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四条事業所における土壌・地下水汚染調査の結果と対策について

  • 2012年7月12日
  • オムロン株式会社

オムロン株式会社(社長:山田義仁、本社:京都市下京区)は、2012年3月から7月にかけて、事業部門の転出に伴い当社四条事業所(京都市右京区)敷地内において土壌汚染対策法等に準拠した方法で土壌および地下水の自主調査を実施しました。その結果、敷地内の一部区画の土壌より揮発性有機塩素化合物および重金属類が、地下水より揮発性有機塩素化合物がそれぞれ環境基準値を超えて検出されたため、6月8日および7月6日に、京都市へ報告いたしました。

検出された物質のうち、揮発性有機塩素化合物のトリクロロエチレンは、1970年前後の数年間、電子部品の洗浄用途で使用しており、何らかの理由で土壌に漏洩し残留したものと推測しています。また、シス-1,2-ジクロロエチレン、1,1-ジクロロエチレンについては、トリクロロエチレンが分解生成されたものと推測します。
重金属類のふっ素については、2003年以降、フッ化ナトリウムの使用履歴があり、鉛については1990年頃まで操業中にハンダ付け作業で使用していた履歴があることから、検出された一部はその残留であることが推測されます。

また、併せて実施した調査において、土壌中の廃棄物層に環境基準値を超えるダイオキシン類が検出されました。ダイオキシン類については、1980年代前半まで小型焼却炉を設置しており、稼動実績があることから、焼却灰の一部を土壌に埋めていたことが原因と推測されます。

当社として今回の土壌および地下水の汚染について真摯に受けとめ、周辺地域の皆様にご心配をおかけしたことを心からお詫び申し上げます。今後は周辺地域の住民の皆様に、ご安心いただけるよう京都市と連携をとりながら、誠意を持って早期回復のための浄化対策を実施する所存です。

  1. 調査結果

      項目 最大値 基準値 最大汚染倍率
    土壌 トリクロロエチレン 5.0mg/l 0.03mg/l 167倍
    シス-1,2-ジクロロエチレン 0.042mg/l 0.04mg/l 1.05倍
    鉛 (含有) 1600mg/kg 150mg/kg 10.7倍
    鉛 (溶出) 0.033mg/l 0.01mg/l 3.3倍
    ふっ素 1.8mg/l 0.8mg/l 2.25倍
    地下水 トリクロロエチレン 4.6mg/l 0.03mg/l 153倍
    シス-1,2-ジクロロエチレン 0.62mg/l 0.04mg/l 15.5倍
    1,1-ジクロロエチレン 0.04mg/l 0.02mg/l 2倍
    廃棄物 ダイオキシン類 4500pg-TEQ/g 1000pg-TEQ/g 4.5倍

  2. 経緯

    1.  2012年3月8日 事業部門移転後の活用検討に向け、土壌汚染対策法などに準拠した方法による状況調査(土壌)を開始。
    2.  3月29日 対策工事を行うために、状況調査の結果を踏まえ、さらに深さ方向の汚染状況を確認する詳細調査(土壌・地下水)を開始。
    3.  5月17日 状況調査および詳細調査(対象:揮発性有機塩素化合物および重金属)の最終報告を入手。
    4.  5月25日 状況調査(対象:ダイオキシン類)の最終報告を入手。
    5.  6月8日 京都市環境指導課へ揮発性有機塩素化合物および重金属の調査結果を報告。
    6.  7月6日 詳細調査(対象:ダイオキシン類)の最終報告を入手し、京都市環境指導課、京都市事業系廃棄物対策室へダイオキシン類の調査結果を報告。

  3. 浄化対策
    京都市のご指導を受け、周辺地域の皆様にご安心いただけるよう、建屋の解体を前提に、敷地外への拡散防止、揚水、原位置浄化、掘削除去などを中心にした抜本的な浄化対策を速やかに実施してまいります。詳細については以下の通りです。

    1. 揮発性有機塩素化合物対策(地下水)
      敷地外への流出防止のため、下流側に揚水井戸を設置し、汚染地下水を回収。
      対策工事の支障となる建物を解体し、微生物および鉄粉の原位置浄化により汚染物質を分解し浄化。
    2. 揮発性有機塩素化合物対策(土壌)
      対象区画の外周を遮水壁で囲い込み、汚染土壌を掘削除去して処分。
      残存土壌に鉄粉を混合、更に鉄粉を混合した土砂で埋め戻し、還元分解で浄化。
    3. 重金属類(鉛・ふっ素)対策
      重金属類の汚染範囲を全て掘削除去し、清浄土で埋め戻す。
    4. ダイオキシン類対策
      ダイオキシン類の汚染範囲にある廃棄物層・土壌を全て掘削除去し、清浄土で埋め戻す。

    なお、対策工事にあたっては、騒音・振動を抑制する設備を設置し、また騒音・振動・粉塵については基準値以下であるように毎日監視することで、周辺地域の皆様への影響を最小限にいたします。

  4. オムロン四条事業所概要

    • 住所  〒615-0084 京都府京都市右京区山之内山ノ下町24
    • 敷地面積  3,550m²
    • 利用状況  閉鎖中

物質の性状について

トリクロロエチレン
性状
  • 揮発性有機塩素化合物の一種
  • 水よりも重く常温では揮発性の高い無色透明の液体
主な用途
  • 不燃性で脱脂力が大きいため、機械部品や電子部品の脱脂洗浄剤として使用
人体への影響
  • 低濃度では頭痛、眠気等の神経系へも影響が現れることがある
  • 国際がん研究機関(以下IARC)はグループ2A(人に対しておそらく発がん性がある)に分類
シス-1,2-ジクロロエチレン
性状
  • 揮発性有機塩素化合物の一種
  • 水よりも重く常温では揮発性の高い無色透明の液体
  • トリクロロエチレン等の分解生成物
主な用途
  • 過去は染料、香料、熱可塑性樹脂製造の溶剤として使用
人体への影響
  • IARCからは人に対する発がん性の報告なし
1,1-ジクロロエチレン
性状
  • 揮発性有機塩素化合物の一種
  • 水よりも重く常温では揮発性の高い無色透明の液体
  • トリクロロエチレン等の分解生成物
主な用途
  • 塩化ビニリデン樹脂の原料として使用
人体への影響
  • IARCはグループ3(人に対する発がん性については分類できない)に分類
性状
  • 青みを帯びた白色または銀白色の光沢をもつ金属
  • 空気に触れると酸化されて鉛色に変色する
主な用途
  • バッテリ、はんだの原料、塩化ビニル樹脂の安定剤として使用
人体への影響
  • 高濃度では食欲不振、貧血、腕や足の筋肉の虚弱など現れることがある
  • IARCは金属鉛をグループ2B(人に対して発がん性があるかも知れない)に分類
ふっ素
性状
  • 常温では無色透明の液体で、水に溶けやすい性質
主な用途
  • ふっ素樹脂の原料、ガラスや金属の表面加工に使用
人体への影響
  • IARCは人に対する発がん性を評価していない
ダイオキシン類
性状
  • 通常は無色の固体で、水に溶けにくく蒸発しにくいが、油類に溶けやすい性質
主な用途・発生源
  • 研究目的で分析に使用する以外の用途なし
  • 主な発生源は廃棄物の焼却過程、タバコの煙、自動車の排ガス、製鋼用電気炉などで自然に(非意図的に)生成される
人体への影響
  • IARCは、ダイオキシン類をグループ1(人に対する発がん性があると、グループ3(人に対する発がん性については分類できない)に分類しているが、日常生活で摂取する量では急性毒性は生じないと考えられている

*出所:
 環境省発行「リスクコミュニケーションのための化学物質ファクトシート」
 関係省庁共通パンフレット「ダイオキシン類 2012」

詳細お問い合わせ先
オムロン株式会社
コーポレートコミュニケーション部長 国宗 昌一
〒600-8530 京都市下京区塩小路通堀川東入
TEL: 075-344-7175  FAX: 075-344-7171

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