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世界最大級のマスクメーカーとなったBYD社をサポートしたオムロン中国の挑戦

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コロナ禍での「社会的課題」の解決(3)

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2020年1月、中国国内で新型コロナウィルス感染症が猛威を振るうなか、マスクなどの防疫用品の不足が一気に拡大しました。世界中に約22万以上の従業員を持つ、中国でも有数の電気自動車(EV)メーカー BYD(比亜迪)社は、1月末にマスク製造に乗り出すと表明後すぐに、マスク生産ラインの設計が始まり、今では日産1億枚もの生産能力で世界中にマスクを供給しています。オムロンはBYD社にとって初めてとなるマスクの生産に、一緒になって取り組み世界中で不足していたマスクの生産の早期立ち上げを実現。今回は、感染症拡大防止に向け圧倒的なスピードと規模が求められたオムロン中国の挑戦について紹介します。

BYD社はEVや、EVの基幹部品であるバッテリー・電子システムの製造を中心とするメーカーです。これまでマスクを生産した実績はありませんでしたが、生産設備の設計図 400枚をなんと3日間で作成し、7日間で開発・製造。30日足らずで100台の装置が稼働する製造ラインを構築しました。5月中旬には生産能力は日産5000万枚を超え、現在では1800の生産ラインで日産1億枚の生産が可能な世界最大級のマスクメーカーとなったのです。

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マスク生産ライン
 
BYD 社製マスク

このような桁違いの取り組みにおいて、オムロンは二つの課題に直面しました。一つはコロナ禍の中で顧客先へ訪問ができず、直接話してご要望をお伺いし、現場を確認して課題を把握するといった、これまで当たり前にやっていた対応ができないこと。そして、工場の稼働や物流などが制限される中、ライン製造に必要な数の制御機器を納期通りに供給することでした。
今回のラインでは、マスクのシートの張力制御、裁断制御、包装制御でオムロンのコア技術と制御機器が使われています。まず顧客先への訪問ができないために、営業と、製造現場の課題をお客様と共に解決するオートメーションセンターの技術スタッフが一丸となって、オンラインビデオ会議やテレワークで手厚くサポートすることで、計画内容の実施と技術的課題の解決を実現しました。

また製品の納期については、受注した大量の製品を注文後3日~5日以内に納品する必要がありましたが、営業と製品担当、物流担当が緊急対応で調整して短納期での対応を行いました。また協力会社の工場停止などで製品に使う部品が不足して納期を間に合わない場合は、納期に合わせた他の部品で代替することで納期の課題を解決しました。

このようなコロナ禍の困難な状況下でオムロン中国の営業担当 張鴻義を支えたのは、「企業は社会の公器である」というオムロンが大切にしている考え方です。これは、「企業は社会に役立ってこそ存在価値があり、利潤を上げることができ、存続していける」という創業者・立石一真の信念を表しています。オムロンはこの考えを企業理念として受け継いでいます。

BYD社のマスクはEUのCEマークをはじめ、米国食品医薬局(FDA)の緊急使用承認(EUA)、米国労働安全衛生研究所(NIOSH)の認証を取得し、中国の緊急感染予防ニーズを満たした上で、日本、米国、イタリア、ブラジルのほか、感染状況が深刻な国と地域に輸出されています。

張はこう語ります。「世界最大級のマスクメーカーとなったBYD社の生産ラインのすべては自家製で、N95マスク、KN95マスク、平面マスクを製造しており、大量の需要を満たすことが可能です。BYD社のすべてのマスク製造ラインでオムロン製コントローラーが使用されており、コロナウィルス感染症の拡散防止をサポートすることで、社会に貢献したい。オムロンの企業理念を実践することで、企業としての社会的責任を果たしていきます。」

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今回のテーマを担当した
オムロン中国の担当営業 張鴻義

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