接続した機器毎のCO2排出量を「見える化」するリモート電源制御装置 「マルチコントロールコンセントRC3008」の発売について
- 2010年2月16日
- オムロン株式会社
オムロン株式会社(本社:京都市下京区、代表取締役社長:作田 久男)は、接続した機器毎の消費電力量をCO2排出量に換算してモニタリングできるリモート電源制御装置マルチコントロールコンセントRC3008を、2010年3月17日より発売します。
製品名称 | 形式 | 主な機能 | 希望小売価格 | 販売目標 |
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リモート電源制御装置マルチコントロールコンセント | RC3008 |
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¥236,250 (税抜¥225,000) |
年間 1,000台 |
今や企業にとって、グリーンITを推進し企業活動の低炭素化に取り組むことは、喫緊の課題であり、あらゆる活動の場でCO2排出量(消費電力量)を見える化し削減していくことが求められています。こうしたなか、企業のサーバールームをはじめとするIT機器の設置環境では、消費電力量をサーバーラック単位など一定のまとまりでしか把握できず、機器単位で的確な対応を図ることが困難でした。
そこでオムロンは、対応の検討に必要なデータを提供し、機器毎のCO2排出量削減に役立つ製品として、「リモート電源制御装置マルチコントロールコンセントRC3008」を開発しました。
RC3008は、8個の出力コンセントに接続された機器毎の消費電力量を、高精度に計測し、CO2換算します。また、監視用パソコンからインターネットを経由して、本機に接続した機器の状態を遠隔監視すると共に、状況に応じて機器の操作(OFF/ON)を行う機能を有しています。
これらの機能を活用することで、これまで積極的なグリーンITの推進が困難だった企業や組織においても、容易にCO2排出量の「見える化」を実現し、CO2や電力消費コストの削減に取り組むことが可能となります。
今後、オムロンは、こうしたエネルギーの計測・制御機器やセンサネットワークのラインナップを拡充し、グリーンITの推進に向けた様々なお客様の要求に対応していくと共に、お客様のROC(※)を最大化させるための設備改善機器やサービスを、順次、市場投入していきます。
※ROCとは
Return on Carbon=炭素利益率の略で、営業利益をCO2排出量で割ることで求められます。
いかに少ないCO2排出量で、効率的に多くの利益を生み出せたかに着目した企業の環境効率を示す指標です。
製品の外観
主な特長
出力コンセント毎に消費電力量(CO2排出量)を高精度で測定可能
専用のセンサとICにより、システム全体ではなく出力コンセントに接続した機器毎に、高精度な消費電力量(CO2排出量)測定が可能。測定結果はSNMP(※1)で取得し、標準添付のWindows対応測定データ取得用ソフトを使用することで、積算値の管理やグラフによる確認が可能です。
8個の出力コンセントを個別にリモート制御
2系統で各4個ずつ計8個の出力コンセントを、ブラウザまたはtelnet(※2)で個別にリモート制御。系統毎に15A(合計1,500W)、2系統合わせて30A(合計3,000W)まで制御できます。
スクリプト(※3)による自動シャットダウン
接続した機器をシャットダウンするためのスクリプトを登録しておくと、該当する出力コンセントをOFFにすることでスクリプトを実行し自動シャットダウンができます。シャットダウン用ソフトをインストールできないアプライアンスサーバ(※4)や無停電電源装置(UPS)を使用しない構成でも、簡単にシャットダウンできます。また、各監視機能やスケジュールによる出力コンセントOFF命令との連携も可能です。さらには、UPSとRS-232Cケーブルで接続することで、UPSの停電発生信号をトリガとしてスクリプトを実行することも可能です。
分単位で設定可能な年間スケジュール運転
年間カレンダー機能により、1年分の運転スケジュールを分単位で設定可能です。
設定したスケジュールに従って出力コンセントが個別にOFF/ONされます。
ping監視(※5)/温度監視/出力電流監視による出力コンセントの自動制御
通信機器をping監視することによりフリーズした機器を自動リブート(※6)します。
また、サーバーラック内の温度を監視することで必要な時だけファンを運転したり、出力コンセントの電流値を監視することで設定値を超えた場合に出力コンセントを自動的にOFFしたりするなど、さまざまなケースに対応した自動制御が可能です。
※温度制御には別売の温度センサ(型式:RCTS)が必要です。
温度センサを取り付けた状態
ツイストロック式コンセントを搭載
意図しない電源プラグの抜けを防ぎます。
19インチEIAラック(※7)用取付金具を標準添付
標準添付のラック用取付金具を使用することで、19インチEIAラックへ簡単に設置可能です。(ラックマウント(※8)しない場合は添付のゴム足を取り付けて使用できます。)
【用語解説】
- ※1 SNMP
- Simple Network Management Protocol。ルータやコンピュータ、端末など、ネットワークに接続された通信機器をネットワーク経由で監視・制御するためのプロトコル(通信規約)。
- ※2 telnet
- ネットワークにつながれたコンピュータを遠隔操作するためのプロトコル。
- スクリプト
- 必要な処理を自動化して実行するための簡易的なプログラム。
- ※4 アプライアンスサーバ
- 特定の機能に特化した専用サーバ。
- ※5 ping監視
- 監視対象機器が稼動しているかどうかをping(ネットワーク診断用のツール)を使って確認すること。
- ※6 自動リブート
- 自動的に再起動すること。
- ※7 19インチEIAラック
- 機器類を複数、集中的に収容するために規格化されたキャビネット。データセンターなどでサーバや通信機器を収容するために使用される。EIAとJISの2つの規格があるが、情報通信分野ではEIA規格が主流。
- ※8 ラックマウント
- 機器類をラック(キャビネット)に収容すること。ラックの機器取り付け用支柱にネジ止めする。
使用例
- サーバ/NAS/通信機器等と一緒にRC3008をラックマウント、RC3008の出力コンセントにサーバ等を接続。
- RC3008の入力電源はUPSに接続、UPSから停電発生の信号を受けたらスクリプトによりサーバ等をシャットダウン。
- 通信機器の死活監視など各種監視機能を実行。稼動状況は遠隔からPCで監視。必要があればリモート制御を実行。
「デモ機貸し出しサービス」を利用して、ご購入前にお客様の環境で実際に使用して、評価いただくことが可能です。
※当社ホームページからのお申込みとなります。
https://www.omron.co.jp/ped-j/dengen/support/demo/index.htm
ターゲットユーザー
以下のような課題を解決したいとお考えのエンドユーザ企業
- 遠隔地のシステムを監視、制御したい
- システム全体ではなく機器毎に消費電力量(CO2排出量)を測定したい
主な仕様
ハードウェア
インタフェース | LAN:100BASE-TX/10BASE-T(IEEE 802.3準拠 RJ-45) ×1、 Serial:RS-232C(D-sub9)×2、温度センサ接続端子(RJ-11) ×1 |
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LED | 通信状態×2、稼動状態×2、電源状態×2、各コンセント出力状態×8 |
コンセント | 8(抜け防止機構式) |
最大制御出力 | AC100V 15A(合計1500W)×2系統 |
使用電源 | AC100±10%(50/60Hz) |
消費電力 | 約7W |
質量 | 約4.2kg |
外形寸法 | W438×D238×H43.4(mm) (取付金具含まず) |
使用温湿度 | 0~40℃ 20~85%(結露なきこと) |
取得規格 | PSE(特定電気用品)、VCCI ClassA、端末機器技術適合認定 |
ソフトウェア
対応プロトコル | ARP、BOOTP、DHCP、TCP/IP、UDP/IP、ICMP、HTTP、TELNET、SSH、SNMP、POP3、APOP、SMTP-AUTH、NTP、PPPoE ※2010年夏にHTTPS/SNMPv3に対応予定 |
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設定・制御方法 | 専用ユーティリティ、ブラウザ、TELNET、ターミナルソフトウェア、E-mail |
コンセント制御/管理 | ON、OFF、リブート、状態取得 |
スケジュール制御 | 年間スケジュールにより制御 |
別売オプション(リモート電源制御装置RC1504との共通オプション品となります)
名称 | 型式 | メーカー希望小売価格 | 発売日 |
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リモート電源制御装置用温度サンサ | RCTS | ¥10,290(税抜¥98,000) | 発売中 |
※ 記載の社名、製品名はすべて各社の商標または登録商標です。
- 詳細お問い合わせ先
- オムロン株式会社 電子機器事業本部 営業部
〒 105-0001 東京都港区虎ノ門 3-4-10
TEL.03-3436-7228
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