長期ビジョン「Shaping the Future 2030」および中期経営計画のスタートについて
- 2022年03月09日
- オムロン株式会社
オムロン株式会社(本社:京都市下京区、代表取締役社長CEO:山田義仁)は、2022年4月1日より、2030年度に向けた長期ビジョン「Shaping the Future 2030(SF2030)」と、2022年度から2024年度の3年間の中期経営計画「SF 1st Stage」をスタートいたします。
1.長期ビジョン「Shaping the Future 2030」の概要
SF2030のビジョンは、「人が活きるオートメーションで、ソーシャルニーズを創造し続ける」です。このビジョンには、“オムロングループ全社員が企業理念を実践し、コア技術「センシング&コントロール+Think」で、持続可能な社会をステークホルダーと共に形づくり、事業の成長とサステナビリティを一体化して進化させ、企業価値を最大化する”という思いが込められています。
オムロンは、1933年の創業以来、企業理念を原動力に、事業を通じて社会的課題を解決し、よりよい社会づくりに貢献してきました。高度経済成長期や高度情報化社会といった社会・経済システムが大きく変化する時代において、社会的課題をいち早く捉え、ソーシャルニーズを創造することで事業を構築し、成長してきました。SF2030では、変化の激しい社会環境の中で生まれる社会的課題の中から、「カーボンニュートラルの実現」「デジタル化社会の実現」「健康寿命の延伸」を設定しました。この社会的課題の解決に向けて、オムロンの強みであるオートメーションと顧客・事業資産を活かし、4つのドメイン「インダストリアルオートメーション」「ヘルスケアソリューション」「ソーシャルソリューション」「デバイス&モジュールソリューション」で解決して参ります。
<SF2030ビジョンステートメント>
人が活きるオートメーションで、ソーシャルニーズを創造し続ける
<当社が取り組む、3つの社会的課題(=成長機会)>
「カーボンニュートラルの実現」、「デジタル化社会の実現」、「健康寿命の延伸」
<創出する社会価値>
1.インダストリアルオートメーション: 「持続可能な社会を支えるモノづくりの高度化」への貢献
- 【実現すること】
- ①生産性とエネルギー効率の最大化。
- ②人の可能性を最大発揮できる製造現場の構築。
- ③業務プロセスの改善、エンジニアリング領域の業務効率の向上。
2.ヘルスケアソリューション: 「循環器疾患の“ゼロイベント”」への貢献
- 【実現すること】
- ①日常生活下でバイタルデータが測定できるデバイスの創出。
- ②医師の診断・治療の意思決定を支援するアルゴリズムを用いた予防医療サービスの開発。
- ③新しい予防医療の導入。
3.ソーシャルソリューション:「再生可能エネルギーの普及・効率的利用とデジタル社会のインフラ持続性」への貢献
- 【実現すること】
- ①発電を安定化させる制御システムの提供。
- ②現場システムの効率的な運用を支援するマネジメント&サービスシステムを開発。
- ③社会インフラ全体の運用効率向上。
4.デバイス&モジュールソリューション: 「新エネルギーと高速通信の普及」への貢献
- 【実現すること】
- ①機器の安全性を高めるデバイスの創出。
- ②安定した接続を可能とする高周波対応デバイスの創出。
- ③環境負荷の低いデバイスの創出。
創出する社会価値
オムロンは、SF2030において、これら3つの社会的課題から生まれる成長機会を確実に捉え、人の能力を最大限発揮させる「人が活きるオートメーション」を進化させることで、新たな社会価値を創出し、持続的な成長を実現してまいります。
2.中期経営計画「SF 1st Stage」の概要
2022年度から2024 年度までの3年間に実行する、中期経営計画SF 1st Stageでは、全社方針を、「トランスフォーメーションの加速による価値創造への挑戦」と定め、2つの領域における“トランスフォーメーション”とサステナビリティに関する取り組みの強化をグループ戦略として実行します。新たな社会価値と経済価値を創出し続けるための、“事業のトランスフォーメーション”、そして、事業進化を促進し、変化対応・レジリエンスを兼ね備えるための“企業運営・組織能力へのトランスフォーメーション”を加速させてまいります。また、サステナビリティへの取り組みも一層強化し、新たな競争力へと繋げてまいります。
1)具体的な取組み
2)経営目標
財務目標と非財務目標からなる経営目標と戦略目標を設定し、財務価値と非財務価値の向上に取り組んでまい ります。なお、非財務目標は10の全社共通目標と、グローバル各地域のトップマネジメントが、それぞれの地域社 会に対して約束する目標を合わせた、「10+1」の構造からなります。また、非財務目標の1番目は、4つの注力事 業が社会的課題の解決を通じて、サステナビリティに貢献するための指標です。SF2030において取り組む3つの社 会的課題(「カーボンニュートラルの実現」、「デジタル化社会の実現」、「健康寿命の延伸」)に繋がる注力事業 の売上高を、2024年度までに、21年度比でプラス 45%成長させることを目指します。また、8から10番目の非 財務目標は、グローバル各地域から提案のあった、8つの案の中から、グローバル全社員が選ぶ、社員投票を通じ て決定いたします。これら3つの非財務目標については、決定し次第、公表いたします。
全社 | 2021年度見通し*1 | 2024年度目標*2 |
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売上高 | 7,600億円 | 9,300億円 |
営業利益 | 880億円 | 1,200億円 |
営業C/F 3年累計 | 2,179億円*3 | 2,500億円 |
ROIC | 9%超 | 10%超 |
ROE | 9%超 | 10%超 |
EPS | 284円 | 400円超 |
セグメント別 | 2021年度見通し*1 | 2024年度目標*2 |
---|---|---|
制御機器事業 (IAB) |
売上高 4,300億円 営業利益 790億円 (営業利益率) (18.4%) |
売上高 5,300億円 営業利益 1,060億円 (営業利益率) (20.0%) |
ヘルスケア事業 (HCB) |
売上高 1,340億円 営業利益 195億円 (営業利益率) (14.6%) |
売上高 1,800億円 営業利益 280億円 (営業利益率) (15.6%) |
社会システム事業 (SSB) |
売上高 900億円 営業利益 65億円 (営業利益率) (7.2%) |
売上高 1,000億円 営業利益 100億円 (営業利益率) (10.0%) |
電子部品事業 (EMC) |
売上高 1,030億円 営業利益 80億円 (営業利益率) (7.8%) |
売上高 1,100億円 営業利益 110億円 (営業利益率) (10.0%) |
*1 2022年3月期 第3四半期 決算公表数値
*2 前提レート:米ドル113円、ユーロ130円、人民元17.8円
*3 車載事業譲渡影響除く
「脱炭素・環境負荷低減の実現」に向けた取り組み
主な取り組み項目 | 2024年度目標 |
---|---|
自社から排出されるGHG*1削減 (Scope1・2) |
2050年の“カーボンゼロ”実現に向けて、2024年度までにGHG排出量総量を基準年である2016年度比で「53%削減」する。そのために「省エネ・創エネの拡大」と「国内全76拠点のカーボンゼロの実現*2」などに取り組む。 |
自社が販売した製品使用から
排出されるGHG削減 (Scope3 カテゴリー11) |
2030年度目標の「18%削減」(2016年度比)達成に向けて、1st Stageでは、各事業において新商品の省エネ設計を実施。同時に、1st Stage期間中に2030年度目標達成のシナリオを策定する*3。 |
*1 GHG=Greenhouse Gas(温室効果ガス)
*2 生産13拠点、非生産(本社・研究開発・販売)63拠点における自社の電力使用により排出されるGHGが対象
*3 Scope3の2050年目標は現時点では未定。今後の検証・検討を経て策定予定。
経営目標(非財務)
2024年度目標 |
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① 3つの社会的課題解決への貢献を示すサステナビリティ売上高*1を2021年度比+45%成長させる |
② グローバル女性マネージャー比率18%以上を実現する |
③ 海外28拠点での障がい者雇用の実現と日本国内の障がい者雇用率3%を継続する |
④ Scope1・2でのGHG排出量の2016年度比53%削減を実現する |
⑤ 国内全76拠点*2のカーボンゼロ*3を実現する |
⑥ UNGP*4に沿った人権デューディリジェンスの実施とバリューチェーンにおける人権救済メカニズムを構築する |
⑦ サステナビリティの取り組みを着実に実践し続け、DJSI Worldに選定され続ける |
⑧⑨⑩ グローバルの社員による投票でグループ目標を設定する |
+1 各リージョンのトップマネジメントが、サステナビリティ方針に則り、地域社会に対するコミットメントを宣言する |
*1 「カーボンニュートラルの実現」、「デジタル化社会の実現」、「健康寿命の延伸」に繋がる注力事業の売上高
*2 生産13拠点、非生産(本社・研究開発・販売)63拠点
*3 自社の電力使用により排出されるGHGが対象
*4 国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」
戦略目標
2024年度目標 | |
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制御機器事業(IAB) | ・i-Automation! 採用顧客数 5,000社(2021年度比2倍) |
ヘルスケア事業(HCB) | ・グローバル血圧計販売台数 9,400万台(3年累計) ・遠隔診療サービス利用者数 60万人(累計) |
社会システム事業(SSB) | ・エネルギーマネジメント機器接続台数 5万台 |
電子部品事業(EMC) | ・新エネルギー・高速通信の普及に貢献する製品販売 DC機器向け製品 0.6億個 高周波機器向け製品 1.7億個(3年累計) |
顧客資産型サービス事業の拡大 | ・サービス事業比率 10%超 |
新規事業の創出 | ・新規事業創出数 3事業以上 |
ダイバーシティ&インクルージョン | ・人的創造性*1 +7%(2021年度比) ・人財開発投資 60億円(3年累計) ・VOICE SEI*2 70P以上 |
稼ぐ力の向上 | ・売上総利益率 47%超 |
*1 人件費(製造+販管+開発)あたりの付加価値額
*2 社員エンゲージメントサーベイ
オムロン株式会社について
オムロン株式会社は、独自の「センシング&コントロール+Think」技術を中核としたオートメーションのリーディングカンパニーとして、制御機器、電子部品、社会インフラ、ヘルスケア、環境など多岐にわたる事業を展開しています。1933年に創業したオムロンは、いまでは全世界で約30,000名の社員を擁し、約120の国と地域で商品・サービスを提供しています。詳細については、https://www.omron.com/jp/ja/ をご参照ください。
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- オムロン株式会社
ブランドコミュニケーション部
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