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サプライチェーンのGHG排出量を把握する実証実験を開始 ―企業間の情報連携に向け、日本の製造業として初めて「Catena-X」と接続―

  • 2024年01月29日

オムロン株式会社(本社: 京都市下京区、代表取締役社長 CEO: 辻永 順太 以下オムロン)は、脱炭素社会の実現に向け、製品サプライチェーンのカーボンフットプリント(以下、CFP)の見える化に向けた実証実験(以下、実証実験)をNTTコミュニケーションズ株式会社(本社: 東京都千代田区、代表取締役社長: 丸岡 亨、以下NTT Com)、コグニザントジャパン株式会社(本社: 東京都千代田区、代表取締役社長: 村上 申次、以下 コグニザントジャパン)、株式会社ソルティスター(本社: 長野県塩尻市、代表取締役: 岩井 昇一、以下 ソルティスター)と行います。本実証実験を、2024年1月31日~2月2日に東京ビッグサイトで開催される「IIFES2024」のオムロンブースで紹介します。

本実証実験では、オムロンが自社やお客様の製造現場で蓄積してきた制御技術とパートナー各社の技術を活かし、CFPの算出に加え、エネルギー使用量の削減とモノづくりの生産性や品質を高め生産量を向上させる「エネルギー生産性*1向上」を実現するプラットフォームの創出に取り組みます。国際標準に準拠した企業間データ連携を想定し、日本の製造業として初めて、グローバルデータ流通基盤「Catena-X」に接続します。各生産工程から自動収集した設備の稼働状況や電力をはじめとする生産現場データをクラウド上で管理し、一製品ごとのサプライチェーンにおけるGHG*2排出量を把握するための実証を行います。

サステナブルな社会の実現に向け、世界で脱炭素化に向けた動きが加速し、各国で地球環境の保全に向けた取り組みが進んでいます。こうした中、製造業各社には、品質と生産性を維持しながら、脱炭素化の要請に応えるべく、製品のサプライチェーン全体におけるGHG排出量を削減することが求められています。その実現には、自社から排出されるGHG(Scope1・Scope2)にとどまらず、自社以外で発生するGHG(Scope3)を把握しなければなりません。しかし、効果的な収集・分析手法は未だ確立されておらず、各製品のGHG排出量の算出には約1年もの期間を要することも多く、各社が脱炭素化に取り組む上で大きな課題となっています。

これまで、オムロンはサステナブルなモノづくり現場の実現に向け、10年以上にわたって生産性や品質の向上と環境保全の両立に取り組んできました。本実証実験を通じ、各領域で強みを持つパートナー各社と共創することで、さまざまな製品サプライチェーンに応用可能なデータ収集の自動化やGHG排出量の算出方法の標準化、現場改善の効率化を目指します。製造業におけるカーボンニュートラル推進に貢献する枠組みを創出し、企業価値のさらなる向上を目指します。


オムロン IABカンパニー 商品事業本部 i-Automation! 事業推進センター長 山川健太は、次のように述べています。
「各製品のCFPを継続して改善するためには、さまざまな現場データを安心・安全に収集し、クラウド上で企業間のデータを統合・分析できる環境を整備し、各現場の改善につなげることが重要です。生産現場における制御の知見を有し、現場の可視・分析にも強みを持つオムロンが、各領域のプロフェッショナルであるパートナー企業との共創をリードしていきます。サステナブルな社会の実現に向け、各社の知見を結集した、革新的なエコシステムの創出を目指します。」

NTTコミュニケーションズ イノベーションセンター担当部長 境野哲は、次のように述べています。
「製造業の現場で稼働するさまざまな装置などから集めた情報を分析・活用するためには、安全・安心なIT接続が必要不可欠です。IT領域に精通したNTTコミュニケーションズの豊富な知見を活かし、持続可能な社会に貢献するソリューションの創出に向けた、大きな一歩に貢献できることを嬉しく思います。さまざまなお客さまが安心してご利用いただける、グローバル企業間データ連携の実現に向けて取り組んでいきます。」

コグニザントジャパン 代表取締役社長 村上申次は、次のように述べています。
「気候変動や資源枯渇、データ、テクノロジー、コラボレーションへの対応が急務とされる中、単に環境に優しい「ライトグリーン」企業ではなく、DNAにサステナビリティが刻み込まれた「ディープグリーン」企業であることが新しいビジネスとして望まれてきております。コグニザントは、サステナビリティのアドバイザリーサービス、ソリューション、強力なパートナーエコシステムを活用することで、グローバルにて多くの実績と経験を持っております。オムロンの「エネルギー生産性向上」の考えと共に、CFPの見える化から、日本・グローバルに向けてソリューションを発信するべく取り組んでまいります。」

ソルティスター 代表取締役 岩井昇一は、次のように述べています。
「製造業向けエコシステムを構築するには、機器情報や生産実績、CO2をはじめとする環境情報、オペレータに起因する作業など、さまざまなデータを時系列で紐づける必要があります。その上で、リアルタイムな分析・制御を行い、分析結果を上位システムへ連携することが重要です。組込みDBに強みを持つベンダーとして、さまざまな現場データを高速で収集・分析できるように、プロセスの簡素化・標準化に向けて取り組んでいきます。」


実証実験の概要

期間 2024年3月~12月
対象製品 オムロングループが提供する血圧計、制御機器向け電源、リレーから分析対象を選定
目的
  • CFP算出に必要な生産現場データ収集の自動化検証および算出・改善支援ツールの確立
  • グローバルデータ流通基盤を活用した収集・分析ノウハウの獲得
  • サステナブルなモノづくり現場実現に向けて共創取り組み・参画企業の拡大
主要4社の役割
  • オムロン株式会社:現場ノウハウと、現場データの利活用を促進するエッジプラットフォームを用い、GHG排出量の見える化・削減を可能にする標準化プロセスの開発
  • NTTコミュニケーションズ株式会社:セキュリティを確保したデータ流通など、IT側の技術基盤を提供
  • コグニザントジャパン株式会社:ソリューションのシステム構築
  • 株式会社ソルティスター:現場データの収集・分析などOT側の技術基盤を提供
アプリケーション提供企業
  • TeamViewerジャパン株式会社: リモート接続
  • AVEVA株式会社: HMI*3、SCADA*4
  • ウインドリバー株式会社: ソフトウェア開発プラットフォーム、オペレーティングシステム、アプリケーション管理
  • 日本マイクロソフト株式会社: クラウド、生成AI、コラボレーションツール
  • Arcstone Pte. Ltd.: 製造実行システム (Manufacturing Execution System)、サプライチェーンの可視化システム

実証実験の全体イメージ

実証実験の全体イメージ

*1 消費エネルギーを削減するだけではなく、モノづくりの生産性や品質を高め、生産量を向上させることを目指す指標
*2 Green House Gas(温室効果ガス)
*3 Human Machine Interface(機械操作のためのユーザーインターフェース)
*4 Supervisory Control And Data Acquisition(産業システムを監視する制御ソフトウェア)



オムロン株式会社について

オムロン株式会社は、独自の「センシング&コントロール+Think」技術を中核としたオートメーションのリーディングカンパニーとして、制御機器、ヘルスケア、社会システム、電子部品など多岐にわたる事業を展開しています。1933年に創業したオムロンは、いまでは全世界で約30,000名の社員を擁し、約130の国と地域で商品・サービスを提供しています。詳細については、
https://www.omron.com/jp/ja/をご参照ください。


本件に関するお問い合わせ先
オムロン株式会社 ブランドコミュニケーション部
TEL:075-344-7175

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