MEMSでは世界初*1 人の聴覚の下限まで検出可能 MEMSアコースティックセンサチップの量産及び供給を開始
- 2009年11月25日
- オムロン株式会社
オムロン株式会社は、携帯端末の小型マイクロフォンや、聴覚センサ*2に搭載される世界最小クラスで高感度、低周波数帯に対応したMEMSアコースティックセンサチップの量産を、2010年第1四半期(2010年1月~3月)より開始します。同時に、民生機器用MEMSセンサのトップメーカー*3であるSTマイクロエレクトロニクス社のマイクロフォン向けに、本センサチップの供給を開始します。
量産及び供給を開始するMEMSアコースティックセンサチップは、オムロン独自のデバイス構造と生産技術の改良により、世界トップクラスの小型化・高感度化【-26dB FS(1Pa、1kHz)】を実現しています。また、従来にない低ノイズ設計により、MEMSでは世界で初めて20Hzという低周波数帯域の実用化を可能としました。本センサチップは、MEMSマイクロフォンの高性能発揮はもとより、既存品の仕様では100Hzが下限値だった低周波数対応を、人の可聴領域の下限である20Hzまで広げたことで、聴覚センサとしての用途を大きく拡大します。
当社は今後、社会に潜在する音を検知して付加価値を生み出す新たなニーズを探索し、本センサチップに様々なアプリケーションを組み込む「聴覚センサモジュール」の開発も手がける予定です。一例としては、工場内での設備の異音検知、騒音下での音声認識率の向上、生体音計測による健康状態の管理、更には駅・店舗などの公共の場での不審者検知など、当社事業セグメントにおける各種アプリケーションノウハウを組み込み、人の聴覚を超える小型・高機能な「聴覚センサモジュール」の実現を目指します。
- *1・・・2009年9月自社調べ
- *2・・・人間の聴覚に相当する機能を持たせたセンサの総称
- *3・・・2008年度Yole Developpement社調べ
MEMSアコースティックセンサチップの特徴
- 8インチで世界最小クラスのチップサイズ、高感度かつ広範な周波数レンジ。
- 当社独自の折り返しエッチングにより、感度を高めるために重要なバックチャンバ容積を、チップサイズを制限しながら最大限に確保。
- ダイヤフラム部の4点支持構造および8インチ製造プロセスにおいて薄膜形成技術に改良を重ねたことでMEMSトップクラスの高感度を実現。
- 低ノイズ設計ノウハウを活かす事で従来では実現できなかった20Hzという低周波数帯域を実現。
- 20年間に渡る当社MEMS技術の豊富な経験とノウハウをチップデザイン・プロセス設計に活かし、高い信頼性と優れた量産性を実現。
国内唯一の8インチMEMSラインによる生産
- 8インチラインの生産工程においてMEMSの3次元加工を実現。
- CMOS8インチラインの経験を活かした優れた量産性、安定した品質、短納期での安定供給の実現。
- 8インチMEMSラインにおいて、現在当社子会社であるオムロンヘルスケアの血圧計向けMEMS圧力センサチップを量産中。
主な仕様
- チップサイズ 1.3×1.4×0.5mm
- 定格(推奨値)
使用温度範囲 -40℃~+100℃
最大印加電圧 +15V - 仕様(参考値)
感度 -26dB FS(1Pa、1kHz)
周波数範囲 20Hz~20kHz
生産拠点
オムロン株式会社 野洲事業所
- 詳細お問い合わせ先
- オムロン株式会社
コーポレートコミュニケーション部長 生越 多惠子
〒600-8530 京都市下京区塩小路通堀川東入
TEl : 075-344-7175