スイッチ事業で世界一を目指し、オムロン スイッチアンドデバイス(株)事業開始
- 2010年3月31日
- オムロン株式会社
オムロン株式会社(本社:京都市下京区、代表取締役社長:作田 久男)は、スイッチ事業の強化に向けて、2010年4月1日、オムロン スイッチアンドデバイス株式会社(略称:OES)において事業を開始します。
また同日、リレー事業の強化に向けて、オムロン武雄株式会社をオムロン リレーアンドデバイス株式会社(略称:OER)に経営統合し、武雄拠点はOERの事業所として運営を開始します。(今回のスイッチとリレーの施策は、2009年11月26日に発表済です)
1. OESについて
OES発足の概要
OESは、従来スイッチの開発・生産を行う当社の連結子会社であるオムロン倉吉株式会社を2010年4月1日付で商号変更し、本店を当社岡山事業所内に移転して事業を開始するものです。OES発足にあたっては、エレクトロニック&メカニカルコンポーネンツビジネスカンパニー(略称:EMC)のスイッチ事業をオムロン倉吉株式会社に会社分割(吸収分割)により承継すると同時に、当社の連結子会社であるオムロン出雲株式会社を存続会社であるオムロン倉吉株式会社に吸収合併させます。倉吉、出雲の各生産拠点は今後もOESの事業所として運営します。
OES発足の狙い
スイッチ市場は今後も堅調に成長していく魅力のある市場ですが、新興国競合の台頭など、競争がグローバルで激化しています。
オムロンのスイッチ事業は、業務・民生用途から車載、FA・産業用途までの3万種以上の業界トップクラスの品揃えを誇っています。また、スイッチの基本性能である接触信頼性に拘り、先端の材料・精密加工技術等のものづくり技術で生み出される商品を、部品から組立までの一貫体制で行うことで高い品質を実現させています。
このような競争環境下において自社の強みを最大限に発揮し、成長の見込まれるスイッチ市場で事業拡大を行うために、商品企画・開発設計・生産が一元化し、さらに市場変化を先取りした新商品の創出と、顧客のアプリケーションに適応したカスタマイズにスピーディに対応できる体制をめざします。スイッチの総合メーカーとして、先端のものづくり技術で顧客の多様なニーズに対応する「オンリーワン・オンリーユー戦略」で成長を加速させていきます。
OESの事業戦略
スイッチ事業強化を次の3つの観点で実行します。
(1)グローバル展開の加速
【生産のグローバル展開】
ものづくりにおいては「グローバル生産3層構造の確立」を行います。ものづくりの基盤技術の開発を行う国内マザー工場、QCDを徹底追求する海外サテライト工場、特定の強みをもつ外部パートナーと三者の役割・機能を明確化にし、グループ全体でものづくり全体の最適化を目指していきます。これに伴い、国内の倉吉・出雲工場からは海外サテライト工場への生産移管を進め、岡山・倉吉・出雲の国内拠点はマザー機能強化に向け役割を変化させていきます。
【営業のグローバル展開】
顧客の生産活動は日々国境を越えて活動しており、開発拠点と生産拠点の国が異なることも珍しいことではありません。オムロンは全世界で150を超える自社の営業拠点を有しており、これら営業拠点と生産拠点をOESがハブとなり一元的にコントロールすることにより顧客へ最適なQCDを提供し、顧客のグローバル事業活動に貢献します。
(2)新商品創出の加速
スイッチ事業の特徴は顧客の使用方法(アプリケーション)を熟知して、その用途に最適になるように、都度開発・改造対応が必要になる点です。そこで、OESでは国内・海外を問わず、技術者が顧客を訪問し、そのニーズを的確に掴むことにより新商品創出を加速させるフロントエンジニアリング体制を構築・強化していきます。今年度は産業機器用途で耐油性に優れたスイッチや、近年益々電装比率の高まっている車載用途ではドアスイッチなどをリリースしていく予定です。
(3)ものづくり技術の強化
グローバル競争に打ち勝つために、ものづくり技術の強化により、既存のものづくりのブレークスルーを行います。そのために、OESでは特に、地球環境への配慮と原価低減を目的とし、あらゆる“省”に拘ったものづくりをキーコンセプトに技術基盤の強化を行っていきます。具体的にはMFCA(マテリアル・フロー・コスト・アカウント)の取組みにより、従来生産プロセスで捨てられていた材料の「見える化」を行い、それを新金型設計コンセプトによるプレス材の廃材レス、材料開発による省材化、ハイサイクル成型技術による成型材料の廃棄ロス等で実現していきます。
OESの各拠点の機能
【岡山本社】
OESの本社となる岡山拠点には、事業戦略・商品企画・商品開発・生産技術の各機能を集結し、これらを有機的に連携させることにより高いレベルでのものづくりを行っていきます。岡山拠点はオムロングループ横串の技術支援部門である「ものづくり革新本部」があり、その保有する要素技術を活用して、より高度な商品開発や生産技術の強化を図っていきます。
【倉吉事業所・出雲事業所】
倉吉事業所では部品・金型技術と自動化生産に強みを保有しており、部品からの一貫生産力で高い量産品質を実現しています。また、出雲事業所では産業機器向け商品の生産で培った多品種少量生産で、しかも高い信頼性を実現しています。これら従来から保有する生産ノウハウを活かして既存商品の生産を継続して担うとともに、「グローバルマザー工場」として海外工場の管理、指導を行っていきます。
売上目標
OESはスイッチ事業で世界一になることを目標とし、2018年度までに売上500億円を目指します。
OESの概要
代表者 | 代表取締役社長 谷口 宜弘(たにぐち よしひろ) |
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所在地 | 岡山県岡山市中区海吉2075 |
事業種目 | 産業機器用、業務民生用、車載用スイッチの事業計画・マーケティング・開発・生産 |
資本金 | 3億円(2010年4月現在) |
設立 | 1969年4月24日(商号変更:2010年4月1日) |
従業員数 | 664名(2010年4月1日現在) |
2. リレー事業の経営統合について
当社のリレー事業は、オムロン リレーアンドデバイス株式会社(略称:OER)と、オムロン武雄株式会社で構成されています。両社は2010年4月1日、ものづくり技術力の強化、グローバルでの生産の最適化を進めるために経営統合します。
今回の統合によりオムロン武雄の事業企画、マーケティング機能や設計機能などをOER本社の熊本拠点に集結し、グローバルでの事業統括を担うとともにリレーのものづくり技術を強化します。武雄拠点は多品種少量生産のノウハウを活かした生産に集中していきます。経営統合後のOERの事業目標として、2014年度に売上850億円を目指します。
OERの概要
代表者 | 代表取締役社長 多田 幸一 (ただ こういち) |
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所在地 | 熊本県山鹿市杉1110番地 |
事業種目 | リレーならびにその周辺機器の事業計画・マーケティング・開発・生産 |
資本金 | 3億円(2010年4月現在) |
設立 | 1971年8月24日(商号変更:2003年4月1日) |
創業 | 1972年4月6日 |
売上高 | 289億円(2008年度) |
従業員数 | 1,034名(2010年4月1日現在) |
- 詳細お問い合わせ先
- オムロン株式会社
エレクトロニック&メカニカルコンポーネンツビジネスカンパニー
企画室 渥美 昌之
〒600-8530 京都市下京区塩小路通堀川東入
TEL: 075-344-7047