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公益財団法人 立石科学技術振興財団 第3回立石賞 受賞者決定のお知らせ

  • 2014年3月27日
  • 公益財団法人 立石科学技術振興

公益財団法人 立石科学技術振興財団(理事長:立石義雄・オムロン株式会社名誉会長、所在地:京都市下京区)は、このたび、第3回立石賞の受賞者を決定しました。

立石賞は、2010年の立石科学技術振興財団設立20周年を記念して創設した顕彰事業です。賞の授与を隔年で実施しており、今年が第3回目となります。立石賞は功績賞と特別賞の2つで構成しています。功績賞は、過去に財団から研究助成を受け、その後の研究活動において顕著な業績をあげた研究者に対して授与する賞です。また、特別賞は、財団の趣意に沿った日本発の研究・技術開発において顕著な業績を上げた研究者に対して授与する賞です。各賞に対し、賞状、賞碑および賞金(500万円)をもって顕彰します。今年は、公募で受け付けた推薦の中から、当財団選考委員会および理事会にて、以下のとおり、功績賞1名と特別賞1名を選出しました。

立石賞 受賞者一覧

【功績賞】
氏名/年齢 江刺 正喜(えさし まさよし)/65歳
所属機関・職位 東北大学 原子分子材料科学高等研究機構 教授、
マイクロシステム融合研究開発センター センター長
授賞表題 豊かで安全な社会を支えるMEMSの研究と実用化
【特別賞】
氏名/年齢 小川 誠二(おがわ せいじ)/80歳
所属機関・職位 東北福祉大学 感性福祉研究所 特任教授
授賞表題 磁気共鳴機能画像法の基礎原理の発見と脳・生体機能イメージングへの応用

各授賞理由と受賞者のプロフィールについては「授賞理由と受賞者のプロフィール」を参照ください。

表彰式および記念講演について

表彰式と受賞者による記念講演を次の通り公開します。

日時 : 5月22日(木)午後1時30分~5時
場所 : グランドプリンスホテル京都(京都市左京区宝ヶ池)
聴講申込方法 : 立石科学技術振興財団HP(http://www.tateisi-f.org/)参照

立石科学技術振興財団について

当財団は、技術革新と人間重視の両面から真に最適な社会環境の実現に寄与することを目的に、エレクトロニクスおよび情報工学の分野で、人間と機械の調和を促進する研究および国際交流に対する助成活動を行っています。故立石一真(当社創業者)および故立石孝雄(当社元代表取締役会長)がそれぞれ保有するオムロン株式会社の株式を拠出し、さらにオムロン株式会社が寄付金を出捐して設立されました。基本財産はオムロン株式会社の株式2,625,000株です。

授賞理由と受賞者のプロフィール

第3回立石賞 功績賞 受賞者
氏名 江刺 正喜(えさし まさよし)
所属・職位 東北大学 原子分子材料科学高等研究機構 教授、
マイクロシステム融合研究開発センター センター長
授賞表題 豊かで安全な社会を支えるMEMSの研究と実用化
受賞者の業績

受賞者は、半導体微細加工技術に基づくMEMSの創始者の一人で,学術発展と産業化の牽引役としてMEMSの基盤技術の開発からデバイスの実用化まで多くの先駆的な成果を挙げ,黎明期からこの分野を先導するとともに,長年指導的な役割をはたしてきた。

現在,携帯電話,スマートフォン,ゲーム機器などは,機器を動かす,画面に触るなど,人間の直観にあった操作が可能であるが,このために加速度センサやジャイロなど各種のMEMSが使われている。従来の機械の操作はボタンを選んで押すなど機械の都合に合わせたものであったが、MEMSに基づくユーザーインターフェースにより,自然に近い形で人が機械を操作できるようになった。このようにMEMSは,様々なシステムの鍵を握るデバイスであり,その産業規模は年率10~15%の割合で成長している。特に今後は、ナノテクノロジーやバイオテクノロジーと融合し、「環境・省エネ」「健康・医療」「安全・安心」など広い分野での応用が期待できる。

受賞者自身が実用化した多くのデバイスの中には,医療用センサとして利用されたISFET,自動車のスピン・横滑りを検知するヨーレートセンサや加速度センサ,プラットフォームドアに乗客が挟まれないように監視する光スキャナ,地下鉄の乗り心地を改善する高精度静電浮上回転ジャイロなど,「人間と機械の調和」に具体的に大きく貢献したものが多い。

なお受賞者は、1992年に当財団から「集積化加速度センサの開発」の研究課題で助成を受け、その成果も本研究活動の充実と発展に寄与した。

専門技術の
概要・説明
MEMS(Micro Electro Mechanical Systems):
微小な電気機械システムに関する技術の総称である。通常はシリコンプロセス技術を用いて作られたミクロンサイズの構造体や可動機構,センサ,およびアクチュエータに関する技術を指す。
ISFET(Ion Sensitive Field Effect Transistor):
イオン感応型電界効果トランジスタ。カテーテル先端につけて体内に導入し、pH(水素イオン濃度)とPCO2(炭酸ガス分圧)をモニタできるセンサとして実用化されている。
学歴
1971年3月 東北大学工学部電子工学科 卒業
1976年3月 東北大学大学院工学研究科電子工学専攻 博士課程修了,工学博士
職歴
1976年4月 東北大学助手(工学部電子工学科)
1981年10月 東北大学助教授(工学部通信工学科)
1990年5月 東北大学教授(工学部精密工学科)
以降、工学部、大学院工学研究科などの教授を歴任
2010年4月 東北大学教授(原子分子材料科学高等研究機構),
兼マイクロシステム融合研究開発センター センター長
主な受賞歴
2004年6月 第3回産学官連携推進会議 文部科学大臣賞「半導体微細加工技術で作るMEMS(微小電気機械システム)の産業展開」
2005年1月 第54回河北文化賞「微細加工技術による地域の産業等への貢献」
2006年5月 紫綬褒章「マイクロシステム学に関する研究」
第3回立石賞 特別賞 受賞者
氏名 小川 誠二(おがわ せいじ)
所属・職位 東北福祉大学 感性福祉研究所 特任教授
授賞表題 磁気共鳴機能画像法の基礎原理の発見と脳・生体機能イメージングへの応用
受賞者の業績

受賞者は生体内の生理的活動の非侵襲イメージング技術の基本原理を発見し,生命科学や臨床医学への応用への基礎を築いた。特に磁気共鳴画像法(Magnetic Resonance Imaging; MRI)において,血液中のヘモグロビンの酸化・脱酸化による磁化率の違いをMR信号として計測することにより脳内の血流変化等を視覚化するBOLD(Blood Oxygenation Level Dependent)法の原理を確立し,ヒトの脳機能解析や臨床診断への道を拓いた功績は大きい。

受賞者はBOLD法を考案し,それに基づいて磁気共鳴機能画像法(fMRI) を開発して,ヒトの脳活動の非侵襲イメージングが可能であることを実証した。今日では,ヒトの高次認知機能の解明をめざす脳科学や心理学において脳活動イメージングの主要技術となっているのみならず,外科の術前診断,神経内科や精神科での診断や病態解明など,医療分野でも広範に活用されている。

ヒトの精神活動の解明,精神疾患の予防,診断,治療は今後の人類社会に課された大きな課題であり,fMRI法の開発は,機械による人類の福祉への偉大な学術的貢献をなすものである。受賞者は,医用画像技術分野における画期的なブレークスルーを提供し,余人をもって替えがたい業績を挙げてきた。

専門技術の
概要・説明
非侵襲イメージング技術:
生体を傷つけずに生体内の情報を様々な方法で測定して画像化・視覚化する技術。非侵襲とは,皮膚内または体の開口部へ器具を挿入しないだけでなく,放射線被曝もないことを意味する。
磁気共鳴画像法(Magnetic Resonance Imaging; MRI):
原子核の磁気共鳴という現象を利用して,ヒトを含む生体の断層画像を得る方法。
BOLD(Blood Oxygenation Level Dependent)法:
酸化ヘモグロビンと脱酸化ヘモグロビンの磁化率の違いによるMR信号の変化を計測し,血流の変化を視覚化する方法。
磁気共鳴機能画像法(fMRI):
装置自体はMRIに使われるものと同じであるが,脳内の血流変化を計測することにより脳の活動状態を調べる方法。
学歴
1957年 東京大学 工学部 応用物理学科卒業(工学士)
1964-1967年 スタンフォード大学 大学院博士課程(1967年Ph.D.)
職歴
1962-1964年 メロン研究所 研究助手
1967-1968年 スタンフォード大学 博士研究員
1968-2001年 ベル研究所 博士研究員,主任研究員,特別研究員
2001年 アルバート・アインシュタイン医科大学 客員教授
2001年 (財)濱野生命科学研究財団 小川脳機能研究所 所長
2008年 東北福祉大学 特任教授
主な受賞歴
2000年 朝日賞「機能的MRIの原理(BOLD法)の発見」
2003年 ガードナー国際賞「磁気共鳴機能画像法の基礎原理の発見」
2003年 日本国際賞「磁気共鳴機能画像法の基礎原理の発見」

公益財団法人 立石科学技術振興財団の概要

名称 公益財団法人 立石科学技術振興財団
所在地 京都市下京区塩小路堀川東入南不動堂町801番地
設立年月日 平成2年(1990年)3月6日
目的 エレクトロニクス及び情報工学の分野で、人間と機械の調和を促進する研究に関する活動を支援し、もって技術革新と人間重視の両面から真に最適な社会環境の実現に寄与することを目的とする。
事業内容 エレクトロニクスおよび情報工学の分野で、人間と機械の調和を促進するための研究に関する活動を支援する。
(1)研究への助成
・研究助成(A)   250万円以下/件、20件程度/年
・研究助成(B)   500万円以下/件、2件程度/年
(2)国際交流への助成
・国際会議発表    40万円以下/件
・短期在外研究    70万円以下/件
 ※上記合わせて10件程度/年
・国際会議開催    50万円または100万円/件、10件程度/年
(3)研究成果に対する顕彰
・立石賞 功績賞 2件程度/隔年、副賞500万円/件
・立石賞 特別賞 2件程度/隔年、副賞500万円/件
(4)研究成果の普及
・成果集の発行 1回/年
(5)その他、本財団の目的を達成するために必要な事業
事業年度 毎年4月1日から翌年3月31日まで
事業実績 設立以来2013年度までに累計815件、総額13億3,690万円の助成(立石賞5件含む)
評議員 7名
役員 理事長  立石 義雄(オムロン株式会社 名誉会長)
常務理事 田中 敏文
他 理事5名 監事2名
基本財産 オムロン(株)株式2,625,000株
特定財産 現金11億円

立石賞の概要

  1. 設立の目的
    立石賞は、オムロン株式会社創業者立石一真氏および当財団の初代理事長立石孝雄氏の産業・技術の発展に対する功績および人材の育成に対する貢献を記念して設立しました。

  2. 対象者および賞の種類
    顕彰の対象者は、エレクトロニクスおよび情報工学の分野で、人間と機械の調和を促進し、技術革新と人間重視の視点において顕著な業績をあげた個人で、次のとおりとします。

    (1)過去に本財団の研究助成を受け、顕著な研究業績をあげた者。
    (2)当財団の趣意に沿った日本発の研究・技術で顕著な業績をあげた者。

    (1)に対するものを立石賞功績賞(Tateisi Prize, Achievement Award)と称し、
    (2)に対するものを立石賞特別賞(Tateisi Prize, Grand Award)と称します。

  3. 顕彰
    顕彰は、賞状・賞牌及び賞金(500万円)をもって行います。立石賞は隔年実施とし、1回につき立石賞功績賞2名程度、立石賞特別賞2名程度、合計4名程度への贈呈を予定しております。ただし、該当者がいない年度においては顕彰を実施いたしません。

  4. 第3回立石賞の募集期間
    2013年4月1日~2013年6月30日

  5. 第3回立石賞の表彰式・記念講演
    2014年5月22日(木) 午後1時30分より グランドプリンスホテル京都にて開催

詳細お問合せ先
公益財団法人 立石科学技術振興財団 
事務局長 麻 潤三(あさじゅんぞう)
〒600-8234 京都市下京区塩小路堀川東入南不動堂町801番地
TEL:075-365-4771 
http://www.tateisi-f.org/

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