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企業と地域で未来をつくる。オムロン社員のボランティア活動を通じた社会貢献活動

~社会貢献活動「+1目標」達成への道~

近年、企業による社会貢献活動は、企業の社会的責任の一環として、ますます重要になっています。都市部と地方の教育格差、社会的弱者の雇用問題、人手不足...。オムロンでは、こうした各地域に存在する社会課題に対して、世界中の社員によるボランティアという形でも解決しようと取り組んでいます。企業と地域でよりよい未来をつくる。オムロンの社会貢献活動に迫ります。

目次

  1. はじまりは、自分たちから
  2. 世界中で広がる「+1目標」の輪
  3. 各リージョン定める「+1 目標」 とその取り組み
    3-1. 米州
    3-2. 欧州
    3-3. アジア
    3-4. 中華圏
    3-5. 韓国
    3-6. 日本
  4. 社員からのメッセージ

 

はじまりは自分たちから。社員が自ら目標を設定し、地域に根差した社会貢献活動を宣言

オムロンは、長期ビジョン「SF2030」において、社会価値と経済価値を創出し、企業価値を最大化させることを目指しています。そこでは、"持続可能な社会の実現に向けて、社会に価値を提供し続ける企業であることを目標にする"、という社会に対するコミットメントを明確にするため、財務目標に加え、10+1の非財務目標を経営目標として掲げています。

そのうちの「+1」の目標は、オムロンのサステナビリティ方針に則り、各リージョンがそれぞれの地域社会に対して行動することを宣言したものです。

本社から一方的に定められた目標では、本当にその地域に合った社会的課題の解決につながらないこともあります。地域の社会課題を解決するためには、現地の社員達が自ら考え、自律的に地域とともに解決のアクションを重ねていく必要があります。

そこで、オムロンでは社員の自主性を原動力とし、各地域に根差した社会貢献活動を推進しています。

10+1の非財務目標を経営目標詳細はこちら(統合レポート2023)

 

世界中で広がる「+1目標」の輪。インド・中国の社会貢献活動取り組み事例

オムロンの「+1目標」の輪は、30以上の国・地域に広がっています。

約14億3千万人と世界最大の人口を擁するインドでは、所得格差や地域間格差が大きく、深刻な環境問題も抱えています。
同国で制御機器の販売・マーケティングを担うオムロン オートメーションインディアでは、社員が健康増進やスキルアップなどの目標を設定し、目標に向かってアクションした社員にポイントを付与するプログラム「サステナビリティ・ヒーローズ」を展開。
社員が獲得した合計ポイントが500ポイントに達するごとに1本植樹する仕組みで、社員の目標達成と共に環境保全にも貢献しています。プログラム開始から約半年間で30本以上の植樹が実施されました。

14億の人口を擁する中国では、全国民への平等な教育機会の提供は、国家の最重要課題のひとつです。
2022年の調査*では、農村部の小学生児童は本の所有数が少なく、都市部と農村部で子供の読書機会に格差があることが明らかになりました。
オムロン中国は、中国光華科技基金会と協力し、農村部における教育水準の向上・活性化を目指した公益プロジェクト 『Fostering Fairness in Education and Brightening the Child's Heart』を立ち上げ。その基金を通じて、2022年度は剣閣県の小学校に21068冊、貴州省貞豊県にある小学校に23,913冊の本を寄贈しました。

気候変動による深刻な森林火災が続くアメリカ・カリフォルニア州北部では、森林火災で被害を受けた復旧活動や植林を実施しています。

こうした地域ごとの社会課題に寄り添った活動を広げ、よりよい社会の実現に挑戦し続けています。

*「 2022年 農村部の小学生の読書の実態調査報告書」Nanwang Zhixing Education, Development Fund and Chinese Academy of Press and Publication

 

各リージョンが定める地域社会に対するコミットメント「+1 目標」 とその取り組み

オムロンは世界中の全社員がボランティアを通じて社会課題の解決に取り組んでいます。
ここからは各リージョンが実際に行った「+1目標」の取り組みの一例を地別にご紹介します。

米州:各地域特有の課題に根差したボランティア活動

米州でのボランティア活動レポート(写真左)アメリカ・カリフォルニア州北部で、森林火災で被害を受けた土地の復旧を支援
(写真中)カナダ・モントリオールで「Moisson Montreal」の活動に参加し、食料難を抱える地域に寄贈する食品の包装作業を支援
(写真右)メキシコ・メキシコシティで障がいを持つ人々の支援を行う財団に、コンピューターを寄贈するとともに、財団の活動を支援する募金活動を実施

アメリカ FY23:
-20名のオムロン社員達が、Cradles to Crayonsが主催する「Ready for Learning」イベントに参加。恵まれない地域の子どもたちに学用品を1,000個のリュックサックに詰める作業を支援。
-バーモンド州 Hinesで開催された退役軍人向けのSummer Cookoutとコンサートイベントを支援。オムロンの社員が率いるバンドが野外演奏や、参加者とその家族に夕食を提供。
- OMRON Engineeringの研修生が、世界中の食料難に苦しむ子どもたちに食料を提供する「Feed My Starving Children」が主催する食品包装イベントに参加。
-オムロンのOCBマーケティングチームが、知的発達障害者支援施設Clearbrookで入居者と一緒にクリスマスホリデイの飾り付けを実施。ゲームをしたり、クリスマスキャロルを歌ったりして、ホリデイを楽しく過ごす。
小児緩和医療のための募金活動と啓発活動を行う、HAP財団主催「Butterfly Run 5k race」の参加者にエールを贈る。
カナダ トロント FY23:
-トロントの社員21名が、環境保護を目的にした非営利団体「A Greener Future」の協力のもと、Bluffers Park Beachの清掃イベントで3,241個のゴミを収集。
- OCIトロントの社員とその家族が、Sunnybrook病院で開催された「Operation Raise a Flag」イベントで、退役軍人を称える3万本の旗を立てることを支援。
- OCIトロントの社員達は、家庭内の問題に苦しむ女性や子どもたちを支援する団体Red Door Shelter向けに、年末年始にToy driveを企画。50個以上のおもちゃを寄付。
カナダ モントリオール FY23: OCIモントリオールの社員達が、Moisson Montréal food bankで、冷凍インゲン、カリフラワー、ニンジンを3,080食分の袋詰め支援。約1,000世帯に栄養ある食事を提供。
メキシコ FY23:
-社員達が、Entrelazadasで差別に悩む女性を支援。
- 社員達が、La Casita de San Ángelを訪問。知的障がいのある人たちに技能を教えることを目的としたワークショップに参加。
-社員達は、La Magi De Ayudarでサンタへの手紙に書かれた子どもたちの願いをもとに、プレゼントを贈る。
ブラジル FY23:
-社員達が、貧困家庭を支援するため、Jundiaí市にある「Casa Transitória」で衣料品を寄付。
-社員達が、Campinas市にある「TETO」と協力し、住居がない家族向け仮設住宅建設を支援。
-社員達が、サンパウロにおける社会的弱者支援資金集めを目的に、フォカッチャとクッキーづくりを支援。

 

欧州:障がい者や社会弱者のエンプロアビリティの向上をサポート

欧州では障がい者や社会弱者(難民、マイノリティグループ)のエンプロアビリティ*の向上をサポートしています。

*エンプロアビリティ(employability):雇用され得る能力

欧州での社会貢献活動レポート(写真)40人を超える工業高校生がOBI工場を見学

イタリア ローマ 40人を超えるイタリア・ローマの工業高校生、OBI工場見学ツアーに招待。若者の教育・就労環境間のギャップ縮小に貢献。
欧州地域 FY22:スキルや教育、雇用機会が十分でない多様な人財に対して、インターンシップ、研修、教育、採用などを実施。

 

アジア:就労能力を高めるためのインターンシッププログラム

環境課題に向けた植樹・植林活動や、障がいのある人や恵まれない人に向けたインターンシッププログラムなど実施しています。

アジアでの社会貢献活動レポート(写真左)インドでの植樹活動
(写真中)シンガポールでThe Food Bank Singaporeと協力して募金活動を行い、恵まれない家庭に食料を配布
(写真右)フィリピンで、献血イベントを開催

インド 社員一人ひとりが健康増進やスキルアップなどの目標を設定し、日々目標に向かってアクションした社員にポイントを付与する独自のプログラム「サステナビリティ・ヒーローズ」を展開しています。このプログラムは、社員が獲得した合計ポイントが500ポイントに達するごとに1本植樹する仕組みで、社員の目標達成と共に環境保全にも貢献。プログラム開始から約半年間で30本以上の植樹が実施されました。また、23年度はインド全オフィスで寄付とNGO訪問活動を実施。
シンガポール FY22は、The Food Bank Singaporeと協力して募金活動を行い、恵まれない家庭に食料配布。
FY23は、136名の社員がチャリティ・ラン「Race for good」に参加。
ベトナム 近隣のビーチの清掃活動。
2024年1月、日用品、食料品、衣料品を寄付。また、NGO団体(ハノイのSOS Children's VillageとホーチミンのTam Binh Children's Nursing Cente)を社員が訪問。
フィリピン FY22は、赤十字社と協力し、世界献血者デーに、献血イベントを開催。
FY23は、植林(洪水や台風への対策)河川の清掃活動。
インドネシア 2022年12月に全BC、本社機能部門が献血活動。オムロンマニュファクチャリングインドネシア(OMI)では、110Lの献血実施。
タイ FY22は、保育園に食品や備品寄贈。
FY23は、昨年の活動に加え、タイでは老人ホームへの医薬品や備品寄贈。マングローブ植林に117人の社員参加。
マレーシア 畜産施設支援に60人の社員が参加。OMB Green CSR Programでは、161人の社員がゴミの分別を支援し、10本の木を植え、リサイクル用のゴミ箱を寄贈。
APAC地域 3/22(世界 水の日)に、APAC社員が青い服に着替えて、水を大事する啓蒙イベントを開催。
インド・チェンナイ Penguin Sports Welfare Trustを訪問し、学生たちに教育必需品を配布。
インド・アフマダーバード 120人の身寄りのない高齢者を収容する老人ホーム、Jeevan Sandhyaを訪問。
インド・プネ Mamta Foundation for Blinds & Orphansを訪問し、子供たちに必需品を配布。
インド・グルグラム 恵まれない人々や、家族から疎外された慢性疾患を持つ人々を支援するNGO、Earth Saviours Foundationを訪問。
インド・ムンバイ ホームレスの子どもたちに宿泊施設を提供しているSnehsadanを訪問。
インド・ベンガルール 障害児の福祉を目的とするNGOMathrushree Manovikasa Kendraを訪問。

 

中華圏:学校への図書、パソコン、文房具等の寄付

貧困エリアでの教育格差を是正するため、中華圏では学校への図書室の設備やパソコンの寄付などを行っています。

中華圏での社会貢献活動レポート(写真左・中)中国農村部の学校に約45,000冊の本を寄贈
(写真右)剣閣県実験学校に図書や文房具を寄贈。社員達も子供達に塗り絵などをレクチャー

中国 FY22:中国光華科技基金会と協力し、農村部における教育水準の向上・活性化を目指した公益プロジェクト 『Fostering Fairness in Education and Brighteningthe Child's Heart』を立ち上げ。基金を通じて、中国農村部の学校に約45,000冊の本を寄贈。剣閣県の小学校に21,068冊、貴州省貞豊県にある小学校に23,913冊。
中国 四川省 FY23:四川広元市の剣閣県にPC・健康機器の寄贈、剣閣県実験学校に計100万元(2,000万円)相当の図書を寄贈。また、中華圏ほぼ全拠点が社員から募集したや文房具を加え計5万点以上を寄贈。
社員アクティビティ:エリア内主要法人9社の法人長と社員代表たち約30名が学校に行き、子ども達に塗り絵や健康管理などを教える。

 

韓国:健康増進、人手不足解消、経済的弱者支援に繋がるボランティア活動

韓国では独居老人や住居脆弱階層の支援に対する人手不足が深刻化しています。オムロンからは日常生活に要する備品寄贈や無料給食所の補助スタッフを派遣しています。

韓国での社会貢献活動レポート(写真左)住居脆弱階層や独居老人向け給食所で、無料給食の配膳作業を支援
(写真中)給食所内の清掃
(写真右)寄贈した血圧計の使用方法をレクチャー

韓国 ソウル FY22:住居脆弱階層や独居老人向け給食所への寄贈・支援活動に、95%の社員が参加。
場所:カリタス(CARITAS)総合社会福祉館内にある無料給食所「愛の食堂」
備品寄贈:
・病院用血圧計(HBP-9030)1台
・風邪薬などの非常薬100箱、絆創膏3000個
・給食所が必要としていたおやつや備品(豆乳 2,400パック、ニトリル手袋15,000枚)
社員アクティビティ:食材の準備や調理、配膳、皿洗い、血圧測定方法のレクチャー、掃除などの支援。

 

日本:リモートの活用による、どこからでも参加できる地域社会貢献の整備

日本においては、年間約300件の地域貢献活動にオムロン社員が参加しています。

日本での社会貢献活動レポート(写真左)河川の清掃活動
(写真中)リモート参加できるSDGs教育プログラム
(写真右)フードドライブ活動で寄贈された食品

日本 FY22:約300件の取り組みが実施され、7,000名を超える社員が地域貢献活動に参加。
主な社員アクティビティ:清掃活動、美化活動、リモート参加のSDGs教育+リサイクル活動、フードドライブなど。

 

社会貢献に取り組む社員からのメッセージ

「すべての人が、働き、社会に貢献することを通して、幸せになる権利がある。
それをサポートできることが私たちの喜び」

Jennifer Veenstraさん OMRON Europe B.V. HR Vice president

Jennifer Veenstraさんの写真欧州地域では、「障がい者や社会弱者*のエンプロアビリティ(雇用可能性)の向上をサポートする」という「+1目標」を掲げ、社員が地域社会への貢献に向けて活動しています。

2022年は、スキルや教育、雇用機会が十分でない多様な人財に対して、インターンシップ、研修、教育、採用などを行いました。

こうした人財の能力開発には時間も労力もかかりますが、諦めずに精力的に取り組んでいます。

+1目標は、私たちに人々の苦しみに気づかせてくれ、地域と一緒に新しい未来をつくることができる素晴らしい仕組みです。すべての人には、働き、社会に貢献することを通して、幸せになる権利があります。各人のスタート地点の違いに応じて支援する「公正性」が大切される社会にしていきたい。

そんな思いで私たちは自ら、このテーマに+1目標として向き合うことを決め、今後も厳しい環境に身を置く人財に寄り添い、支援を進めていきます。

全ての人にとって持続可能で、幸せな未来をつくっていく。+1目標の取り組みは、これを実現していく、オムロンの絶えざるチャレンジの一つです。

*難民、マイノリティグループなど

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