オムロン 令和4年度全国発明表彰「発明賞」を受賞 ~デジタル機器の信頼性を高め、安心・安全を実現する技術を開発~
- 2022年05月31日
- オムロン株式会社
オムロン株式会社(本社:京都市下京区、代表取締役社長 CEO:山田義仁)は、公益社団法人 発明協会が主催する、「製造装置等の信頼性を高めるソフトエラー対策法の発明(以下、本発明)」で、令和4年度全国発明表彰「発明賞」を受賞しました。本発明は、デジタル機器の中核をなすマイクロプロセッサー(以下、MPU)やメモリーなど半導体デバイスの偶発的エラーを防ぐことで、製造現場のシステム、そして将来的には、EVや自動運転、医療機器といったデジタル機器の信頼性を向上し、人々の安心・安全を支える新技術です。
全国発明表彰は、日本の科学技術向上と産業の発展に寄与することを目的に大正8年から続くもので、「多大な功績を挙げた発明、考案、又は意匠、あるいは、その優秀性から今後大きな功績を挙げることが期待される発明等」に授与されます。
■本発明の背景
近年、製造現場での電子機器の増加はもちろん、デジタル化の進展に伴い、自動運転システムや電気自動車の普及、デジタル化された医療機器の稼働が急激に進む中、技術の進化に伴い、機器の安全や信頼性を高める対策もデジタル化しています。例えば、製造装置に使われる安全制御機器では、搭載された2つのMPUで演算を行ったうえで、両結果が合致した場合にのみ、機械や装置を稼働させるという方法で高い安全性を提供していました。しかし、MPUには、中性子やα線などの宇宙線の影響を受けたソフトエラーと呼ばれる現象がごくまれに発生します。このソフトエラーが発生することで、2つの演算結果が一致しなくなり、設備が停止してしまうため、経済的な損失につながることが課題となっています。今後、社会のデジタル化がさらに進み、半導体を使用する機器が増えると、ソフトエラーの発生頻度も上がるため、この問題はさらに深刻化すると想定されています。この社会的課題に対し、オムロンは、安全性の確保に加え、システムの運転継続を実現する新技術を発明しました。
■本発明の価値
オムロンが発明した技術では、2重化されたMPUで、同じ演算をそれぞれ2回実行し、4つの演算結果から多数決で動作を決めます。ソフトエラーにより1つの演算結果が誤っても、残りの3つの演算結果により、システムが継続できることで、高額な費用をかけることなく、安全性の確保に加えて、システムの運転継続を実現し、高い信頼性を実現することが可能となります。また、本技術は汎用性が非常に高いため、製造業だけでなく、高い信頼性が求められるEVや自動運転、ドローンを活用した物流、医療業界などにも適用可能です。本発明を活用することで、人々の安心・安全で豊かな生活の実現を目指すとともに、事業を通じて社会的課題を解決し、社会の発展に貢献し続けます。
本発明を適用可能な商品例:セーフティーコントローラー
オムロン株式会社について
オムロン株式会社は、独自の「センシング&コントロール+Think」技術を中核としたオートメーションのリーディングカンパニーとして、制御機器、電子部品、ヘルスケア、社会システムなど多岐にわたる事業を展開しています。1933年に創業したオムロンは、いまでは全世界で約30,000名の社員を擁し、約120の国と地域で商品・サービスを提供しています。詳細については、https://www.omron.com/jp/ja/をご参照ください。
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- オムロン株式会社 ブランドコミュニケーション部
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