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公益財団法人 立石科学技術振興財団 平成24年度助成金贈呈対象決定と贈呈式のお知らせ

  • 2013年5月15日
  • オムロン株式会社

公益財団法人 立石科学技術振興財団(理事長:立石義雄・オムロン株式会社名誉会長、所在地:京都市下京区塩小路通堀川東入南不動堂町801番地)は、平成25年度(第24回)の助成対象を決定しました。助成金贈呈式(第24回)は5月23日(木)14時00分からグランドプリンスホテル京都にて行います。
研究に対する助成として22テーマ、前期国際交流に対する助成として5テーマを選定・決定いたしました。助成対象(受領者と助成課題)については、次ページ以降をご参照下さい。一部助成課題の概要も抄録として抜粋しています。また平成25年度後期国際交流助成については、9月下旬に決定する予定です。

今回及び累積の助成金額は以下の通りです。
  研究助成
件数・額
国際交流助成
件数・額
合計
件数・額
今回(第24回)
(後期国際交流助成含まず)
22件
5479万円
(前期のみ)      5件
(前期のみ)116万円
27件
5595万円
累積(第1回~第23回)
(立石賞賞金を除く)
496件
11億4799万円
271件
1億0119万円
767件
12億4906万円

今回助成される皆様には是非とも研究課題を達成していただき、最先端の科学技術でグローバル社会に貢献していただくことを期待します。
なお、平成25年度後期国際交流助成と平成26年度立石賞(立石賞は隔年表彰)については、6月末まで募集中ですので、当財団のホームページ(http://www.tateisi-f.org/)をご参照下さい。

立石科学技術振興財団は、オムロン株式会社の出捐と、故立石一真(オムロン株式会社創業者)、故立石孝雄(オムロン株式会社元代表取締役会長)がそれぞれ保有するオムロン株式会社の株式を拠出して設立したものです。その目的は、エレクトロニクスおよび情報工学の分野で、人間と機械の調和を促進する研究および国際交流に対し助成を行い、技術革新と人間重視の両面から真に最適な社会環境の実現に寄与することです。(財団の概要は、こちらをご参照下さい。)
今年5月10日に創業80周年を迎えたオムロン株式会社は、従来より企業理念の中核として「企業は社会の公器である」を掲げています。この趣旨のもと、立石科学技術振興財団の目的に賛同しその活動をより一層支援していきます。

平成25年度 研究助成 受領者及び助成課題一覧(敬称略)

  受領者氏名 所属機関・職名 助成課題
1 天野 敏之 和歌山大学 システム工学部
情報通信システム学科
准教授
懐中電灯型プロジェクタカメラ系による視覚補助に関する研究
2 荒田 純平 名古屋工業大学大学院
工学研究科 情報工学専攻
助教
駆動力を人体の自然な動作から抽出する柔軟メカニズムによる手指動作支援装置
3 和泉 慎太郎 神戸大学 自然科学系
先端融合研究環 重点研究部
助教
ウェアラブルな生体情報常時計測システムのための心拍抽出手法の開発
4 梅田 智広 奈良女子大学 社会連携センター
地域イノベーション推進室
特任准教授
新生児の異常監視を支援する非接触方式の新生児呼吸見守り装置の開発
5 王 龍標 長岡技術科学大学
産学融合トップランナー養成センター
特任准教授
多様な環境における会議音声の音声認識と発言者識別に関する研究
6 田中 一晶 大阪大学大学院 工学研究科
特任助教
対話相手とのリアルな接触感覚を生み出す携帯デバイスの開発
7 谷口 浩成 津山工業高等専門学校 電子制御工学科
准教授
リラクゼーションと関節可動域訓練を両立するソフトリハビリシステムに関する研究
8 年吉 洋 東京大学 先端科学技術研究センター
教授
MEMS可変共振子アレイによるテラヘルツ光スキャナ
9 中妻 啓 熊本大学大学院
自然科学研究科 産業創造工学専攻
助教
肺気道断面積の音響的推定に基づく肺機能検査システムの研究
10 西岡 靖貴 滋賀県立大学工学部
機械システム工学科
助教
人の付属肢骨格に能動的に装着する軽量・柔軟なアクチュエータ
11 西川 淳 北海道大学大学院
情報科学研究科 生命人間情報科学専攻
特任講師
聴覚中枢神経マイクロインプラントに応用する音情報神経符号化の基礎技術開発
12 西出 俊 京都大学 白眉センター
助教
モーショニーズに基づく人間・ロボットの行動模倣によるロボットの道具身体化
13 林 隆介 (独)産業技術総合研究所 
ヒューマンライフテクノロジー研究部門
主任研究員
視覚野の神経情報を用いたロボットハンド制御技術の開発
14 飛田 哲朗 名古屋大学 医学部附属病院整形外科
医員
BIA法を用いたサルコペニア診断法開発とメタボリックシンドロームとの関連性解明
15 藤井 文武 山口大学大学院 理工学研究科
システム設計工学系学域
准教授
生体信号に依らないロボットスーツと装着者運動の同調制御システムの開発
16 細野 美奈子 静岡県工業技術研究所
沼津工業技術支援センター
研究員
MEMS 3軸力センサを用いた貼付型フレキシブル褥瘡予防シートに関する研究
17 真下 智昭 豊橋技術科学大学
テニュアトラック助教
血管内超音波神経観察を実現する二自由度アクチュエータの開発
18 谷田部 淳一 福島県立医科大学 医学部
助教
家庭血圧を含むパーソナルヘルスレコードを用いた新しい医療コミュニケーションの試み
19 山際 伸一 筑波大学 システム情報系
准教授
運動の音変換による身体バランス制御誘導システムの開発
20 山口 堅三 香川大学工学部 材料創造工学科
助教
アクティブプラズモン及びWoodアノマリセンサの開発
21 山崎 俊太郎 (独)産業技術総合研究所
デジタルヒューマン工学研究センター
研究員
高運動機能性製品設計のための高分解能4次元計測技術の研究
22 中内 茂樹 豊橋技術科学大学大学院
工学研究科情報・知能工学系
教授
分光スペクトル修飾に基づく機能性LED照明に関する研究

平成25年度 前期国際交流助成 受領者及び助成課題一覧(敬称略)

(1)派遣

  受領者氏名 所属機関・職名 派遣先研究集会・主催名 派遣先
1 藤ノ木 健介 大島商船高等専門学校
助教
The 9th ISAAC Congress 2013(第9回数理解析とその応用に関する国際会議)
The International Society for Analysis, its Applications and Computation
クラクフ
ポーランド
2 山田 尚人 東京農工大学大学院
電子情報工学専攻
博士課程
The 32nd International Acoustical Imaging Symposium
International Commission For Acoustics
シンガポール
3 吉元 俊輔 大阪大学大学院
基礎工学研究科
助教
IEEE World Haptics Conference 2013, The 5th Joint Eurohaptics Conference and IEEE Haptics Symposium
Dong-Soo Kwon (KAIST, Korea)
大田広域市
韓国
4 松野 隆幸 岡山大学大学院
自然科学研究科
講師
The 2013 IEEE International Conference on Robotics and Automation(米国ロボットと自動化に関する国際会議)
The Institute of Electrical and Electronics Engineets(米国電気電子学会)
カールスルーエ
ドイツ

(2)招聘

  受領者氏名 所属機関・職名 招聘する国際会議/被招聘者
1 藤江 正克 早稲田大学
理工学術院
教授
The 9th Asian Conference on Computer Aided Surgery(ACCAS2013)
Qixin Cao(曹 其新), Shanghai Jiaotong University, Professor

おもな研究助成の抄録

和泉 慎太郎(神戸大学 自然科学系先端融合研究環 重点研究部・助教)

研究課題:ウェアラブルな生体情報常時計測システムのための心拍抽出手法の開発
近年、世界的な社会の高齢化に伴い、モバイル機器やウェアラブル機器を利用したヘルスケアが注目されている。家庭での日常的な生体情報の計測によって、その情報を活用した生活習慣の改善や病気の予防が可能となり、クオリティ・オブ・ライフの維持・向上が期待される。本研究では、特に心拍・心電を計測するためのウェアラブルな貼り付け型生体センサの実現を目的としている。
本研究の意義は、生体センサの実用化に向けた低消費電力化・小型化・軽量化・低コスト化によるユーザビリティの向上である。生体センサが広く普及すれば、家庭環境における数多くの実測データが得られ、これを活用した新たな知見の発見も期待できる。

梅田 智広(奈良女子大学 社会連携センター地域イノベーション推進室・特任准教授)

研究課題:新生児の異常監視を支援する非接触方式の新生児呼吸見守り装置の開発
新生児に優しい非接触方式による呼吸変化の測定方式を開発し、更に機械化、装置化することにより、ナースステーションでの監視効果の劇的な向上とともに、ナースの監視負担の大幅な軽減を目指す。
妊婦の出産年齢の高齢化に伴い早産を含めた合併症が増加している。特に未熟児の増加により脳や呼吸器系に後遺症が残り死亡するケースもしばしば起こる。このため病院側では保育器内の新生児の心電を常時測定し異常を発見し対処しているが、新生児の異常を予知するには心電だけでは十分でなく呼吸も重要である。しかし、皮膚の弱い新生児の呼吸状態を非接触で常時測定できる装置はまだ世界に無く、病院側から開発が期待されている。

田中 一晶(大阪大学大学院 工学研究科・特任助教)

研究課題:対話相手とのリアルな接触感覚を生み出す携帯デバイスの開発
携帯電話の普及により、いつでもどこでも離れた場所にいる人と対話できるようになった。しかし、音声のみで行う対話は存在感(対面で会話している感覚)が希薄であることが知られており、携帯電話では相手の存在を身近に感じられないという問題がある。本研究では、対面環境で相手と触れ合うことで得られる様々な触感を伝達・再現する方法を用いて音声対話の改善を試みる。相手と触れ合っている感覚を携帯電話で擬似的に再現することで、相手の存在を身近に感じながら対話できる可能性がある。本研究の目的は、このような接触感覚が生じる要因を明らかにし、対話相手の存在感を強化する携帯型の遠隔接触デバイスを開発することである。

西岡 靖貴(滋賀県立大学工学部 機械システム工学科・助教)

研究課題:人の付属肢骨格に能動的に装着する軽量・柔軟なアクチュエータ
本研究では、「身に着けやすさ」の高いアクチュエータを開発することで、人間と機械の調和の促進を図る。近年のロボティクス分野における動向として産業分野だけでなく、筋力支援装置の開発も多くみられる。しかし、このような装着型の機械システムには、安全で人に優しい「身に着けやすさ」が課題となる。
申請者は、「身に着けやすさ」に対して「軽量性」と「柔軟性」、「能動的な装着」に着目して課題を解決する。アクチュエータを含む機械システムが軽量かつ柔軟であれば衣服のように常時身に着けることが可能と考えられる。さらに、能動的に装着することで、疲労や怪我も持った人、高齢者に対しても「身に着けやすさ」が高いと考える。

西出 俊(京都大学 白眉センター・助教)

研究課題:モーショニーズに基づく人間・ロボットの行動模倣によるロボットの道具身体化
高機能なロボットの実現において、ロボットが自律的に行動を獲得することが必要不可欠である。ロボットに全ての行動を作りこむことは不可能であり、上記を実現するために人間・ロボットの模倣学習による行動獲得が注目されている。本研究では、幼児(ロボット)と親(人間)の間の模倣学習で行動獲得を円滑にしていると期待されているモーショニーズをモデル化し、ロボットに実装する。模倣行為は道具使用動作とし、人間の道具使用過程を模倣することでロボットの道具使用能力獲得を目指す。本研究は、親と幼児をもとに人間とロボットのインタラクションモデルを設計することで人間と機械(ロボット)の調和を促進すると期待される。

 

公益財団法人 立石科学技術振興財団の概要

名称 公益財団法人 立石科学技術振興財団
所在地 京都市下京区塩小路堀川東入南不動堂町801番地
設立年月日 平成2年3月6日
目的 エレクトロニクス及び情報工学の分野で、人間と機械の調和を促進する研究に関する活動を支援し、もって技術革新と人間重視の両面から真に最適な社会環境の実現に寄与することを目的とする。
事業内容 エレクトロニクスおよび情報工学の分野で、人間と機械の調和を促進するための研究に関する活動を支援する。
(1)研究への助成
・研究助成(A) 20件程度/年、250万円以下/件
・研究助成(B)  2件程度/年、500万円以下/件
(2)国際交流への助成
・研究者の海外派遣 40万円以下/件
・外国人研究者の招聘 50万円以下/件
※上記合わせて10件程度/年
(3)研究成果に対する顕彰
・立石賞 功績賞 2件程度/隔年、副賞500万円/件
・立石賞 特別賞 2件程度/隔年、副賞500万円/件
(4)研究成果の普及
・成果集の発行 1回/年
(5)その他、本財団の目的を達成するために必要な事業
事業年度 毎年4月1日から翌年3月31日まで
評議員 7名
役員 理事長  立石 義雄(オムロン株式会社 名誉会長)
常務理事 田中 敏文
他 理事5名 監事2名
基本財産 オムロン(株)株式2,625,000株
特定財産 現金11億円
詳細お問合せ先
公益財団法人 立石科学技術振興財団 
事務局長 明慶 剛
〒600-8234 京都市下京区塩小路堀川東入南不動堂町801番地
TEL:075-365-4771
http://www.tateisi-f.org

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