再生可能エネルギー買取制度に対応可能な屋外単相パワーコンディショナ 「KP□Mシリーズ」の発売について
- 2012年9月18日
- オムロン株式会社
オムロン株式会社(本社:京都市下京区、代表取締役社長:山田 義仁)は、戸建や集合住宅向け、さらには本年7月よりスタートした再生可能エネルギー買取制度(以下:買取制度)にも対応可能な屋外設置型パワーコンディショナ KP55M-J4:5.5kWタイプを2012年11月、KP44M-J4:4.4kWタイプを2012年12月にそれぞれ発売します。
また、オプションの操作ユニット:KP-SW1を2012年11月に同時発売いたします。
商品名 | 形式 | 発売時期 | 販売目標 (3年間累計) |
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パワーコンディショナ | KP55M-J4 | '12年11月 | 150,000台 |
パワーコンディショナ | KP44M-J4 | '12年12月 | 100,000台 |
操作ユニット | KP-SW1 | '12年11月 | 100,000台 |
(価格はすべてオープン価格)
このたび発売するKP□Mシリーズは、戸建向けの太陽光発電システムに加え、集合住宅や公共・産業用の小規模太陽光発電システムにも適した屋外設置型のパワーコンディショナです。特に、今後買取制度により伸びが期待される集合住宅や多店舗などでの発電容量50kW未満の小型太陽光発電システムに最適なラインアップを展開しています。
今年度の買取制度施行において、現在はメガソーラー導入への注目度が集まっていますが、今後は50kW未満の小規模太陽光発電システムが大幅に増加すると想定しています(※1)。国内におけるメガソーラーの建設には、広大な土地調達や電力系統への接続に時間を要するといった課題があります。そのため多店舗チェーンなどの店舗の屋根に小規模システムを搭載する点在型メガソーラーや屋根貸しビジネスが今後普及するものと思われます。
このような需要を受け、システムの短期間導入に貢献するために、オムロンの独自技術である多数台連系(※2)時の単独運転(※3)防止技術(AICOT®:Anti-Islanding COntrol Technology)を搭載した屋外設置型のパワーコンディショナをリリースします。
形KP□Mシリーズの買取制度利用のメリット
- 独自技術のAICOT®を搭載しているため、パワーコンディショナの設置の制限を受けず、いたるところに太陽光発電システムを設置できます。さらに買取制度の手続きに必要な電力会社との連系協議や接続契約の期間が短くなり、短期間での導入が可能です。
- これまで小中規模の産業用太陽光発電システムで主流となっている三相10kW公共・産業用パワーコンディショナに比べ、本KP□Mシリーズはトランスの設置が不要となるためシステムコストが削減できます。
- KP55M(5.5kW)を9台並列に接続することで50kW未満の太陽光発電システムに利用できます。50kW未満のシステムであれば低圧連系(※4)となり、50kW以上の高圧連系に必要なキュービクルの設置が不要で、電力系統の柱上トランスに直接連系が可能となります。
- KP44M(4.4kW),KP55M(5.5kW)のラインアップにより、集合住宅ではJ-PEC(※5)の補助金利用の余剰買取、もしくは全量買取の選択が可能です。集合住宅向けには10kW前後の太陽光システムが主流となりますが、J-PECの補助金を活用する場合は10kW未満が条件のため、4.4kW+5.5kWの9.9kWのシステム構成、全量を売電する場合は10kW以上が条件のため、5.5kW+5.5kWの11kWのシステム構成が可能です。
その他機能の特徴
- 自然空冷方式を採用。静音設計・ファンレスによりメンテナンスフリー
従来、5.5kW以上のパワーコンディショナは強制空冷方式が主流で外部に露出するファンが搭載されていましたが、ファンの騒音や塵埃などの影響で保守メンテナンスが必要といった課題がありました。本KP□Mシリーズは、自然空冷方式で外部ファンレスのため音が気にならず、しかもメンテナンスフリーです。 - 接続箱機能内蔵で、設置コストを削減
従来の屋内設置型パワーコンディショナを太陽電池モジュールに接続する場合、集線接続するために太陽電池モジュールとパワーコンディショナの間に接続箱を設置する必要がありました。本KP□Mシリーズは、本体に接続箱機能を内蔵したため、接続箱の設置が不要で設置性が向上し、設置コスト削減に貢献します。 - パワコン本体に表示部・操作スイッチを装備、オプションで操作表示ユニットを選択可能
従来の屋外設置型パワーコンディショナは本体に表示部や操作スイッチがないため、屋内設置型の操作表示ユニットとセット利用が基本でした。そのため集合住宅への設置では、操作表示ユニットを収めるための収納箱が必要でした。本KP□Mシリーズは、本体に表示および操作スイッチを装備し、集合住宅への設置には本体のみでの設置が可能となります。また、オプションで操作ユニット(KP-SW1)を品揃えし、戸建住宅への設置では従来どおり屋内からの動作状況確認や操作を可能としました。パワーコンディショナの動作状況に加え、運転のON/OFFや、停電時の自立運転の切替が屋内からも可能になります。
オムロンは、独自の技術AICOT®を搭載した屋内外設置型のパワーコンディショナを品揃えし、関連会社のオムロンフィールドエンジニアリングの140拠点のアフターサービス網と連携しながら、住宅用及び買取制度を利用した公共・産業用の太陽光発電システムの普及に大きく貢献していきます。
製品の外観
KP55M/KP44M:横720mm×高さ400mm×奥行220mm
KP-SW1:横70mm×高さ120mm
主な商品仕様
パワーコンディショナ
形式 | 形KP44M-J4 | 形KP55M-J4 | |
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直流入力 | 定格入力電圧 | DC250V | |
最大入力電流 | 28.5A | 38A | |
接続箱機能 | 4回路 | ||
最大入力電圧 | DC400V | ||
動作電圧下限値 | DC60V | ||
交流出力 | 定格容量 | 4.4kW | 5.5kW |
電力変換効率 | 94.5%(接続箱機能含む) | ||
単独運転方式 | AICOT® | ||
絶縁方式 | トランスレス方式 | ||
自立運転時の定格容量 | 1.5kVA | ||
使用周囲温度 | -20~45℃ | ||
使用周囲湿度 | 25~95%RH | ||
外形寸法(横×高さ×奥行) | 720×400×220mm | ||
質量 | 約36kg | ||
空冷方式 | 自然空冷 | ||
ケース | 金属ケース | ||
外装色 | グレー | ||
取り付け方式 | 壁掛け方式 |
操作ユニット
型式 | 形KP-SW1 |
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操作 | 運転切替スイッチ(系統連系運転/自立運転/停止) |
表示 | 運転状態LED(連系/自立) 発電電力(パワーコンディショナが複数台の場合は合計値) エラーコード |
電源供給 | パワーコンディショナ本体から供給 |
パワーコンディショナ接続台数 | 最大5台 |
- ※1:買取制度の商談期間
メガソーラは連系協議や接続契約に大幅に時間が取られるため、今年度買取制度の期限である来年3月から約半年前までの案件決着が必要となります。そのため、本年度後半は連系協議や接続契約を短縮し、導入期間が短い50kW未満の太陽光発電システムが大幅に増加すると見込んでいます。 - ※2:連系(系統連系)
発電設備(分散型発電)の出力を系統(商用ライン)に接続することをいいます。 - ※3:単独運転
発電装置(単機又は複数台数)が連系している電力系統が事故等によって系統電源と切り離された状態において、連系している発電設備の運転だけで発電を継続し、局所的に線路負荷に電力供給している状態を指します。 - ※4:低圧連系
住宅用と同様に太陽光発電用の電力メータを設置して直接電力系統に接続することができます。産業用の高圧連系は売電用のキュービクルを構内に設置することが必要で、かつ専任の管理者を置く必要があります。 - ※5:J-PEC
太陽光発電普及拡大センター
【参考資料】 太陽光発電システムの構造
- 太陽電池モジュール
このパネルで太陽の光を受けて、電気を作ります。 - パワーコンディショナ
太陽電池モジュールで発電された電力(直流)を家庭等で使える電力(交流)に変換、さらにシステム全体の運転を自動管理します。 - 分電盤
発電した電力を各部屋で使えるように各電気機器に送ります。 - 売電・買電用メーター
売却した電力(売電)量と、購入した電力(買電)量をそれぞれ表示します。 - 接続箱
太陽電池モジュールからの配線を一本にまとめてパワーコンディショナに送る装置です。太陽電池モジュールに電気が逆流したり、一度に大きな電流が流れたりしないようにする機能をもっています。
- 本製品の詳細に関してのお問い合わせ先
- オムロン株式会社 環境事業推進本部
パワーエレクトロニクス推進事業部 事業推進課 大橋 勝巳
TEL: 077-565-5102
- 報道関係のお問い合わせ先
- オムロン株式会社
環境事業推進本部 事業企画部 鈴木純子
〒108-0075 東京都港区港南2-3-13 品川フロントビル7F
TEL: 03-6718-3610
E-Mail: junko_suzuki2@omron.co.jp