オムロン サイニックエックスの米谷 竜が、「2022年度 電子情報通信学会 教育功労賞」を受賞
- 2023年03月10日
- オムロン株式会社
オムロン サイニックエックス株式会社(本社: 東京都文京区、代表取締役社長: 諏訪 正樹、以下OSX)のプリンシパルインベスティゲーター 米谷 竜が、このたび「2022年度 電子情報通信学会 教育功労賞」(主催:一般社団法人 電子情報通信学会)を受賞しましたのでお知らせします。
「電子情報通信学会 教育功労賞」は、電子情報通信学会の教育に関わる組織活動において、3年以上の功労実績があり、特に大きな功労が認められた個人に贈呈されるものです。
今回の受賞では、米谷が社外活動として取り組んだ「PRMU*1研究メンターシッププログラム立案・運営」への貢献が評価されました。
*1:パターン認識およびメディア理解(Pattern Recognition and Media Understanding)
近年、コンピュータビジョン分野における研究が世界的に加速し、CVPR*2やICCV*3といった国際的に権威のあるトップカンファレンスでの発表数や参加者数が急増しています。一方、日本の研究機関からの論文採択数は全体の数%にとどまっており、海外における日本の研究コミュニティの存在感を改善することが急務となっています。
*2:Conference on Computer Vision and Pattern Recognition
*3:International Conference on Computer Vision
そこで、米谷は昨年度に同賞を受賞したOSXの牛久と共に、採択率の低いトップカンファレンスへの投稿を支援する取り組みとして2018年5月にメンターシッププログラムを立ち上げました。このプログラムは、国際会議や学術誌における採録・査読経験が豊富な国内研究者をメンターとして参加者に割り当て、研究内容や論文の書き方に関する指導、査読・コメントを提供し、トップカンファレンスに通用する研究スタイル・スキルを共有・継承していくことを目的としています。これまで、合計30件以上のメンタリングが実施され、5本の論文がCVPR 2020、ECCV*4 2020、ICCV 2021に採択されました。
*4:European Conference on Computer Vision
メンターシッププログラムの詳細:https://sites.google.com/view/prmu-rmp/
今回の受賞にあたって、米谷は以下のようにコメントしています。
「本メンターシッププログラムは、コンピュータビジョン研究の国際的な舞台における日本コミュニティのプレゼンス向上を目的として、2018年にスタートし、これまで多くの方々に参加いただいています。現在同プログラムを運営・サポートしてくださっている電子情報通信学会PRMU研究会、情報処理学会CVIM研究会、cvpaper.challenge、そしてメンターの先生方とプログラム参加者の皆様に感謝申し上げます。 また、プログラムの立ち上げにあたって、メンタリング内容の確立からメンターの勧誘、オーサーシップや知財に関するガイドラインの策定まで、さまざまな課題に対してともに取り組んでくださったOSXの牛久 祥孝さんに御礼申し上げます」
OSXは今後も、国内の研究コミュニティを牽引しながら、さまざまな研究機関とのオープンイノベーションによる共創を行い、革新的な研究を通じて社会的課題を解決し、ソーシャルニーズの創造を目指してまいります。
米谷 竜(よねたに りょう)のプロフィール
オムロン サイニックスエックス株式会社 プリンシパルインベスティゲーター
2013年 京都大学大学院情報学研究科 知能情報学専攻 博士課程修了。東京大学生産技術研究所助教、カーネギーメロン大学訪問研究員を経て、2019年 オムロン サイニックエックス株式会社にシニアリサーチャーとして入社し、翌2020年からプリンシパルインベスティゲーターに就任し現在に至る。情報科学分野において,主にコンピュータビジョンと機械学習の研究に従事。
オムロン サイニックエックス株式会社について
オムロン サイニックエックス株式会社は、オムロンの考える"近未来デザイン"を創出する戦略拠点です。「AI」「ロボティクス」「IoT」「センシング」など、幅広い領域の最先端技術のトップ人財が研究員として在籍し、社会的課題を解決するために、技術革新をベースに「ビジネスモデル」「技術戦略」「知財戦略」を統合し具体的な事業アーキテクチャに落とし込んだ"近未来デザイン"を創り出します。また、大学や社外研究機関との共同研究を通じて「近未来デザイン」の創出を加速していきます。詳細については、
https://www.omron.com/sinicx/ をご参照ください。