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真庭市・オムロン・真庭木材事業協同組合、林業活性化に向けた連携協定締結 広葉樹の価値を高める、新たなサプライチェーン構築

  • 2023年08月21日

真庭市
オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社
真庭木材事業協同組合

真庭市(市長:太田昇)、オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社(代表取締役社長:四方克弘、以下OSS)、真庭木材事業協同組合(代表理事組合長:筏孝生)は、真庭市における広葉樹の付加価値向上の取組に関する協定を締結しましたことをお知らせします。今後、3者は広葉樹を活用した新たなサプライチェーンの構築に取り組みます。


真庭市 OMRON 真庭木材事業協同組合


日本の森林の約5割を占めるコナラやケヤキなどの広葉樹林は、戦後の化石燃料の普及以降、需要が落ち込んでおり、その9割が木材の良し悪しに関わらず安価なバイオマスチップなどに利用されています。また、森林保全には適度な伐採などの森林整備が必要ですが、針葉樹と比べて市場価値が低く、経済的な理由によって管理が行き届いていない広葉樹林が増えています。そのため、今後、水源涵養や土壌保全、生物多様性保全、地球温暖化防止などの森林の持つ多面的な機能が発揮されない森林が増えていくことが予想されます。

今回の連携協定では、広葉樹が市内の森林面積の約4割を占める真庭市で、同市自治体、OSS、地元木材事業協同組合の3者が広葉樹の付加価値を高めるサプライチェーンを構築し、森林所有者および事業者への利益還元の実現とともに、森林の持つ多面的な機能が将来に渡って発揮される姿を目指します。

■実施内容
近年は、森林保護意識の高まりや外国産広葉樹価格の高騰により、国産広葉樹への注目が集まりつつあります。3者は本プロジェクトを通じて、広葉樹の新たな需要を調査し、付加価値の高い家具や内装材、樽などの活用のニーズを探索します。また、伐採から製材・加工、最終メーカーへの流通までを効率的に行うためのサプライチェーン構築による事業モデルの検証を行います。

【目的】真庭市における広葉樹の付加価値向上と、そのための事業モデルの構築
【期間】2023年8月~2027年3月
【各者役割】

  • 真庭市:取り組みについての情報発信、課題の抽出と必要な政策支援
  • OSS:サプライチェーンシステムの設計・開発と運用・管理、広葉樹活用のための市場調査・マーケティング
  • 真庭木材事業協同組合:組合員と連携した木材供給および製材・加工に関する調整

三者連携協定による取り組みスキーム三者連携協定による取り組みスキーム


■検証内容

  • 真庭市内で伐採・搬出された広葉樹の需要について調査するとともに、その活用スキームの有効性を検証する
  • 本取組を効率的かつ効果的に実施するためのサプライチェーンマネジメントの構築を目指し、そのためのシステムの有効性を検証する
  • 広葉樹の更なる価値創出に取り組み、経済効果、および、その他の事業性を検証する

左:バイオマス集積場の選木前の原木/右:選木後の地元製材所での製材作業左:バイオマス集積場の選木前の原木/右:選木後の地元製材所での製材作業


真庭市、OSS、真庭木材事業協同組合は、持続可能な資源活用と産業発展が両立する新たな事業モデルを構築することで、森林のもつ多面的機能を維持し、日本の豊かな自然の保全に貢献してまいります。


真庭市について
岡山県北部に位置する真庭市は、人口約4.2万人で面積は828.53km2と県内でも最も広い自治体です。森林率は79%で面積は65,326haとなっており、そのうち人工林は約58%にもなります。また、真庭市が位置する美作地域は国内有数のヒノキの産地であり、同地域から産出されたヒノキは「美作檜」と呼ばれています。
市内には製材業者約30社、素材生産業者は約20社あり、原木市場も3つあるなど、伝統的に林業や製材業が盛んな地域です。このような背景が基本となり、森林資源を余すことなく活用していく理念を念頭に、間伐材などの森林整備の際に出てくる林地残材や製材所から排出される樹皮や端材等をバイオマス燃料として利用するなど、様々なバイオマス関連事業を官民一体で取り組んでいます。


オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社について
オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社は、これまで独自のオートメーション技術により、自動改札機などの駅務自動化システムをはじめ、世界初・日本初の社会公共システムを数多く生み出してきました。これからも労働力不足やエネルギー、レジリエンスなどの社会課題をいち早く捉え、IoT・AI・ロボティクスなどの最先端技術、ソフトウェア、運用・保守のトータルサービスでソリューションを構築し、安心・安全・快適な社会づくりに貢献してまいります。 詳細については、https://socialsolution.omron.com/jp/ja/を参照ください。


真庭木材事業協同組合について
真庭木材事業協同組合は、真庭地区の木材等関係者の生産加工販売等の共同事業として、組合員の地位の向上を図ることを目的に1950年に設立し、薪材の販売から製紙用チップやオガライトの製造を行なっていました。
2008年には未利用材や製材所で発生する端材・樹皮を利活用することを目的として、真庭バイオマス集積基地第1工場を建設し、主に製紙会社向けチップの加工・販売を開始しました。その後、「真庭バイオマス発電所」の設立にともない、2014年10月には第2工場を稼働させました。現在は、バイオマス発電所用燃料の生産も始め、「木を使い切る」システムの重要拠点として活動しています。


■本件に関する報道関係からのお問い合わせ先
真庭市役所 産業観光部
林業・バイオマス産業課 TEL:0867-42-5022
オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社
グループ企画室 TEL:03-6718-3702

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