公益財団法人 立石科学技術振興財団 平成23年度(第22回)助成決定のお知らせ
- 2011年4月19日
- オムロン株式会社
この度の東日本大地震により被災された皆様に、謹んでお見舞い申し上げます。
公益財団法人 立石科学技術振興財団(理事長:立石信雄・オムロン株式会社相談役、所在地:京都市下京区塩小路通堀川東入南不動堂町801番地)は、平成23年度(第22回)の助成テーマを決定しました。
研究に対する助成として22件(応募数165件)、国際交流に対する助成として前期3件(応募数30件、後期は9月下旬決定))を選定・決定しました。また助成金の交付を開始します。(選定・決定した申請者及び申請課題については、こちらをご参照下さい。)
研究助成 件数・額 |
国際交流助成 件数・額 |
合計 件数・額 |
|
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今回(第22回) | 22件 5394万円 |
(前期のみ) 3件 (前期のみ)62万円 |
25件 5456万円 |
累積(第1回~第22回) | 470件 10億9298万円 |
234件 8704万円 |
704件 11億8002万円 |
今回助成される皆様には是非とも研究課題を達成していただき、最先端の科学技術でグローバル社会に貢献していただくことを期待します。
立石科学技術振興財団は、オムロン株式会社の出捐と、故立石一真(当社創業者)、故立石孝雄(当社元代表取締役会長)が、それぞれ保有するオムロン株式会社の株式を拠出して設立したものです。その目的は、エレクトロニクスおよび情報工学の分野で、人間と機械の調和を促進する研究および国際交流に対し助成を行い、技術革新と人間重視の両面から真に最適な社会環境の実現に寄与することです。(財団の概要については、こちらをご参照下さい。)
オムロン株式会社は、企業理念の中核として「企業は社会の公器である」を掲げています。この趣旨のもと、立石科学技術振興財団の目的に賛同しその活動を支援しています。
平成23年度研究助成テーマと申請者(五十音順)
NO. | 申請者氏名 | 申請者の所属機関名・職名 | 年齢 | 申請課題名 |
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1 | 内山 剛 | 名古屋大学 大学院工学研究科 准教授 |
50 | 超高感度MIセンサを用いた非接触携帯型脳波計の開発 |
2 | 大脇 大 | 東北大学 大学院工学研究科 電気・通信工学専攻 助教 |
28 | 柔軟な足裏の変形から生み出される感覚情報処理メカニズムの解明 |
3 | 河合 俊和 | 大阪工業大学 工学部 ロボット工学科 准教授 |
37 | 触診機能搭載型オーダーメイド手術支援マニピュレータの開発 |
4 | 後藤 雄治 | 大分大学 工学部機械・エネルギーシステム工学科 准教授 |
38 | 経鼻胃管挿入時における管先端位置の電磁モニタリング法の開発 |
5 | 小林 祐一 | 東京農工大学 大学院 工学研究院 先端電気電子部門 特任准教授 |
35 | 柔軟に状態空間を変更可能な行動計画法による複数ロボットの協調行動の創発 |
6 | 佐々木 誠 | 岩手大学 工学部 機械システム工学科 助教 |
33 | 人の心と体に配慮した新しい生活支援技術の開発 |
7 | 塩田 達俊 | 長岡技術科学大学工学部電気系 准教授 |
37 | 3次元スペクトル解析と3次元動画顕微鏡の一括計測の実現 |
8 | 下ノ村 和弘 | 立命館大学 理工学部 ロボティクス学科 准教授 |
34 | 近赤外画像計測による睡眠中の非拘束眼球運動検出 |
9 | 神 隆 | 独立行政法人 理化学研究所 生命システム研究センター ナノバイオプローブ研究チーム チームリーダ |
50 | 新規光造影剤を用いた早期乳がんの非侵襲近赤外蛍光検出法の開発 |
10 | 杉本 雅則 | 東京大学 大学院 工学系研究科 電気系工学専攻 准教授 |
43 | モバイル環境での頑健な超音波モーションキャプチャシステムの開発 |
11 | 田熊 隆史 | 大阪工業大学 工学部 電気電子システム工学科 講師 |
35 | 空気圧人工筋の受動性を利用した頑健な外力・姿勢変化推定機構の開発 |
12 | 中川 智皓 | 大阪府立大学 大学院 工学研究科 機械系専攻 機械工学分野 助教 |
27 | 人間との親和性を有するパーソナルモビリティの運動制御 |
13 | 長縄 明大 | 秋田大学 大学院 工学資源学研究科機械工学専攻 教授 |
43 | 小腸内圧計測制御装置の開発 |
14 | 野田 堅太郎 | 東京大学 大学院 情報理工学系研究科 知能機械情報学専攻 特任助教 |
28 | 液体フィルタを用いたすべり計測触覚センサに関する研究 |
15 | 平井 慎一 | 立命館大学 理工学部 ロボティクス学科 教授 |
47 | 帯状物体のマニピュレーションに関する研究 |
16 | 平井 宏明 | 大阪大学 大学院 基礎工学研究科 機能創成専攻 講師 |
36 | 筋シナジーに基づく運動支援インタフェースの開発 |
17 | 間所 洋和 | 秋田県立大学 システム科学技術学部 機械知能システム学科 助教 |
34 | 移動ロボットによる教師なし学習に基づく一般物体認識の研究 |
18 | 宮崎 剛 | 神奈川工科大学 情報学部 情報工学科 准教授 |
38 | 読唇技能保持者をモデル化した機械読唇のための特徴的口形検出方法に関する研究 |
19 | 矢入 郁子 | 上智大学 理工学部 情報理工学科 准教授 |
40 | 快適な車いす利用に向けた乗心地指標化のためのパーソナルセンシング・動的測量技術 |
20 | 柳原 大 | 東京大学 大学院総合文化研究科・生命環境科学系 身体運動科学 准教授 |
46 | 障害物回避歩行における肢運動の適応制御に関わる小脳機能の解明 |
21 | 河本 浩明 | 筑波大学大学院 システム情報工学研究科知能機能システム専攻 助教 |
36 | 片麻痺患者のための健側歩容を活用した装着型歩行支援システム |
22 | 橋本 守 | 大阪大学 基礎工学研究科 准教授 |
44 | カソードルミネッセンス顕微鏡による細胞中の高空間分解能蛋白質イメージング |
研究助成件数 22件 合計 5,394万円
平成23年度前期国際交流助成テーマと申請者(五十音順)
(1)派遣
NO. | 申請者氏名 | 申請者の所属機関名・職名 | 年令 | 派遣先研究集会・主催名 | 派遣先国 |
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1 | Tran Xuan Bo | 豊橋技術科学大学 工学研究科 博士後期3年 |
27 | The Twelfth Scandinavian International Conference on Fluid Power, SICFP'11 国際会議等の主催者名:Department of Intelligent Hydraulics and Automation,Tampere University of Technology |
タンベレ市 フィンランド国 |
2 | 古海 誓一 | 独立行政法人 物質・材料研究機構 光材料センター 主任研究員 |
37 | Collaborative Conference on 3D & Materials Research (3DMR) 主催者名:Kwangwoon University, Springer, Materials Research Society (MRS |
済州島 韓国 |
3 | 森田 実 | 山口大学 工学部 理工学研究科 助教 |
29 | The 7th International Workshop on Systems,Signal Processing and their Applications 主催者名:Organized by the Ecole Nationale Polytechnique |
Tipaza市 アルジェリア国 |
(2)特別招聘
なし
(3)一般招聘
なし
前期国際交流助成件数 3件 合計 62万円
平成23年度(第22回)主な研究助成テーマの抄録
申請者:河合 俊和(大阪工業大学 工学部 ロボット工学科・准教授)
研究課題:触診機能搭載型オーダーメイド手術支援マニピュレータの開発
内視鏡下手術支援ロボットda Vinciを使った手術が日本でも広まり始めた.多自由度の専用術具を備えるアームをマスタスレーブ制御することで,高い位置決め精度の手術が行える.一方,力覚が無いため医師に過度の負担を強いると考えられ,手術後の死亡事例は記憶に新しい.また,臓器の硬さには個人差があり,安全な手術を行うには患者に応じて最大把持力を設定できることが望ましい.これら課題を解決すべく本研究の目的は,個々の患者の臓器硬さに応じたロボット支援手術が行える, 触診機能搭載型オーダーメイド手術支援マニピュレータの開発である.これにより,臓器損傷の少ない手技が実現し,患者に優しい機械と人間の調和へ繋がる.
申請者:塩田 達俊(長岡技術科学大学工学部電気系・准教授)
研究課題:3次元スペクトル解析と3次元動画顕微鏡の一括計測の実現
自動車産業を始めとした製造業分野では、生産拠点をグローバル化しても均一な製品供給へ向けて厳密な塗装や鍍金の評価法が求められている。本研究は3次元物体の内部構造と構造毎のスペクトルを同時に計測できる技術を開発する。
想定用途としては、上記以外にも空港での手荷物検査や、封筒や貨物などの郵便物などの危険物検査、食品への異物混入検査等の広い分野への展開が考えられる。
また、生体内を非接触・非侵襲に計測できるので、医療分野への波及が考えられる。具体的には、X線CTに代わる安全な医療用計測装置や脳機能計測、遺伝子解析、眼底検査、癌の早期発見などがある。さらに、農産物の品質管理用計測器への応用も可能である。
申請者:神 隆(独立行政法人 理化学研究所 生命システム研究センター ナノバイオプローブ研究チーム チームリーダ)
研究課題:新規光造影剤を用いた早期乳がんの非侵襲近赤外蛍光検出法の開発
乳がんは15才から60才代女性の死亡原因の第1位であり、その死亡者数は近年増加の一途をたどっている。早期乳がんは切除することにより、ほぼ確実に再発を防ぐことが出来る。そのため、早期乳がんを発見するイメージング技術の開発は非常に重要である。現在一般的な乳がんのスクリーニング検査として、軟X 線乳房撮影(マンモグラフィー)や超音波診断等がおこなわれているが、超早期(5 mm以下)の乳がんを発見することは困難である。本研究では、蛍光性金ナノクラスターを検出用分子プローブとして用いることにより、「生体の光学窓」と呼ばれる波長700-1300nmにおける早期乳がんの超高感度近赤外蛍光検出システムを開発する。
申請者:平井 宏明(大阪大学 大学院 基礎工学研究科 機能創成専攻・講師)
研究課題:筋シナジーに基づく運動支援インタフェースの開発
本研究は, 冗長筋骨格系を有する人の運動支援を「筋シナジー」の概念で解釈し, その抽出・予測結果をもとに「人と機械の調和」について考察するものである。ここでは, 筋拮抗比・筋活性度の2つの新概念を導入し, 冗長筋群の活動を運動タスク固有の筋シナジーと関連づけることで, ①身体の運動制御モデルを確立するとともに, ②マスタ(人)の運動意図をリアルタイムに読み取り, スレーブへの運動指令に変換する「人と機械をつなぐ知的情報処理システム」の開発を行う。本課題では, 運動生理学の大問題であるBernstein問題解決の糸口を筋シナジーに基づく階層制御モデルとして提示し, これをインタフェースとすることで人と機械の融合の具現化を図る。
公益財団法人 立石科学技術振興財団の概要
名称 | : | 公益財団法人 立石科学技術振興財団 |
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所在地 | : | 京都市下京区塩小路堀川東入南不動堂町801番地 |
設立年月日 | : | 平成2年3月6日 |
目的 | : | エレクトロニクス及び情報工学の分野で、人間と機械の調和を促進する研究に関する活動を支援し、技術革新と人間重視の両面から真に最適な社会環境の実現に寄与することを目的とする。 |
事業内容 | : | エレクトロニクスおよび情報工学の分野で、人間と機械の調和を促進するための研究に関する活動を支援する。
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事業年度 | : | 毎年4月1日から翌年3月31日まで |
評議員 | : | 8名 |
役員 | : | 理事長 立石 信雄(オムロン株式会社 相談役) 常務理事 田中 敏文 他 理事5名 監事2名 |
基本財産 | : | オムロン(株)株式2,625,000株 |
特定財産 | : | 現金11億円 |
その他 | : | 平成22年7月1日付けで公益財団法人に移行 |
- 詳細お問合せ先
-
公益財団法人 立石科学技術振興財団
事務局長 進藤 仁志
〒600-8234 京都市下京区塩小路堀川東入南不動堂町801番地
TEL:075-365-4771
http://www.tateisi-f.org