オムロン、大阪大、産総研、中京大の合同チーム「O2AC」が
「World Robot Summit 2020 愛知大会」 国際ロボット競技会で3位入賞し「人工知能学会賞」を受賞

  • 2021年09月28日

オムロン株式会社
オムロン サイニックエックス株式会社
大阪大学大学院基礎工学研究科
国立研究開発法人 産業技術総合研究所
中京大学

オムロン株式会社(本社:京都市下京区、代表取締役社長 CEO:山田義仁)、オムロン サイニックエックス株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:諏訪正樹)、大阪大学(本部:大阪府吹田市、総長:西尾章治郎)、国立研究開発法人 産業技術総合研究所(本部:東京都千代田区、理事長:石村和彦)、中京大学(本社:愛知県名古屋市、総長:梅村清英)の産学合同チーム「O2AC」は、2021年9月9日から12日までの4日間、愛知県国際展示場で開催された、「World Robot Summit 2020(以下、WRS) 愛知大会」の国際ロボット競技会「World Robot Challenge(以下、WRC)」のものづくりカテゴリー「製品組立チャレンジ」へ出場し、3位入賞と同時に、「人工知能学会賞」を受賞いたしましたのでお知らせします。

超低接触抵抗を実現した高容量リレー「G9KA」授賞式の様子
WRS実行委員会委員長の佐藤知正東京大学名誉教授(左)、
3位入賞の表彰と人工知能学会賞を受け取る「O2AC」メンバー(中央、右)


「WRC」は、世界の高度なロボット技術を集結させ、競争を通じて技術開発を加速すると同時に、ロボットが実際の課題を解決する姿を示し、ロボットの社会実装を促進するための競技会です。2018年10月にプレ大会が開催され、2020年に本大会として開催される予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて開催が1年延期となりました。
今年は国内外から87チームが参加し、ものづくりカテゴリー「製品組立チャレンジ」には9チームが参加、労働者不足や人件費の高騰といった社会的課題解決のため、多品種少量生産にも対応可能なロボットシステムの実現を競いました。
オムロン、大阪大学大学院基礎工学研究科、産業技術総合研究所らは、2018年のプレ大会では、ロボットが人のように道具を使いこなし、失敗を検知することができる柔軟で信頼性の高いシステムでチャレンジしました。そして今回、中京大学を加えた新たなチーム「O2AC」では、その特徴を残しつつ部品の認識機能、部品位置や取付状態の推定機能、それら部品を掴み動かすためのロボットのプランニング機能を強化しました。各大学・機関それぞれが保有する技術やノウハウといった強みをすり合わせ、2台のロボットを高度に協調させるロボットシステムを実現し競技に挑みました。

競技は3日間の競技会によるチャレンジ評価と、技術資料および競技会でのパフォーマンスに基づく技術評価から判定されます。「O2AC」は、競技会1日目の「タスクボード」タスク*1)の2回目のトライでタスクボードを完成させました。2日目以降の「組立」タスク*2)では、タスクに使用する部品のレイアウト変更に加え、事前に告知した製品とは異なる仕様の製品の組み立てへ挑戦しました。3日間の競技を通して、すべての課題において上位の得点を獲得することができました。また、ロボットのモーションを工夫し組み立てに特別な補助器具を必要としない自由度の高いシステムを設計している点や、エラー発生時のリカバリーの柔軟性、社会実装にこだわった技術開発を行なっている点などが高評価され、技術審査では最高得点を獲得し、3位に入賞いたしました。

*1)タスクボードタスクとは、ベルトドライブユニットの組立に必要な要素作業を競います。このタスクでは、供給される部品をタスクボードの上の指定された位置に組み付けます。タスクボードにおける技術的な課題には、部品の認識と把持・部品のはめ合いやねじ締結・柔軟部品の組み付けなどがあります。
*2) 組立タスクとは、部品トレイ上にあらかじめ準備された部品を使ってベルトドライブユニットの組み立てを行います。また、新たな生産要求への対応として、事前に告知した製品とは異なる仕様の製品の組み立ても求められます。製品組立における技術的な課題には、微細部品や柔軟部品の認識・把持・組立、3部品の同時組立などがあります。

また「O2AC」チームは、組み立てに特別な補助器具を必要としない各種ロボット動作を実現した点や、エラー発生時に安易にリセットするのではなくサブタスクの成功や失敗を自己判断し、自律的にエラーから復帰できるソフトウェア技術などが評価され、人工知能学会賞を受賞いたしました。これら技術の他にも、ロボットシステム内にディスプレイを設置し、タスク実行中の画像処理の結果やシミュレーションモデルの動きなどを可視化し、観戦者に見えるようにしていたことや競技で使用したプログラムのソースコードを公開する姿勢も受賞のポイントとなりました。

オムロン サイニックエックスでは、今回の挑戦で獲得したツールやソースコードをオープン化し、広く共有することで国内外のロボット研究に貢献していくとともに、人のように柔軟なロボットシステムの開発をこれまで以上に加速させ、コロナ禍によって加速した労働者不足といったものづくり現場での社会的課題の解決に、産学で連携し取り組んでまいります。


「O2AC」チームの概要

主なアプリケーション会場で参加したチームメンバ


名称 O2AC(オーツーエーシー)
人数 18名
各組織の役割 ● オムロン株式会社 システム構築
● オムロン サイニックエックス株式会社 ロボット制御用ソフトウェア開発
● 大阪大学大学院基礎工学研究科 ロボットが使用する道具などのハードウェア開発
● 国立研究開発法人 産業技術総合研究所 画像処理技術開発
● 中京大学 大学院情報科学研究科 画像処理技術開発


「World Robot Summit 2020 愛知大会」の概要
WRSは、競技会「World Robot Challenge(WRC)」と展示会「World Robot Expo(WRE)」からなるロボットの国際大会です。

名称 World Robot Summit 2020 愛知大会
開催場所 Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場)
開催日 2021年9月9~12日(4日間)
主催 経済産業省、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
構成 競技会「World Robot Challenge(WRC)」、展示会「World Robot Expo(WRE)」、ステージプログラム、体験企画・実演など


「World Robot Challenge」の概要

世界の高度なロボット技術を集結させ、競争を通じて技術開発を加速すると同時に、ロボットが実際の課題を解決する姿を示し、ロボットの社会実装を促進するため「ものづくりカテゴリー」「サービスカテゴリー」「インフラ・災害対応カテゴリー」「ジュニアカテゴリー」の4つのカテゴリーから構成される競技会です。愛知大会では、「ものづくりカテゴリー」「サービスカテゴリー」「ジュニアカテゴリー」の3つのカテゴリーの競技会が行われました。

カテゴリー 種目(チャレンジ) 競技内容
ものづくり 製品組立 工業製品等の組立に必要な技術要素を含んだ複数のモデル製品を正確に素早く組み立てる
サービス パートナーロボット
(リアルスペース)
家庭における片付け(整理整頓、収納等)や留守番対応
フューチャーコンビニエンスストア 食品など複数種類の商品の品出し・入替、客や従業員とのインタラクション、トイレの清掃
インフラ・災害対応 プラント災害予防 数種のインフラ点検項目に基づく点検、メンテナンス
トンネル事故災害対応・復旧 トンネル災害を想定した情報収集、緊急対応
災害対応標準性能評価 災害予防・対応で必要となる標準性能評価
ジュニア スクールロボット プラットフォームロボットをプログラミングし、学校で役立つロボットの開発を行う
ホームロボット 家庭環境を改善し、より良い暮らしを実現するためのロボットを製作

詳細については、https://wrs.nedo.go.jp/wrs2020/challenge/をご参照ください。


オムロン株式会社について
オムロン株式会社は独自の「センシング&コントロール+Think」技術を中核としたオートメーションのリーディングカンパニーとして、制御機器、電子部品、社会システム、ヘルスケア、環境など多岐にわたる事業を展開しています。1933年に創業したオムロンは、いまでは全世界で約30,000名の社員を擁し、約120の国と地域で商品・サービスを提供しています。詳細については、https://www.omron.com/jp/ja/およびhttps://www.robotics.omron.com/home/?region=jpをご参照ください。


オムロン サイニックエックス株式会社について
オムロン サイニックエックス株式会社は、オムロンの考える"近未来デザイン"を創出する戦略拠点です。「AI」「ロボティクス」「IoT」「センシング」など、幅広い領域の最先端技術のトップ人財が研究員として在籍し、社会的課題を解決するために、技術革新をベースに「ビジネスモデル」「技術戦略」「知財戦略」を統合し具体的な事業アーキテクチャに落とし込んだ"近未来デザイン"を創り出します。また、大学や社外研究機関との共同研究を通じて「近未来デザイン」の創出を加速していきます。詳細については、https://www.omron.com/sinicx/をご参照ください。


大阪大学について
大阪大学は、大阪の市民ならびに政財界の要望を受け、1931年に第6番目の帝国大学として創立されました。現在、11学部、16研究科、6附置研究所等からなる研究型総合大学として発展を続けています。社会と共に創造活動を展開する、社会との「共創(Co-creation)」をキーワードとして、社会変革に貢献する世界屈指のイノベーティブな大学となることを目指しています。詳細については、https://www.osaka-u.ac.jp/をご参照ください。


国立研究開発法人 産業技術総合研究所について
国立研究開発法人 産業技術総合研究所は、我が国最大級の公的研究機関として日本の産業や社会に役立つ技術の創出とその実用化や、革新的な技術シーズを事業化に繋げるための「橋渡し」機能に注力しています。7つの研究領域を持ち、つくばセンターを中心に全国11か所の研究拠点で約2300名の研究者がイノベーションを巡る環境の変化やそれらを踏まえて策定された国家戦略などに基づき、ナショナル・イノベーション・エコシステムの中核的、先駆的な立場で研究開発を行っています。詳細については、https://www.aist.go.jp/をご参照ください。


中京大学について
中京大学は校訓「真剣味」、建学の精神「学術とスポーツの真剣味の殿堂たれ」に基づき、1954年の開学以来、時代の求める学びを提供するため、今日では10学部20学科9研究科を擁する総合大学へと成長してきました。「しなやかに挑み続ける新生・中京大学」として「自ら考え、行動する、しなやかな知識人」の育成を目指して、スケールメリットを存分に活かした履修システムや留学、資格取得、教職、キャリアサポートプログラムなどを構築しています。長年にわたる学生サポートの実績は、学生一人ひとりの「夢」を実現し、学生を主役に据えたキャンパスには、「真の成長」を遂げることができる挑戦の場が用意されています。さまざまな学び、さまざまな人が響き合うなかで、学生はこれからの時代にふさわしい力を身に付けています。詳細については、https://www.chukyo-u.ac.jp/をご参照ください。

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