キャパシタを利用した世界最大級の新エネルギー活用システムを構築
- 2006年10月31日
- オムロン株式会社
オムロン株式会社は、地球環境保全への貢献を目的として、主力生産拠点である草津事業所(滋賀県草津市)内に、電気二重層キャパシタ(以下、キャパシタ)を利用した蓄電装置としては世界最大級の容量となる新エネルギー活用システムを構築しました。11月1日(水)からシステムを本格稼動させます。
本システムは、太陽光パネル(注1)で発電した電力を商用電源とともに事業所内の照明用電力として使用し、余力電力を9kWhの容量を持つキャパシタ蓄電装置に蓄電します。蓄電した電力を太陽光発電の少ない雨天・曇天時や夜間に使用することにより、本システム全体では草津事業所3号館で使用する電力の約10%を賄います。
昨今、化石燃料の枯渇や温室効果ガスによる地球温暖化の進行といった問題を背景として、太陽光、風力、バイオマスなどの新エネルギーの導入が進められています。しかし、これらの新エネルギーは出力の安定性に課題があり、大量導入の妨げとなっていました。このため、当社は鉛蓄電池やリチウムイオン電池では充電不可能な微弱な発電電力でも蓄電可能であり、また充放電効率が高いというキャパシタの特性を活かし、株式会社パワーシステム製キャパシタシステム「wellgeo®」(注2)を蓄電装置として利用。日照状態によって変動する発電電力に応じてキャパシタで充放電し、出力の平準化・安定化を図っています。
この他、システムの特長として、太陽光パネルで発電した電力量と館内の電力使用量を監視し、蓄電と給電をバランス良く制御する「電力クラスタ」(当社製、2基)を設置して、新エネルギーを無駄なく活用します。また、太陽光パネルで発電した直流電流を館内で用いる交流電流に変換する装置として、「パワーコンディショナ」(当社製、22台)を設置しています。
今後、当社では草津事業所でシステムを実証運用しながら、新エネルギーを有効活用するための技術やノウハウを蓄積し、地球環境保全に貢献する製品やサービスの創出に努めます。
(注1)
最大出力100kWの太陽光パネルを草津事業所3号館(今年5月に竣工)の屋上に設置しました。太陽光パネル全体の大きさは42m×21mです。
(注2)
「wellgeo®」は、岡村研究所代表取締役の岡村廸夫氏が1992年に発明した次世代蓄電システム「ECaSS®」(Energy Capacitor Systems)を利用した株式会社パワーシステムの製品ブランドです。キャパシタおよび周辺電気回路を改良することで、従来のキャパシタで不十分とされていた実効蓄電容量を飛躍的に高めています。鉛などの有害物質を使用せず環境に優しい技術であることに加え、グローバルレベルでのエネルギー・環境問題の解決に寄与する高効率なエネルギー利用を進めるものとして期待されています。
キャパシタバンク
製造メーカ | 株式会社パワーシステム |
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最大蓄電容量 | 1.5kWh/1バンク |
設置台数 | 6バンク |
従業員数 | 合計9.0kWh |
業種 | 60モジュール/1バンク(注3) |
操業開始 | 幅1000×高さ1850×奥行1300mm (基礎ベース除く) |
(注3)
キャパシタ6モジュール = キャパシタ1ブロック
キャパシタ10ブロック = キャパシタ1バンク
パワーコンディショナ
製造メーカ | オムロン株式会社ム |
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設置台数 | 4.0kWタイプ×20台 5.0kWタイプ×2台 |
外形寸法 | 幅460×高さ280×奥行135mm(4.0kWタイプ) 幅480×高さ300×奥行155mm(5.0kWタイプ) |
電力クラスタ
製造メーカ | オムロン株式会社 |
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設置台数 | 2基 |
キャパシタ充放電ユニット | 3kW×3台(計9kW) |
電力インターフェースユニット | 10kW×2組(2台/組)(計20kW) |
太陽光発電ユニット | 10kW×2台(計20kW) |
商用給電ユニット | 10kW×2台(計20kW) |
太陽光パネル
製造メーカ | 株式会社京セラソーラーコーポレーション |
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設置台数 | 100kW |
外形寸法 | 560枚(178.6W/枚) |
パネル寸法 | 1枚 1290×990mm |
パネル設置面積 | 42×21m=882㎡ |
- 詳細お問い合わせ先
- オムロン株式会社
コーポレートコミュニケーション部長 生越 多惠子
TEl : 075-344-7175