国際標準規格(IEC61131-3)に準拠した次世代コントローラ PLCopenモーション制御用ファンクションブロックに適合
- 2011年12月26日
- オムロン株式会社
オムロン株式会社は、2011年7月に発売したマシンオートメーションコントローラ「Sysmac NJシリーズ」およびオートメーションソフトウエア「Sysmac Studio」が、"PLCopen" の「モーション制御用ファンクションブロック」への適合認証を授与されたことを発表します。"PLCopen" はPLC(プログラマブルロジックコントローラ)用プログラミング言語の国際標準規格であるIEC 61131-3 (日本においてはJIS B3503)の普及団体であり、「モーション制御用ファンクションブロック」は、同団体が活動の一つとしてグローバルに標準化を推進している技術仕様です。
これまで、PLCのプログラムはFA電気技術者用 "ラダー図言語" をベースに各社さまざまな仕様を用いてきたため、エンジニアは複数のプログラミング仕様を把握、習得する必要があり、これがエンジニアの育成の大きな障壁となっていました。また、エンジニアにより、プログラムの記述方法や動作仕様が異なるため、他のエンジニアによるプログラムの解読や再利用が困難となっていることも問題視されていました。さらに、PLCのロジックプログラムと駆動機器のモーション制御プログラムは別々のプログラミングソフトになっており、中でもモーション制御プログラムは非常に複雑で難しい設定が必要であったため、ミスなく設定することがエンジニアの負荷を大きくしていました。
「モーション制御用ファンクションブロック」はIEC 61131-3に準拠し、PLCのプログラムソフトウエア上での設定を可能とする、モーション制御用のシンプルな命令ライブラリです。この「モーション制御用ファンクションブロック」は、マシンオートメーションコントロールに必要となる主要なモーション制御動作がライブラリ化されています。そのため、装置アプリケーションの用途に合わせて該当するファンクションブロックを選ぶことで、簡単にPLCのロジックプログラムに組み込むことができます。また、命令としての品質が確保されたライブラリであるため、プログラムの再利用性が向上し、プログラムの検証や修正、および管理コストの低減に大きく貢献します。さらに、「モーション制御用ファンクションブロック」は、国際標準規格であるIEC 61131-3に準拠した言語仕様で作成されているため、エンジニアの確保を容易にするだけでなく、エンジニアのトレーニングコストも軽減されます。
以上のように、グローバル競争にスピードが求められる現状において、「モーション制御用ファンクションブロック」によるプログラムの標準化は非常に有用な手段となります。
認証授与式は11月に開催された、システムコントロールフェア2011(日本)およびSPS/IPC/Drivers展(ドイツ)で行われ、PLCopenのManaging Director、Eelco van der Wal氏より認証書が授与されました。
当社は、今後もオープンな国際標準規格に準拠した製品を開発し、製造業の進化に貢献し続けることを目指します。
Sysmacマシンオートメーションコントローラ「NJシリーズ」
製造現場を革新するマシンオートメーションコントローラ「NJシリーズ」およびオートメーションソフトウェア「Sysmac Studio」は、PLC用プログラミング言語の国際標準規格IEC 61131-3に準拠した製品です。国際標準の工業通信規格であるマシン制御用オープンネットワーク「EtherCAT」、および情報通信用オープンネットワーク「EtherNet/IP」の採用により、マシン内の制御ネットワークを統合し、マシンと工場間をシームレスに接続します。
PLCopen
PLC用プログラミング言語の国際標準規格であるIEC 61131-3(日本においてはJIS B3503)を普及する団体です。プログラムの標準化による、教育・運用・メンテナンス・エンジニアリングに関わるコスト削減を提言しています。
- * Sysmacは、オムロン株式会社FA機器製品の日本およびその他の国における商標または登録商標です。
- * EtherCAT® は、ドイツのベッコフオートメーション株式会社がライセンスを供与した登録商標であり、特許取得済みの技術です。
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