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超高速アプリケーションを実現する ネットワークスレーブを発売

  • 2008年9月30日
  • オムロン株式会社

オムロン株式会社は、下記の新商品を10月1日から発売します。

今回発売する商品は、ユーザ個別の超高速の入出力制御アプリケーションを内蔵できるネットワーク型のロジックスレーブです。従来のネットワークスレーブ(注1)は、センサやスイッチからの入力信号を、ネットワークを介して、システム全体を制御するプログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC:注2)に伝達し、PLCからの出力信号をバルブなどのアクチュエータ機器に伝達することしかできませんでした。本商品は、ネットワークスレーブ自体に制御ロジック(演算機能)を内蔵できるため、PLCを介さずに超高速で入出力信号の折り返し制御ができるようになります。

また、超高速センサ&アクチュエータネットワーク「CompoNet」(注3)を搭載しており、演算制御した結果やパラメータ変更をPLCに素早く伝達することが可能になります。

<システム構成図>

システム構成図

特長

  1. 超高速で再現性の高い制御
    ネットワークスレーブ自体が独自の入出力演算処理を行うことで、PLCのスキャンタイムによる影響を受けることなく、バラつきのない高速制御を実現できます。
  2. 超高速ネットワーク「CompoNet」対応
    業界最速クラスの「CompoNet」を標準搭載。ロジックスレーブが超高速で演算した結果を、システム全体を制御するコントローラに素早く伝達することが可能です。
  3. 様々な入出力点数+接続形態に適応
    入出力点数や接続形態(端子台・コネクタ)は、あらかじめ準備されたいくつかの組合せの範囲で、自由に選択することができます。
  4. プログラムレス
    ユーザアプリケーションをオムロンで実装。プログラム作成の手間や時間の短縮・プログラムの分散を防ぐとともに、機能のモジュール化やブラックボックス化が可能

なぜ、ロジックスレーブが必要か?

従来からFA現場で使用されているプログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)は、リフレッシュ処理を行うために、超高速でバラつきのない制御アプリケーションには不向きな面がありました。
また、これら超高速のアプリケーションを実現するために、従来のようにハードロジック基板で対応すると、ユーザ個別に設計・製造・商品のライフサイクル管理などを行う必要となり、ユーザ様の負担は大きくなりがちでした。
ロジックスレーブでは、演算部分は固定化し、タイマやパラメータ設定など変動要素をPLC側から変更できるようにしたので、ハードロジック基板よりも使い勝手がよくなり、ユーザ様の商品管理の手間もなくなります。

<PLCのスキャンとの比較図>

PLCのスキャンとの比較図

ロジックスレーブの考え方

人間は、身体全体の制御の全てを「脳」が司るのではなく、瞬時に反応する必要がある場合は、脳を介さずに神経末端にある「細胞」自体が何らかの規則性に基づいて、素早く反応します。
ロジックスレーブは、人体の「細胞」に当たり、「脳」に当たる全体システムをコントロールするPLCを介さずに、外部からの入力信号に対して、あらかじめ組み込まれたユーザ個別の演算に基づいて、素早く反応(出力)します。そして、その演算結果は、人体の「神経」に当たるネットワークを介して、PLCに伝達されます。

ロジックスレーブの概念図

適用アプリケーション例

  • 搬送装置の高速仕分け
  • 光電センサの光量劣化診断
  • 電子部品の画像処理検査のタイミング制御

電子部品の画像処理検査

価格

オープン価格

主な仕様

  • 以下の入出力点数と接続形態の組合せから選択が可能(注4)
    • 入出力点数
      DC入力8点/TR出力8点、DC入力8点/TR出力16点
      DC入力16点/TR出力8点、DC入力16点/TR出力16点
      DC入力8点/リレー出力16点、DC入力16点/リレー出力16点
    • 接続形態
      2段端子台、3段端子台、eCON、スクリューレスクランプ
  • 制御性能
    100μs以下(注5)
  • 通信仕様
    CompoNetスレーブ仕様に準拠
  • 外形寸法
    H100 x W45x D115(注6)
  • 取付方法
    DINレール取付

注1:ネットワークスレーブ
装置や機械の高度化・高性能化に伴い、入力機器(センサ、スイッチなど)や出力機器(バルブやアクチュエータなど)の点数が増加しています。多数の入出力機器をPLCに結線する際に、入出力機器とPLCとの距離が遠距離で、分散している場合には、数多くのケーブルと結線作業が必要になります。ネットワークスレーブは、機器の入出力情報を一旦集めて、CompoNet、DeviceNetといった省配線ネットワークを介して、PLCに入出力情報を伝達するユニットです。スレーブ(子局)に対して、PLC側に取り付けられるユニットをマスタ(親局)と呼びます。

注2:プログラマブルロジックコントローラ(PLC)
マイクロコンピュータ(CPU:中央演算処理装置)とメモリ(記憶素子)を内蔵したFA用の制御装置。装置や操作盤に設置した様々な入力機器(センサやスイッチなど)からの入力信号を入力回路で取り込み、プログラムされた条件で出力回路をON/OFFすることで様々な出力機器(電磁弁やモータ、表示灯など)を自由に制御します。工場などで使われる機械制御に使われるほか、エレベータや自動ドアなど、にも使われています。

注3:CompoNet
2007年2月にODVAが仕様公開したセンサ、アクチュエータレベルのオープンネットワーク。既存のフィールドネットワークでは実現できなかった超高速応答や多ノード、小点数分散などの課題を解決。EtherNet/IPやDeviceNetと同様のCIPネットワーク技術を採用しており、ネットワーク情報化・シームレス化に容易に対応することが可能です。CompoNetに関する詳細は、 http://securesite.jp/ODVA/componet/ をご覧ください。

注4:接続形態によっては、構成できない入出力点数の組合せがあります。

注5:内蔵するタイマ使用数、プログラム容量によって異なります。

注6:CRT1-CID16の値です。

詳細お問い合わせ先
オムロン株式会社
インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー 
コントロール機器統轄事業部ネットワーク事業推進部 浜鍜康二
〒600-8530 京都市下京区塩小路通堀川東入
TEL: 075-344-7116
e-mail:koji_hamaka@omron.co.jp

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