通信性能を大幅に高めたUHF帯RFID V750シリーズのリーダライタ新機種を発売 ~新電波法令に対応し、キャリアセンスなし・ミラーサブキャリア方式を採用~

  • 2008年8月25日
  • オムロン株式会社

オムロン株式会社(本社:京都市下京区、代表取締役社長:作田久男/以下、オムロン)は、UHF帯のRFIDリーダライタV750シリーズの新機種として、「V750-BB50C04-JP」を8月29日から発売します。本製品は、最新の電波法令(※1)に対応して、キャリアセンスを不要としたミラーサブキャリア方式を採用して干渉を抑制するとともに、独自の機能強化と合わせてリアルタイム性を大幅に向上しました。

従来の電波法令では、UHF帯RFIDリーダライタはキャリアセンスの実行が必要でした。この方式は、「LBT (Listen Before Talk)」とも言われ、リーダライタが電波を発信する前にその周波数で他からの電波が発信されていないかどうかを確認することで干渉を避けるというものです。(さらには、自らが電波を発信し続けることができる時間にも4秒の上限があります。) 日本ではUHF帯のRFID向けの周波数(チャネル)が9つしかないため、同一エリア内で稼働台数が10台以上になるとチャネルを譲り合うことになります。稼動環境によっては「送信時間」の数倍から数十倍の「待ち時間」が発生することがあり、システムのリアルタイム性が保証されなくなります。また、このような状況では、リーダライタの通信速度や処理速度自体を向上させても、読み取り時間の改善にはあまり寄与しません(※2)。

この「リーダ間干渉」を回避しつつ「待ち時間」の解決にも効果的な手段とされたのが、ミラーサブキャリア方式です。この方式では、(リーダライタからタグへの)送信と(タグからリーダライタへの)受信とで異なる周波数を使い分けるので、リーダライタ(自機)が受信している電波に他のリーダライタからの電波が重なることはなく、タグとの良好な通信が成立します(図1)。さらに、干渉がなくなればチャネルの譲り合いは不要となるので、キャリアセンスは不要となるとともにリーダライタは電波を発信し続けることも可能となります。(今回の電波法令改正でキャリアセンスが免除された周波数では、通信方式にはミラーサブキャリア方式の採用が前提となっています。)

従来方式(リーダ間干渉) ミラーサブキャリア方式
図1 リーダ間干渉とその回避方法

本製品「V750-BB50C04-JP」は、以下を特長としています。
(1) 電波法令に対応した「キャリアセンスなしのミラーサブキャリア方式」を採用しています。読み取りのリアルタイム性を確保しました。
(2) 独自の機能強化で通信速度を大幅に向上しています。複数のリーダライタを設置し混信のおそれがある環境では、当社従来機種比で最大2倍の高速通信が期待できます。
(3) 制御回路の精度を高めることで電波出力を最大化しています。(従来機種比で約1dBアップ、交信距離では約10%・交信領域では約30%拡大。) より多くのタグを安定して読めるようになります。

本製品は、「読みたいときに読めない」「読み取りが間に合わない」という従来の課題を解決します。高速で稼動するコンベアや多数の資材(タグ)が同時に通過するゲートなどの読み取りの即時性が要求されるアプリケーションや、同一エリア内で複数のリーダライタが稼動する工場・倉庫内などで活用いただけます(図2)。

本製品の活用例、高速で稼動するコンベア・一度に多数のタグが通過するゲート
図2 本製品の活用例

本製品は、2008年9月10日から12日まで東京ビッグサイト(西1・2ホール)で開催される「第10回自動認識総合展」のオムロンブース(2-Q-16)において展示・紹介する予定です。

なお、今回の電波法令改正以降もキャリアセンス方式の「V750-BA50C04-JP」(従来機種)は使用可能であり、オムロンとしても、ミラーサブキャリア方式の「V750-BB50C04-JP」(今回発表機種)の発売以降も従来機種の販売を継続します。 お客様のご使用環境・条件に合わせて、最適な機種を選択いただけます。

※1:2008年7月17日の「総務省告示第四百七号」のことを指します。952.4MHzおよび953.6MHzを使用する場合には、電波の送信時間に関する制限が適用されないこと、および、キャリアセンスを備えなくてよいことが新たに規定されました。(全文は同日付の「官報・号外第156号」に掲載されています。)

※2:キャリアセンス方式のUHF帯リーダライタの相互干渉については種々の研究・実証実験が行われており、例えば、経済産業省の「平成18年度我が国のIT利活用調査及びIT基礎技術に関する研究事業・①UHF帯電子タグシステムの相互干渉特性把握および運用方法の検討」(http://www.meti.go.jp/policy/it_policy/tag/2006_UHF_research_1.pdf)に詳しく報告されています。


本製品「V750-BB50C04-JP」と従来機種「V750-BA50C04-JP」との主要機能比較
項目 V750-BA50C04-JP【従来機種】 V750-BB50C04-JP【今回発表製品】
通信方式 FM0 (キャリアセンス必要) ミラーサブキャリア (キャリアセンス不要)
交信周波数 952MHz~954MHzの9チャンネル
送信と受信は同一周波数を使用
送信は952.4MHzと953.6MHzの2チャンネル
受信には送信と異なる周波数を使用
交信速度 リーダからタグ: 40kbps
タグからリーダ: 40kbps, 160kbps
(自動切換も可能)
リーダからタグ: 60kbps
タグからリーダ: 50kbps, 100kbps, 200kbps
(自動切換も可能)
送信出力切替 3段階(16.5dBm / 22.5dBm / 28.5dBm) 20段階(10.5dBmから29.5dBm、1dB刻み)
外部I/Oポート
出力電流
最大13mA 最大100mA
【ご参考】
無線局手続
登録局 (「登録申請」のち「開設届」が必要) 免許局 (「免許申請」が必要)
V750シリーズのリーダライタについて

オムロンのV750シリーズのリーダライタは、標準規格EPCglobal Class1 Generation2 (のちにISO/IEC 18000-6 Type Cとして規定)に準拠した高出力の固定(据置)型で、高機能および高速処理を特長としています。例えば、読み取り条件を自動的にチューニングする機能や、アンテナごとに出力を変更できる機能などを備えており、多様な環境に対応できます。また、上位システムの負荷軽減や省配線化に貢献する機能や、設置調整や運用をサポートする機能も充実しています。

オムロンでは、2006年10月に北米(アメリカ・カナダ)むけにV750シリーズのリーダライタの提供を始めて以降、日本、韓国、シンガポール、タイ、マレーシア、オーストラリア、ブラジル、メキシコ、中国など、対応国を拡大してきました。V750リーダライタの優れた機能・性能は、国内外のシステムインテグレータやユーザーから高い評価をいただいています。オムロンのV750は、日本国内メーカのUHF帯RFIDリーダライタの中では、唯一、EPCglobalの認証を取得しています(2008年8月末現在、当社調べ)。オムロンのV750リーダライタは、海外にRFIDシステムを展開される際にも安心して選択いただける製品です。

主な機能 説明
シングルアクセス タグを1つ読むごとに、直ちに読み取り結果を返します。
マルチアクセスおよび自動チューニング 交信領域内にある全てのタグにアクセスし、読み取り結果を一括して返します。その際、タグを最適に読み取るための条件を自動的に設定します。
外部I/O制御および自己実行 外部I/O接続端子を備えており、外部入力をトリガーとして交信処理を実行し、読み取り結果によって外部出力を制御できます。
チャネルモニタ チャネルごとに電波の使用状況をモニターできます。
フィルタリング 交信領域内のタグの中から、指定したデータを持つタグだけを読み出すことができます。
アンテナ別出力設定 アンテナごとに電波出力レベルを設定できます。
タグ返信レベル出力 タグからリーダライタに返信された信号のレベルを出力します。アンテナやタグの取り付け位置・向きによる読み取りへの影響などを検証できます。
外観写真

リーダライタ
リーダライタ
外形寸法:246(W)×215(H)×43.5(D)mm

アンテナ
アンテナ
外形寸法:256(W)×256(H)×57(D)mm

詳細お問い合わせ先
オムロン株式会社 
事業開発本部 RFID事業開発部
TEL: (03) 3436-7317
FAX: (03) 3436-7387
WEB: http://www.omronrfid.jp

弊社の2009年3月21日付組織変更において、「事業開発本部 RFID事業開発部」は解消(廃止)となりました。本製品につきましては、2009年4月1日以降、弊社インダストリアルオートメーションビジネスカンパニーから提供させていただくことになりました お問い合わせは、こちら

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