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太陽光発電システムの長期安定稼働をサポートするPV用直流安全検査装置「DC Fault Tester」の提供開始について

  • 2016年9月1日
  • 新栄電子計測器株式会社
    オムロン株式会社

新栄電子計測器株式会社(本社:神奈川県藤沢市、代表取締役社長 成勢 幸一郎、以下新栄電子)とオムロン株式会社(本社:京都市下京区、代表取締役社長 CEO:山田義仁、以下オムロン)は、太陽光発電システムの点検・保守業務における作業効率の軽減・改善およびライフサイクルコストの削減と長期安定稼働をサポートする国内初のPV用直流安全検査装置「DC Fault Tester」(以下、DCFT)を本年12月より発売開始します。

商品名 価格 発売時期(予定) 販売目標(3年間累計)
PV用直流安全検査装置
DC Fault Tester
オープン 2016年12月 5,000台

製品の外観

PV用直流安全検査装置 DC Fault Tester

2012年夏に始まった再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT法)により、太陽光発電システムの普及は飛躍的に拡大してきました。また本年6月に制定された改正FIT法(※1)における点検・保守体制の義務化をはじめ、発電量の維持の義務化や安全性法令遵守が今後も定められていくと思われ、システムの長期安定稼働や安全性はますます重要視されます。そのためには、点検・保守業務の効率化やコスト削減、さらには火災・感電等のリスクを最小限化する必要があります。

このたび、新栄電子は国内で初めて太陽光発電の点検・保守市場で使われている計測器の4つの機能(※2)を1台に集約したDCFTを開発しました。本製品は、太陽光発電の点検を行う上で、これまで複数必要であった機器を集約することにより、作業者の作業効率の向上と安全性の確保、火災リスクの最小化で太陽光発電システムの安定稼働に大きく貢献するものです。
また、本DCFTにはオムロン独自のセンシング技術「AISET™」(Active Inspection SEnsing Technology)を搭載しています。これは太陽光などの直流電流(DC)における故障位置特定技術で、従来のように太陽光パネルを1枚単位で計測しなくても、故障位置の特定を実現できるものです。膨大なデータを計測・分析するのではなく、太陽光パネルの故障特徴に合わせたセンシング技術のため、計測器の小型・ローコスト化を実現しました。
本製品を通じ、今後ますます長期安定稼働が求められる太陽光発電システムの点検・保守分野において、新栄電子の計測器総合メーカーとしての豊富な実績やノウハウと、オムロンのAISET技術と幅広い販売網やアフターサポート網など、それぞれの強みを融合させ、両社で強力なリーダーシップを発揮することで、発電量の維持安定化や安全性確保に大きく貢献していきます。
尚、本製品は来月初旬にインテックス大阪で開催される「太陽光発電システム施工展」の新栄電子・オムロンブースに展示いたします。
● 開催日:9月7日(水)~9日(金)
● 場 所:インテックス大阪 3号館 NO.25-20

主な特長

  1. 国内初!太陽光発電システムの様々な故障を1台で検出
    太陽光発電システムは稼働を継続していく中で様々な故障が発生する可能性があります。 故障が発生した場合、従来は複数の計測器(主に4、5台)(※3)を現場に持ち込み、現象に合わせて使用する必要がありした。本DCFTは4つの測定機能を1台に集約。主な故障モードに対して、1台のみで対応が可能となります。

  2. 各種故障の位置を接続箱から検出が可能
    従来の各種計測器では太陽光発電システムの回路ごとの測定を行い、故障の有無を判定してから、モジュールを個別にチェックし、位置特定を行っていますが、DCFTはオムロン独自のAISET™技術により、故障の有無と位置特定を接続箱単位で一度に行う事が可能なため、保守作業時間を大幅に削減することができます。

    ① 接続箱で各計測器を用いて不具合ストリングを特定
      ・開放電圧計測 ・絶縁/地絡抵抗計測 ・直流抵抗値計測
      ・BPD(※4)検査
    ② 各モジュールの計測で故障位置を特定

    ① 接続箱単位で不具合ストリング特定だけでなく故障位置を特定

  3. 太陽光発電の発電量維持と安全性の確保に貢献
    対象となる計測は、断線検知、開放電圧、直流抵抗など発電低下停止リスクに関するものと、絶縁/地絡抵抗、BPD検査など火災・感電などの事故リスクに関するものを、同時に効率よくセンシングすることで、太陽光発電の発電維持と安全性の確保に貢献します。

主な仕様

寸法 170mm(W)×260mm(H)×70mm(D) ※突起物除く。
質量 約2.5kg
電源 単二アルカリ乾電池 4本
稼働時間 約5時間
内部メモリ 1000データ
通信方式 USB2.0
付属品 単二アルカリ乾電池 4本、測定用プローブ 3本(ピン:2本 ワニ口:1本)
計測仕様 開放電圧測定 地絡抵抗測定 直列抵抗測定 バイパスダイオードの順方向電圧測定(Vf)
測定条件 日射量100W/m²以上(日中であること) 日射量5W/m²以下(夜間であること)
測定単位 モジュール、ストリング
測定範囲 DC0.1V〜1000.0V 5kΩ〜10MΩ 1Ω〜2000Ω DC0.1V〜69.9V
位置検出範囲 - 最大25直列 最大20直列(PN接合タイプ)
最大25直列(ショットキータイプ)
位置検出精度 - 測定枚数の±10%
  • ※各検査を行う際には、モジュールの開放電圧および直列枚数の入力が必須となります。
  • ※回路内に故障が複数あった場合、事実と異なる結果が出てしまう可能性がございます。
  • ※仕様・製品デザインなどについては現時点での予定のため、予告なく変更する場合があります。

各社の役割

新栄電子: DCFTの製品設計・製造
オムロン: AISET技術の提供・DCFTの販売(独占販売)

新栄電子計測器株式会社について

新栄電子計測器株式会社は、電気、電子、物理、画像など、多くの計測技術を保有した計測器開発メーカーです。1978年の創業から現在に至るまで、家電製品分野、車載品分野、情報端末機器分野、二次電池分野などに向け、様々な検査装置の開発を行ってまいりました。太陽光発電システムの検査事業には2007年から参入し、施工・検査・O&MをターゲットとしたIVカーブトレーサーや断線検出装置、遠隔監視システムなど、多くの商品を市場へ投入しています。弊社の検査装置は、発電所の維持管理業務をサポートするとともに、太陽光発電システムの健全性のチェックや不具合の早期発見に大きく貢献しています。詳細については、http://www.shin-ei.ne.jp/ をご参照ください。

オムロン株式会社について

オムロン株式会社は、独自のセンシング&コントロール技術を中核としたオートメーションのリーディングカンパニーとして、制御機器、電子部品、車載電装部品、社会インフラ、ヘルスケア、環境など多岐に渡る事業を展開しています。1933年に創業したオムロンは、いまでは全世界で約38,000名の社員を擁し、110を超える国や地域で商品・サービスを提供しています。
環境事業では、低圧~高圧までをサポートする太陽光発電用パワーコンディショナのラインナップと蓄電池をはじめとするエネルギー関連製品を品揃えし、これまではパワーコンディショナの系統側(交流側)のコントロール技術である「AICOT®(多数台連系単独運転防止技術」により、太陽光発電に普及に大きく貢献してまいりました。今後はパワーコンディショナの太陽電池側(直流側)のセンシング技術である「AISET™」による、点検・保守業務の作業効率向上と計測器の小型ローコスト化による機器の普及、さらには関連会社のオムロンフィールドエンジニアリングの140拠点のアフターサービス網活用による太陽光発電の維持向上・安全確保に貢献します。
このようにエネルギーの変換技術と制御技術にセンシング技術を加えて 「ムダなく創る・上手に貯める・かしこく使う」をサポートし、お客様のエネルギー効率の最大化に貢献してまいります。
詳細については、https://www.omron.com/jp/ja/ をご参照ください。

※1
「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法等の一部を改正する法律」
※2
開放電圧測定・地絡抵抗値測定・直列抵抗値測定・バイパスダイオードのVf測定
※3
抵抗測定器・断線探査器・絶縁抵抗診断装置・バイパスダイオード検査器・マルチメーター
※4
バイパスダイオード
報道関連からのお問合せ先
新栄電子計測器株式会社
営業部・久保田和磨
〒252-0816 神奈川県藤沢市遠藤2636
TEL: 0466-88-3030
オムロン株式会社
環境事業本部 グローバルマーケティング部 鈴木純子
〒600-8530 京都市下京区塩小路通堀川東入
TEL: 075-344-8160

ニュースリリースに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

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