン ハーグ / アドリアーナ ベナッシ
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医療サービスの進化に貢献︕無人搬送システムによるスマート病院実現に向けたチャレンジ
オムロン エレクトロニクス コリア (OEK) キム ダウン
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「グリーン」な部品製造への絶えざるチャレンジ ~プロセスイノベーションで二酸化炭素削減を目指して~
オムロン マレーシア (OMB) ヌール アティカ イザティ / エレックス ヤップ
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オペレーショナル・エクセレンスへの挑戦︕ ~1年以内に中国全土の理財業務を大連へ集約~
オムロン 中国 (OMCC) 馬 雨菡
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顧客と共に気候変動から我々の生活を守る︕
デバイス&モジュールソリューションズカンパニー (DMS) 小島 英明
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新型コロナ1000日の戦い 安全と生産の両立への奮闘
オムロン 上海 (OMS) 王 燕斐 オムロン 大連 (OMD) 夏 菁
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インドにおけるオムロンコネクト&ヘルスギフトの拡大
オムロン ヘルスケア インド (OHS-IN) ギャギャン サクセナ
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省資源・環境保全に貢献するオムロンの防爆認証コンポーネント
オムロン エレクトロニック コンポーネンツ ヨーロッパ (OCB-EU) サミラ アマニ
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「人間性の尊重」の実践でオムロンのブランド価値向上を加速 ~RBA認証 挑戦の道~
オムロン 大連 (OMD) 劉 波 / 徐 洪飛
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人と技術の融和で50年の歴史を変える︕ 安心・安全を守るスマートメンテナンス保守変革
オムロン フィールドエンジニアリング (OFE) 松丸 英樹
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セルヴィエ社とのパートナーシップ ~ポーランド社会における高血圧への意識を高める取り組み~
オムロン ヘルスケア ヨーロッパ (OHE) カタルジバ パティノフスカ / アイバイク カルテキン
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医薬品の品質を守れ︕ ~製薬メーカとオムロンの製造ライン改革~
インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー (IAB) 岩本 夏樹
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上記プログラムより、4テーマを抜粋してご紹介します。
企業理念実践例1)
循環型資源へ、包装が繋ぐわたしたちの未来 ~体温計パッケージの挑戦~
オムロン ヘルスケア 松島 美帆
「包装はゴミだ」と言われた経験から、包装材のあり方に課題感を持っていた松島は、「オムロンの包装を進化させたい」と一念発起。包装が引き起こす海洋・土壌プラスチック汚染や石油資源枯渇などの環境問題に向き合い、脱プラスチックの実行に向けて、営業・企画・デザイン・生産・購買部門など多くの部門と連携し、環境に配慮した体温計の紙製パッケージを企画制作しました。顧客視点と自社の提供価値・訴求ポイント、どちらも重要視し、何度も仮説と検証を繰り返した結果、プラスチックパッケージに劣らない構造の循環型環境配慮紙の包装を完成させ、環境問題の改善に寄与したのです。
企業理念実践例2)
病院をもっと安全に 危険物質のロボット搬送
オムロン カナダ クリストファー・バーンズ、オムロン エレクトロニクス ブライアン・メイル
病院における深刻な労働力不足や院内感染リスクといった課題を解決するため、バーンズとメイルは「モバイルロボットを用いて危険物質搬送を自動化」することを決意しました。手術用メスやハサミなど使用済み医療器具は鋭利で重量があり、滅菌工程における安全な搬送が困難であったり、人手がかかったりしていました。しかし、AIを搭載した自動搬送ロボットを開発して実用化させることで、安全で効率的な滅菌工程を実現しました。パートナー企業や病院関係者の協力があったからこそできた開発です。
企業理念実践例3)
データ活用による経営課題解決に向けたチャレンジ ~鉄道の明るい未来へ~
オムロン ソーシアルソリューションズ 加藤 将吾、小野 慎也
「人々の移動インフラを支える鉄道業界に貢献したい」。コロナ禍で厳しい事業環境が続く鉄道業界に対し、鉄道会社からオムロンに出向中の加藤が目指したのは、より効率的な事業運営。社会システム事業の小野らとともに改札機のデータ、ダイヤデータなどから列車の混雑率と運営状況を独自のアルゴリズムで分析する鉄道データプラットフォームを構築しました。このサービスは複数の鉄道会社で採用され、特に各社の経営において重要なラッシュ時間帯の運営効率化に寄与しています。
企業理念実践例4)
「グリーン」な部品製造への絶えざるチャレンジ
~プロセスイノベーションで二酸化炭素削減を目指して~
オムロン マレーシア ヌール・アティカ
「地球環境にやさしい生産を行いたい」という意思を持った電子部品事業に所属するアティカが、製造、商品技術開発、日本の生産技術センタなど複数の部門と連携して、システム構築や製造プロセス改革によるプラスチック廃棄物やCO2の削減に挑みました。金型製造においてはリサイクル材を起用することによって熱効率が悪くなるなど大きな課題がいくつも浮かび上がりましたが、オムロンのエンジニアリング能力を存分に発揮。その結果、2022年度はプラスチックを150トン削減、CO2換算で500トン以上削減するなど、グリーンな部品製造におけるイノベーションを起こしました。
関連記事:GX事例「グリーン」な部品製造でより持続可能な未来を目指して
オムロンは、これからも企業理念の浸透・実践に注力し、社内外のステークホルダーの皆様との共創を進化させ、よりよい社会をつくってまいります。
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