オムロンが国内製造業初の「EP100」に加盟、2040年までにエネルギー生産性倍増にコミット

顧客やパートナーとともに「カーボンニュートラルの実現」した世界を目指す

気候変動を食い止めるべく脱炭素社会への流れが広がる中、オムロンはエネルギー生産性向上のための国際イニシアチブ「EP100」への加盟を宣言し、カーボンニュートラルの実現に向け新たな一歩を踏み出しました。2040年までに、主力の制御機器事業とヘルスケア事業のすべての拠点においてエネルギー生産性を倍増させることを目標に掲げ、技術やソリューションの提供を通じて、顧客やパートナーを含むバリューチェーン全体のエネルギー生産性向上に取り組んでいます。

329_5.jpgエネルギーを削減しながら、売上成長を実現する「エネルギー生産性向上」

 

社会的課題の解決を目指して

大きな社会変化の過渡期にある世界は今、さまざまな課題に直面しています。オムロンは、今年3月に発表した長期ビジョン「Shaping the Future 2030(以下SF2030)」において、「気候変動」、「個人の経済格差の拡大」、「高齢化」を社会の変化因子と捉え、「カーボンニュートラルの実現」、「デジタル化社会の実現」、「健康寿命の延伸」を成長機会として自ら取り組むべき社会的課題に定めました。
このSF2030の発表に際し、代表取締役社長CEOの山田は、「オムロンは、地球・社会に対する社会的責任を果たすとともに、カーボンニュートラルを自社の競争力へと転換していきます。」と述べ、事業を通じて、脱炭素と環境負荷低減に向けた様々な課題解決に取り組むことを社内外に宣言しました。

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オムロンは、2050年までにカーボンゼロを達成することを宣言した「オムロンカーボンゼロ」の実現に向け、自社の事業活動から排出される温室効果ガス(GHG)を2016年度比で、24年度に53%、30年度に65%まで削減する目標を掲げています。そして、24年度53%削減という目標の達成に向け、日本国内にある全76拠点のGHG排出量をゼロにするための取り組みを進めています。

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こうした中、新たに宣言した、EP100への加盟について、オムロンエレクトロニクス(米州)のCEO兼COOのロバートブラックは次のように語っています。
「EP100への加盟は、私たちオムロンがカーボンニュートラルへの取り組みをさらに推し進め、気候変動問題への取り組みを強化する大きな一歩です。」「私たちオムロンはより良い社会をつくるために、事業を通じて社会的課題を解決する、先駆的企業です。私たちにとって、カーボンニュートラル社会の実現を目指し、環境負荷を低減しながら経済成長を加速させることは、社会における自らの存在意義の一部なのです。」

 

対策が難しい生産設備の省エネを推進

消費エネルギーを削減しながら、経済成長を実現する「エネルギー生産性の向上」は、気候変動対策として非常に重要な取組みです。オムロンは、EP100への加盟に際し、2040年までにエネルギー生産性を2倍にすることにコミットしましたが、これは、ギガワット時(Gwh)あたりの売上高を2倍にすることを意味します。その実現には、自社の製造現場において、生産量を増やしながら、消費するエネルギー量を減らすことが求められます。多くの製造業が工場の脱炭素化を目指し、照明や空調などの設備に対して、省エネ対策を進めていますが、工場のエネルギー消費の7割を占める生産設備に対する省エネは、製品の品質や生産性への影響が懸念され、対策が後回しにされる傾向がありました。こうした中、オムロンは、10年以上前から、綾部工場(京都府綾部市)をはじめとする自社工場において、環境負荷を抑えながら製品の品質と製造現場の生産性を向上させる取組みを行ってきました。例えば、綾部工場では、製造現場で、生産量や品質、エネルギー使用量を常時モニタリングし、継続的にエネルギーを削減する改善活動を実施。品質や生産性とエネルギー効率の向上を同時に実現するアプリケーションを創出し、売上拡大に伴い生産量を35%拡大する一方で、生産ラインの消費電力を15%削減しています。その結果、2010年からの 11年間で、エネルギー生産性を 1.6倍に向上させることに成功しています。

329_4.jpg10年以上前からエネルギー生産性向上に取り組んでいる綾部工場

現在、制御機器事業では、こうした綾部工場をはじめ自社や顧客の工場で培った、エネルギー生産性向上のノウハウを、製造現場データ活用サービス「i-BELT」として進化させ、顧客の製造現場のエネルギー効率や生産性を向上させるソリューションを提供しています。エネルギーと生産性のデータを統合してエネルギー生産性の指標を定め、これまで活用されることがなかった様々なデータを基に持続可能なモノづくりの実現を支援しています。さらに今後は、こうした取組みで得た知見を基に、ヘルスケア事業の国内生産拠点である松阪事業所においても、エネルギー消費量を削減しながら、生産量を倍増させる仕組みづくりに取り組んでいく計画です。

松阪事業所での取り組みを主導するメンバーの一人である、制御機器事業の高市隆一郎は次のように意気込みを語っています。「経済価値を伴った社会価値の創造に向け、私たちは、ヘルスケア事業との取り組みで培った技術とノウハウを活用し、製造業のエネルギー生産性の向上をリードしていきます」

 

事業を通じた「カーボンニュートラル実現」への取り組み

さらにオムロンでは、制御機器やヘルスケアと並ぶ注力事業である、社会システム、電子部品の各事業においても、「カーボンニュートラルの実現」に向け、革新的なソリューションの開発や提供に取り組んでいます。
社会システム事業では、太陽光発電システムで使用されるパワーコンディショナーや蓄電池の普及・導入を進めています。現在までに、太陽光発電システムの累計出荷容量は1,080万kWに達し、今後は、これまで培ってきたエネルギー制御技術により、発電の不安定さを解消し、再生可能エネルギーのさらなる普及に貢献しようとしています。
また、電子部品事業では、様々な機器の省エネルギー化に貢献する電子部品の技術・商品開発を加速。地球環境に優しい脱炭素商品を提供することで、GHG排出量削減に貢献しています。例えば、平均気温の上昇に伴い需要が増加している空調設備の製造工程で発生するGHG排出量の削減に貢献する電子部品など、さまざまな分野でカーボンニュートラルを実現するデバイス群の創出に取り組んでいます。

 

顧客やパートナーと共に目指す持続可能な社会づくり

代表取締役社長CEOの山田は、EP100への加盟に際し次のように述べています。
「脱炭素や環境負荷低減といったサステナビリティへの取り組みは、私たち人類にとって待ったなしの課題であると同時に、オムロンにとって大きなビジネスチャンスでもあります。オムロンは地球・社会に対する企業の社会的責任を果たすとともに、カーボンニュートラルを自社の競争力へと転換し、バリューチェーンの付加価値をさらに向上させ企業価値の向上に努めてまいります。」

気候変動問題は、オムロンが一社単独で解決できるものではありません。2022年11月6日より開催されている気候変動枠組条約締約国会議(COP27)で締約国間の合意が急がれる中、オムロンは気候変動対策の加速に向け、リーダーシップを発揮し、バリューチェーン全体を通じて顧客やパートナーとともに、よりレジリエントで持続可能な社会の実現に取り組んでいきます。

イギリスに本部を置く国際環境NPO法人「The Climate Group」が主催し、事業活動におけるエネルギー生産性を倍増させること(省エネ効率を50%改善等)を目標に掲げる企業が参加する国際企業イニシアチブ。 EP100は、"100% Energy Productivity" の略称、事業のエネルギー効率(Energy Productivity)を倍増させることを意味する
エネルギー消費に対する経済的生産性の比率。分母にエネルギー消費の絶対量を、分子に売上高や付加価値額を置いた指標で、エネルギーの使用量削減と経済事業成長の両立を目指したもの
GHG=Greenhouse Gas (温室効果ガス)。自社領域から直接的・間接的に排出されるGHG (Scope1,2)

人の知見を機械に組み込む「Sensing & Control + Think」技術。

この技術の最新動向をお届けします。

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