若手エンジニアがあえて地元の中小企業を選ぶワケ 元局アナが取材!~物をつくるためのモノをつくる「小人の靴屋プロジェクト」~

「人が活きるオートメーションで、ソーシャルニーズを創造し続ける」 これはオムロンの長期ビジョン「Shaping the future 2030」のステートメントだ。この「人が活きるオートメーション」とは一体どういうことなのか。石川県金沢市に本社を置く「有川製作所」がオムロン製協調ロボットの導入でこの概念を体現しているという。秘密を探るべく突撃取材した。

 

若手エンジニアにインタビュー「"物をつくるためのモノをつくる"クリエイティブさがやりがいに」

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半導体の実装機器などに組み込むプレス加工品の製造や金型の設計・製作を行うメーカー「有川製作所」。2021年10月に期待の若手人財が入社した。システムエンジニアの竹内雷さんだ。学生の頃は中小企業の工場に対して「ずっと同じ単純作業の繰り返しをしている」というイメージを持っていたためこの会社を就職先の候補には入れていなかったそう。しかし、有川製作所が協調ロボットを"自社で"プログラミングし、生産ラインの自動化を図ろうとしていると聞き「自分もその一翼を担いたい」とトキめいたという。入社して2年。「あれも、それも、このロボットも、自分がプログラミングに携わった」と誇らしげな表情を浮かべながら自身がシステムを組んだロボットの性能を熱く語る。竹内さんは「"物をつくるモノをつくる"というクリエイティブさにやりがいを感じている」と目を輝かせていた。

 

 

「まだ人の手で作ってるんですか?」学生の一言で始まった小人の靴屋プロジェクト

有川製作所の社長、有川富貴さんは多品種少量生産で高品質なものをつくるのには人の手でつくるのが一番と考えていたが、2017年に開催した企業説明会である学生と出会ったことで衝撃を受ける。「まだ人の手でつくってるんですか」と言われたからだ。これまでと同じやり方では若い人財に選ばれる魅力的な職場たりえないのだと知った瞬間だった。

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有川社長は2020年、人手が足りないプレス加工の生産工程にオムロン製の協調ロボットを導入。このロボットを活かした生産ラインの自動化システムの構築を"自社で"行う仕組みにしたことでシステムエンジニア志望の若手人財が集まってくるようになった。のちに有川社長はこの取り組みを、寝ている間に小人が靴を作ってくれる童話になぞらえ「小人の靴屋プロジェクト」と命名。2年連続ゼロだった採用実績が導入後の3年間で7人入社するまでになった。有川社長は「他の企業が自動化に着手するきっかけになりたいし、同じように導入を決めた企業と新しいシナジー効果をつくりだしていくことができれば」と意気込む。

 

機械にできることは機械に任せ、人間はよりクリエイティブな分野で仕事をする

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オムロンの創業者 立石一真が「機械に出来ることは機械に任せ、人間はより創造的な分野での活動を楽しむべきである」と言葉を残しているように、「繰り返しの単純作業は機械に任せ、人間はよりクリエイティブな創造の分野で仕事をするべきだ」とオムロンのソリューション営業本部長 伊達勇城は訴える。オムロンはこれからも「人が活きるオートメーション」で中小企業が抱える課題解決や製造業の発展に取り組んでいく。それが次世代の担い手不足に悩まされている日本の製造業の課題解決、ひいては日本企業がグローバルで戦うための大きなキーになるはずだ。

 

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リポーター

藤尾 悠(ふじお ゆう)
ブランドコミュニケーション部 エクスターナルコミュニケーションユニット メディアコミュニケーション担当
2023年5月にオムロンへ入社。前職では6年間、高知県のテレビ局でアナウンサー・記者・ディレクターとして報道番組や情報番組を担当。
現在、オムロンの魅力をジャーナリスト目線で発掘、社内外に発信中。

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