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世界初(※1)EtherCAT対応位置決め専用視覚センサ 形FZM1シリーズを発売

  • 2010年5月13日
  • オムロン株式会社

(※1)スタンドアロン機にて(2010年5月10日 当社調べ)

オムロン株式会社は、以下の商品を国内で5月17日から発売します。

EtherCAT対応位置決め専用視覚センサ 形FZM1シリーズ

本商品は高速ネットワーク「EtherCAT」に対応した世界初の視覚センサです。

近年の製造業(特にFPD、半導体、電子部品業界、食品)では、タクトタイムの向上が製造装置の付加価値を生むことから、よりいっそうの高速性や高機能、使いやすさが求められています。また、市場ニーズの急激な変化に迅速に対応するために、装置の早期立上げや、設計から運用にかかる工数の低減が課題となっています。その中で、位置決め制御の速度や精度への重要性が高まっており、そのニーズに応えるため、オムロンでは、PLCの位置制御ユニットやサーボドライバの処理を高速化するとともにそれらをつなぐネットワークとして超高速通信が可能なEtherCATを採用しています。

今回発売する形FZM1シリーズは、位置決め制御の「目」となる位置決め専用視覚センサです。様々な業界の製造ラインでの品質検査で評価の高いFZシリーズに、位置決め専用の新しい画像処理アルゴリズムを加え、位置決め計測での安定検出と高速処理を実現しました。また、EtherCATに対応することで、従来課題とされてきた位置制御ユニットやサーボドライバとの接続の難しさを解消し、システムトータルとしての処理スピード向上を実現します。さらに、キャリブレーション(カメラで撮像した画像上での位置座標を出力先のステージやロボットの座標に変換すること)のための演算や通信プログラムの作成など、位置決め独特の難しい設定作業を簡易化・自動化することで、設計時の工数を削減し、装置の即立上げに貢献します。

主な特長

  1. ロバスト性を高め、安定した計測を実現
    形FZM1シリーズには様々な対象物に合わせた位置決め検出専用の画像処理項目を搭載しています。これらの処理項目から対象物に合わせて項目を選択するだけで、演算や複雑な設定をすることなく安定した位置決め検出が行えます。例えば、十字型のアライメントマークの中心位置を検出する場合、十字マーク専用の処理を選択するだけで、マークを検出し、中心位置を自動で算出します。また従来一般的に使われるサーチ処理やパターンマッチングの場合、外乱光や対象物のばらつきあるいは汚れによって対象物の位置を誤検出することがありますが、形FZM1シリーズでは対象物を幾何学図形として認識できるEC(エッジコード)画像処理技術を搭載することで外乱光や汚れの影響による検出位置のズレを最小限に抑え、安定した位置検出が可能となりました。

    <計測処理項目例>

    • (1)液晶パネルやプリント基板の製造工程で用いられる十字マークや丸印など、アライメントマークを高精度に検出。汚れの付着や2つのマークが重なっても位置を確実に検出することができます。

      汚れの付着
      汚れの付着

      マークの重なり
      マークの重なり

    • (2)アライメントマークが印刷できない対象物には、対象物のコーナーを検出して位置決めを行うことができます。丸みのあるコーナーや欠けの発生にも影響を受けず、安定して対象物を検出します。

      丸みのあるコーナー
      丸みのあるコーナー

      欠けのあるコーナー
      欠けのあるコーナー

    • (3)電子部品や食品のピッキングなど、汚れや印字ミスで特徴点が検出できない場合、輪郭情報で対象物の位置や姿勢を検出するECMサーチ処理を使うことで高精度な位置・姿勢計測が行えます。

      汚れの付着
      汚れの付着

      印字ミス
      印字ミス

  2. 難解な位置決め制御を簡単にし、余計な工数を削減
    これまで、視覚センサを使って位置決め制御を行う場合、出力先に合わせた配線、設計、設定、座標変換など、位置決め独特の難解な演算や設定作業が必要でした。形FZM1はこれらの作業を従来よりも簡単なプロセスで実行できる機能を搭載。設計工数の削減に貢献します。

    • (1)EtherCATで配線、設計の負担を軽減
      リアルタイムのリモートI/O制御が可能なオープンネットワークEtherCATを搭載。Ethernetケーブル1本だけでトリガ入力、結果出力の全ての通信が可能となります。これにより、配線作業のムダや誤配線による立上げ時のトラブル、PLC側でのラダープログラム作成負担を軽減することができます。

    • (2)簡単オートキャリブレーション
      2カメラによる位置決め制御を実行する際に、各カメラの視野や取り付け方向に制約を受けることなく、座標変換を簡単に行うことができるオートキャリブレーション機能を搭載。ウィザード方式の画面に沿って設定するだけで面倒な演算をせずに視覚センサと出力機器の座標変換ができます。

  3. 高速画像入力と20倍速サーチ処理でスループットを短縮
    視覚センサの位置決め検出におけるスループット(画像入力から画像処理、通信時間を含めたトータルの処理速度)を短縮しました。

    • (1)ハイスピードカメラ
      従来の30万画素カメラでの画像取り込み時間を大幅に高速化できるハイスピードカメラをラインナップ。部品の高速整列などを実現できます。

      ハイスピードカメラ

    • (2)20倍速新ECMサーチ
      オムロン独自のサーチ処理を進化させた検出速度従来比20倍の新ECMサーチ処理(※2)を搭載。従来、向きがバラバラで流れてくる複数の対象物の検出には処理時間がかかっていましたが、新しいECMサーチ処理によりこれらの検出の超高速化を実現。これにより、流れてくる電子部品や食品のピックアンドプレースがさらに高速に処理できます。

      (※2) ECMサーチ(エッジコードモデルサーチ)
      明るさの変化がある部分をエッジコードとして認識し、幾何学演算によりモデルの相関値や位置を計測するオムロン独自のサーチ処理です。通常のサーチ処理では検出できないコントラストの低い画像やノイズの多い画像を安定してサーチすることができます。

      【対象物が回転した場合のサーチ速度】
      対象物が回転した場合のサーチ速度

仕様

名称 入出力タイプ 形式
EtherCAT対応
位置決め専用視覚センサ
NPN 形FZM1-350-ECT
PNP 形FZM1-355-ECT

標準価格

オープン価格

生産工場

オムロン株式会社 綾部工場

販売目標

初年度販売計画 10億円

新商品詳細URL (5月17日よりご覧になれます)

詳細お問合せ先
オムロン株式会社
インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー
オートメーションシステム統轄事業部 アプリセンサ事業部 事業推進部
プロダクトマネージャー 村岸 直浩 (担当 大原 聖史)
〒600-8530 京都市下京区塩小路通堀川東入
TEL: 075-344-7068

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