We are Shaping the Future! 私たちが手繰り寄せる未来ストーリー
コロナ禍での「社会的課題」の解決(4)
新型コロナウイルス感染防止策として病院はもちろんのこと、空港やホテル、オフィス、学校などでも除菌や消毒作業のニーズが、世界中で高まっています。その一方で、除菌や消毒作業にあたる作業員への肉体的・精神的な負担が社会的な問題になっています。除菌作業中の感染を防ぎ、作業員を重労働から解放し、みんなの健康と安全を守るために、世界中で活躍するオムロンのロボットを紹介します。
コロナ禍での「社会的課題」の解決 シリーズ一覧
スペインのオムロン社員が人工呼吸器開発プロジェクトに参画
コロナ禍でも「医療用吸引器の提供を止めない」。イタリアのオムロン社員の挑戦
世界最大級のマスクメーカーとなったBYD社をサポートしたオムロン中国の挑戦
消毒作業を自動化する紫外線光照射器ロボットで、みんなの健康と安全を守る
ホテル業界の課題解決に見る、常に進化し続ける社会的ニーズ実現の姿勢
"ニューノーマルな駅サービス"を実現した駅オートメーション
除菌に従事する作業員は、感染症リスクを抑えるために、ヘアキャップ、マスク、防護服を着用し、厳重に全身を覆ったうえで、消毒作業にあたります。アルコールを付けたタオルで手すりや壁など、人との接触がありそうな場所を拭く作業を、総合病院などでは医療従事者と同様、半ば24時間体制で行います。くわえて、作業員自身はいつ感染するかわからない恐怖とストレスを抱えながら働いています。また、紫外線(以下、UVC)光は照射されたものの表面を除菌できるとされていますが、強いUVC光は人の肌や目に悪影響となるリスクがありました。
こうした現場の課題を解決するために、ロボットを使用して除菌、消毒作業の自動化を実現しているのが、UVC光照射器ロボットです。オムロンは世界中のパートナー企業*¹が、オムロン製の自律走行可能なモバイルロボット「LDシリーズ」に、UVC光照射器を搭載したロボットを開発することを支援しました。場所やルート、作業時間を設定することで、病院、学校などの公共スペースを効率的に、UVC光を自動で照射して除菌を行います。オムロンのモバイルロボットを使うことで消毒作業の自動化ができ、人体に影響のあるUVC光を作業者が扱うことなく、作業時の二次感染も防げるため、作業員の安全確保、負荷軽減保といった課題を解決し、各種感染症拡大の防止に貢献します。
UVC光照射器ロボットは、ポーランド、フランス、カナダやブラジル、メキシコをはじめ、すでに10か国以上*²で使用されています。
パートナーとの開発に取り組んだ、オムロンヨーロッパのブルーノ アダムは、開発への想いを次のように話しています。「パンデミックは大きな社会的課題です。この課題を解決するにあたり、ロボットによる自動化やUV消毒などの最先端の技術を活用していくことが重要です。UVC光照射器ロボットは、安全性を向上させ、規制に準拠しながら、作業員の負担を軽減します。オムロンとオムロンのパートナーは、引き続き顧客現場の課題を正しく把握し、課題に応じた最新の技術・アプリケーションの情報と導入のアドバイスを提供していきます。」
オーストラリアでは、滅菌装置メーカと連携し、病院内で使用済みの医療器具をいれたトレイを滅菌装置に届け、殺菌済みの医療器具を手術室や診察室に届けるための運搬作業の自動化に、オムロンのモバイルロボットを使用しています。医療器具を入れたトレイは重さ120kgほどにもなり、滅菌装置への運搬作業は、病院スタッフの重労働になっていました。医療器具の運搬作業の自動化は、コロナ禍における感染リスク対策にくわえて、病院スタッフの作業負荷を軽減し、手術器具など使用済み医療器具の運搬中のけがや院内感染リスクからも守ることで、病院スタッフの労働環境を改善します。
オムロンは、新型コロナウイルスをはじめとした各種感染症リスク低減へ貢献するために、作業員の安全確保や、作業負荷軽減に対応することが、長年ものづくりや医療業界、社会システム事業に携わってきた企業の社会的責任と捉え、ひきつづき、社会的課題の取り組みにチャレンジしてまいります。